このマンガ一巻がすごい!2007年12月編

【月間レビュー数=97作品(年間レビュー数=計900作品、ブログ全レビュー数=2380作品)】12月に読んだ漫画1巻で特に印象に残った作品をご紹介。
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今月のパワープッシュは「 レッド 」「 GIRL FRIENDS」「 チョコレートコスモス」「 ストロボ・エッジ 」「 ささめきこと 」「 巨娘 」「 町でうわさの天狗の子 」「 僕の小規模な生活 」「 深夜食堂 」 (+当月ものではないですが「 君とひみつの花園 」)です。

かぶく者 1 (1) (モーニングKC) (コミック) たなか 亜希夫 (著), デビッド・宮原 (著) レビューはこちら

力量がありながら壁にぶつかる天才たちの物語。その世界が、血統で出世が決まる伝統芸能であり、そのため、看板を背負って立つことが運命付けられている息苦しさ、それを抜け出し新しいものを生み出そうともがき無理をする。一方で出世は望めない者は、そのことに対して特別な意識はないが、しかし映画や観客のいないところに興味がなく、街頭での歌舞伎芝居がいまのところ一番自分を表現できる。

芸の為に死に向かえ、という、芸事に賭ける話。歌舞伎の型の美しさを追求していくのが本題であり、確かにその型を描く場面はすばらしい。

Doubt 1 (ガンガンコミックス) (コミック) 外海 良基 レビューはこちら

オンライン上のゲームのはずが、現実のゲームになってしまうという内容。「未来日記 」のような超自然的なものの介在はなく、「ライアーゲーム」的だが、あちらは主人公が翻弄されるだけ、こちらはゲームに参加していたらそれが現実になってしまったという点で、理解しやすく読みやすい。

こなれたサスペンスといえる。が、その分、インパクトに欠けて、ふつうの作品に見えてしまうのは不幸。

深夜食堂 1 (1) (ビッグコミックススペシャル) (コミック) 安倍 夜郎 レビューはこちら

夜12時から朝7時までやっている人呼んで深夜食堂。そんな時間に飯を食う常連客は皆何かしら癖があって。

メニューはごく少数、あとは作れるものなら何でも出す。そんな店なのでそれぞれの注文には個性が出るし、常連は同じものを頼みがち。

一編10ページで一組のエピソード、食べ物と人物を上手に絡めて描いていく。いぶし銀の職人芸。うまい、とうならせる。

デス・スウィーパー 1 (1) (KADOKAWA CHARGE COMICS) (コミック) きたがわ 翔 レビューはこちら

遺体遺品の処理清掃を請け負う仕事の話。覚悟して応募した筈の主人公だが、覚悟していても現場に行くたび何度も逃げ出したくなる。これでもか、とコンフリクトを起こさせる作りはやりすぎな感じもするが、違ったケースが提示されるので、主人公に苛つくことはなく共感する。 題材の特殊性と著者の画力とを考えれば当面は追いかけるべきか。

僕の小規模な生活 1 (1) (モーニングKC) (コミック) 福満 しげゆき レビューはこちら

漫画家実録もの私小説漫画。「僕の小規模な失敗 」の延長線上の話。物書きとしての自負と、しかしそれを裏付けるだけの実績のなさに自信が揺らぐ。そんな気弱で鈍くさい主人公に、いたたまれない思いもする。が、この作品がモーニング本誌掲載(著者自身が「モーニング2」への話だと思いこんでいるという描写がある)で、単行本にもなり、しかも1巻で、続きの連載が決定したとの告知つき、となれば、読者としては安堵しながら読むことが出来る。そのあたりの救いがあるのがいい。

漫画界、出版界の裏側を垣間見るという点でも一般読者にとっては面白い。帯の惹句にあるように、これから漫画家になりたい、というひとには特に参考になる、かも。

町でうわさの天狗の子 1 (1) (フラワーコミックス) (コミック) 岩本 ナオ レビューはこちら

美人の母と、天狗の父との間に生まれたハーフ。山を守る天狗様は町人に尊敬される存在。その娘は普通の外見だが、力が強くて大食らい。父は娘に天狗になって欲しいと言うが、天狗になりたい少女なんているわけがなく。ただ、彼女の友達の男の子は、天狗になるべく修行中。

そんな設定で綴られる物語。童話かというと、天狗がいて、天狗と人間のハーフな少女がいて、それが受け入れられている、ということ以外はごくふつうの話。「ドラえもん」では町内ではドラちゃんがごくごく自然な存在であるのと同じ。高校に進学すると別の中学、別の町民には天狗のことが信じられず、ここでようやく部外者の視点が出てくるが、そこまで進む時点では読者は既に天狗の存在に慣れてしまっている。

変な話で、しかも、そんな設定がありながら展開されるのは、ラブコメ。自分が天狗の娘であっても普通に接してくれる、というか誰にでも分け隔て無く明るく接する男の子に惚れて、告白する。

メガロマニア 1 (ガンガンコミックス) (コミック) 檜山 大輔 レビューはこちら

人からも亜人からも迫害される存在だが、しかし、自分が人と亜人の仲を取り持つのだ、と奮闘する主人公。しかし、彼女の存在は有名でもあり狙われるものでもあった。 本人は素直なよい子。バカともいえるが・・・それが健気に頑張って、理解してくれる同僚もいる。そんな日常をしっかり描いており、キャラクターがきちんと立っている。 物語を急いで展開せず、かといって日常だけをだらだらと綴るゆるいものでなく、土台をしっかり固める一巻。相応の期待のできるつくり。でもまぁ明るい話にはならんかな・・・

巨娘 1 (1) (アフタヌーンKC) (コミック) 木村 紺 レビューはこちら

彼女の生活を中心に追う作品。恋愛は猛禽のように男を狙うが、今までは自分と同じような背丈の男をとっかえひっかえだったが、女の子のような男子をつかまえてからは彼をかわいがる毎日。なお彼女は小規模ながらチェーン展開する焼鳥店の社員で店長。その仕事っぷりも綿密に描いており、単なるデカ女設定のコメディに終わっていない。

題名は巨娘だが、ヒロインにとどまらず、周辺の人物にまで話は広がっていく。綿密な設定があるので話は四方八方に展開中。

なお、コマとコマの間に柱があって、そこにト書きが書かれている。著者ならではのユニークなスタイル。無声映画の手法っぽい。

じょなめけ 1 (1) (モーニングKC) (コミック) 嘉納 悠天 レビューはこちら

18世紀後半、江戸時代、吉原に詳しい貸本屋が、出版の大立て者となる話。主人公は、蔦屋重三郎。 平賀源内や喜多川歌麿らと知己を得て、落ちぶれていた吉原を立て直す。 サクセスストーリー、になるのだと思うが、早急に結果を求める庶民を描き、周囲に理解を得られず、対立候補を立てられ追い込まれる、といった状況になるのが一巻。なので読んでいてすんなり面白いかというと、現在はコンフリクトを発生させて話をドライブさせている最中、助走期間でしょうか。そのライバルが仕事とはいえ吉原のことを考えていることを知る一方、ライバルも主人公の心意気を知る。が、それで共同戦線を張るまでには至らずに巻またぎ。

ささめきこと 1 (1) (MFコミックス アライブシリーズ) (コミック) いけだ たかし レビューはこちら

女の子のことを好きな女の子が親友で、その親友はその子のことが好きなのだけれどそうそううまく恋愛がマッチングするわけはなく。

好きな人がいるけれど、うまくいかない、というもどかしさを描くには、同性同士の恋愛の方が本質的に向いている。そうした切なさがありつつも、基本的には明るく楽しい学生生活。そりゃ好きな人がそばにいて、仲の良いひとがいて、同士がいて、つまらないはずはない。せつなくはなるけれども。

大帝の剣 1 (BEAM COMIX) (コミック) 渡海 (著), 夢枕獏 (著) レビューはこちら

話は一向に始まらないまま一巻は終わる。が、物語などどうでもよい、と思わせるのが、精緻な絵。凹凸がはっきり、遠近感をこうも示せるのか、という手抜きのなさ。一コマ一コマがひとつの絵になっている。

モノクローム映画を見ている感じ。この絵のためだけに買ってもいいかも。

デイドリームネイション 1 (1) (MFコミックス アライブシリーズ) (MFコミックス アライブシリーズ) (コミック) kashmir レビューはこちら

日常のだらだらに、非日常をぶっこんでかきまぜた作品。まぁ日常自体に、常識からはみだした人物がいるので、神様の存在意義はそんなりないような気がしますが・・・

夏の学校を舞台に、テキトーな性格のキャラクターばかりで繰り広げるコントもの。ヒロインだけが振り回されます。

こういう内容を、かわいい絵でやれるところが魅力。中身が面白くても、絵で人を選ぶ作品って多いので、漫画であるかぎりやっぱり絵は重要。

セーラー服と重戦車 1 (1) (チャンピオンREDコミックス) (コミック) 野上 武志 レビューはこちら

戦車で通学するような女の子たちの物語。世間にふつうに戦車が流通していて、街中を走ってもいる。戦車同士は出会えば対決。それが見世物になったりもして。 ありえない前提が「あり」として始まる物語は、その勢いで突っ走るので大抵楽しい。読者がそのノリについていけるなら、幸せな世界の展開が保証されている。 戦車!女の子!に絞って描く話はすがすがしい。かわいい子とミリタリーが好きなアナタにはたまらないハズ!内容的には、中戦車なんじゃないの、とあとがきでセルフつっこみあり。

賭博覇王伝零 1 (1) (KCデラックス) (コミック) 福本 伸行 レビューはこちら

ギャンブルものの新作。今回は主人公は少年。そして対戦相手を負かすことではなく、大きなゲーム全体を制することが求められている。なので心理戦を超えて、これは生き方の話といえるのだろう。犬のような、手打ちのような人生を送っていていいのか、という、「王」の資格についての話。自分の頭で判断せず、規制によって守ってもらう社会主義国家・日本の未来を憂う話、なのでしょう。

ただ、そうは言っても個々の話はひとつひとつの細かなゲームについてにならざるをえず、その点で「ライアーゲーム 」化するのでは、との危惧もあり。それはそれで充分面白くはあるのですが。

魍魎の匣 1 (1) (怪COMIC) (コミック) 京極 夏彦 (著), 志水 アキ (イラスト) レビューはこちら

原作を知らないものには興味深い作品ではあるが、しかし、よくよく考えると話らしい話はまるで展開されておらず、語り口は楽しいが、一巻まるまる無駄話といえなくもない。あー、だから分厚いのかこの人の小説は・・・いや、展開しないのも物語の醍醐味ではある。

何かありそうで何もない、何もなさそうで何かある、話といい雰囲気といい、思わせぶりで、楽しめる。読み終わった後も楽しいかどうかは存じませんが・・・

新・リセット 1―イジメの報酬 (1) (ぶんか社コミックス) (コミック) 山本 まゆり レビューはこちら

リセットをテーマにしながらも、リセットしてやりなおせるよ、という安易な話ではない。寧ろ、リセットはできないんだよ、だから、リセットしたいような事態に直面した場合は、どう対応すべきかを熟慮して判断を下すべきだ、という話である。シビアな現実に立ち向かう非常にマジメな作りの良作。 パターン化した話ではあるが、未見のひとが読む分にはオススメ。

ストロボ・エッジ 1 (1) (マーガレットコミックス) (コミック) 咲坂 伊緒 レビューはこちら

初恋青春もの。主人公が物心つく瞬間をとらえた瑞々しい作品。他人に言われたことを鵜呑みにするのではなくて、自分で体験して実感して初めて経験になるのだ、という話。 恋愛がああだこうだ、というところを描くのだが、テーマがそれから一歩ひいたところに設定されているのが面白い。恋愛自体が主目的ではなくて、もっと深いところに繋がっている話。なので、恋に恋する少女の話ではなく、恋する気持ちとはどういうものなのか、を知っていく少女の話になっている。

チョコレートコスモス 1 (1) (りぼんマスコットコミックス) (コミック) 春田 なな レビューはこちら

相手が学校の先生という点でごくごくオーソドックスな少女マンガ。が、そこに至るまでが面白い。また、そこに至ってからも面白い。そんな初恋物語。 至るまで、の展開は巧いが、気になる人が先生とわかってからのヒロインの態度がまた楽しい。教師なんてありえない、とあっさり諦める素振りを見せる。引っ込み思案以前に恋愛初心者なので、自分が恋してることもわからず、自分自身半信半疑。わかったあとも、どう振る舞えば良いのかがわからない。恋する気持ちを隠すわけでもない。でも、どこで素直になってどう行動すればよいのか見当がついていないのが、初々しい。よろしいじゃないですか。

GIRL FRIENDS 1 (1) (アクションコミックス) (コミック) 森永 みるく レビューはこちら

グループとか派閥とか、悪意とかいじめとかからかいとか、そういう次元ではなく、悪い遊びとか不良とかでも、百合な関係というのでもない、純粋というか現実的な学園ガールフレンドもの。・・・と思っていたら巻末になんか変な展開がありますが・・・自分で服を買ったこともなかった女の子が、ともだちができて生活が生き生きしていく。

クラスが変わっても友達だよ−というのが、変わればやっぱり付き合いも変わってくるとこおなどリアリティある描写で、だからといってそんなものだよと冷めもせず、な関係を描く作品は、ちょっと珍しいのではないか。何もないといえば何もない日常なのだが、これが面白い。

RATMAN 1―The smallest hero!? (1) (角川コミックス・エース 152-2) (コミック) 犬威 赤彦 レビューはこちら

正義のヒーローに憧れていた主人公が、はめられて悪の組織の運動員にされてしまう。が、憧れの対象だったヒーローたちが純粋な気持ちでヒーローをしているわけではないことも知る。また、悪の結社の一員である女の子に、大事なのは姿や形にとらわれることではなく、強い意志があれば大丈夫と言われたことが心に残る。

悪がそんなに悪く見えず、というのは最近多いが、正義の側も正義に見えないという所まで描き、しかもギャグに落とさず展開する。三角関係めいたラブコメ要素も用意して、「ウイングマン」を現代風にアレンジした感じでしょうか。

でびるなえびる 1 (1) (アクションコミックス) (コミック) 倉上 淳士 レビューはこちら

主人公の少年・天童があくまでもマジメなので、目先の笑いやドタバタに落とすに止まらず、独特の雰囲気をもっている。ギャグやコメディ、パロディマンガとして見ると、流れがやや鈍重な部分もある。が、この話の本質は違うのだろう。

常人離れしたヒロインも、目的は迷える大衆を混沌から規律ある社会へと導くこと。理性の支配する社会を実現しよう、と主人公にもちかける。主人公はそれに心動かされつつも、理性を保つ。そんな、独裁者もの物語が本質なのだろう。

君とひみつの花園 (花とゆめCOMICS) (コミック) 林 みかせ レビューはこちら

一巻表示ないですが2巻が出たので。実際は2006年の刊行です。

「花ざかりの君たちへ」の逆パターン。まぁこっちのほうが漫画ではよくある手法。ちなみに同室の相方は、歌舞伎の家系で、期待されていた双子の兄がいなくなったためにその代わりとして据えられており、優秀であったその兄と比較されてしまう窮屈な境遇。そんな、複雑な設定を抱えているのに対して、ヒロインは「オンナとして見てもらえない」悩み一点のみで単純明快天真爛漫。白泉社花とゆめレーベルの基本フォーマットどおり。 新奇性は特にないが、しかし、男っぷりが増していき、女子校で大人気、更に系列の男子校でもその実力を発揮したためアニキとして慕われるようになるヒロインが、不憫で・・・いや健気、素敵です。主役二人だけで十二分に楽しめます。

異国迷路のクロワーゼ 1 (1) (角川コミックス ドラゴンJr. 111-2) (コミック) 武田 日向 レビューはこちら

本人少女がパリで暮らす話。職人の血を受け継ぎ頑固な青年と、奥ゆかしい日本の少女とが、文化を越えて心通わせていく。

異国の地で暮らす心細さを交えつつも、日本人少女の側からではなくパリ人の視点で描くところがユニーク。物語を貫く大きな軸がないので、このあとの展開があるかないか定かではないが、しばらくはこの雰囲気を味わいたい。

われは剣王っ!! (電撃コミックス) (コミック) 芝村 裕吏 (著), 城爪草 (著) レビューはこちら

転入してきた形の主人公は、ランクFという最低水準の王である少女と契約を交わす。所領地もなく、そうした背景は力にも及び、この王は具現化させるまでの力を持たない。が、主人公は自らの体力知力でそれをカバーし、少女を守る。

男らしい話であり、うじうじしない。かといって脳天気なバカ話ではない。男らしくても男臭くはない。が、かといって萌えに転びもしない。絶妙なバランスの、陣地とりを賭けたバトルロワイアル。結構面白いと思います。

ざくろの木の下で 1 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) (コミック) 森川 久美 レビューはこちら

朝日ソノラマ−ではなくなったのでカテゴリのラベル名も書き換えなきゃいけないが、この出版社このレーベルらしい、スロースタートから徐々に話も世界も広がっていく物語。

中心となる人物が命を狙われる理由は、カネや色恋の部分もあるが、それ以上に、地動説を唱えたが故。信仰と異端にまつわる物語で、狭いフレームのなかで終わるマンガではない。

らいか・デイズ 1 オールカラー版 (1) (まんがタイムコミックス) (コミック) むんこ レビューはこちら

本来は再発や完全版などと同じ扱いなので取り上げませんがむんこ女史ですし特別に・・・オールカラー版。フルカラーイラスト集が別冊子でついてきます。DAY1〜16と振られた掲載回について、それぞれコメントつき。それとは別にあとがきページもあり。 読んだことのある内容なのに楽しく、作品照合にモノクロ版を引っ張り出したら読み返してどっぷりと・・・

赤髪の白雪姫 (花とゆめCOMICS) (コミック) あきづき 空太 レビューはこちら

王子様と綺麗な庶民が出会いましたというボーイ・ミーツ・ガールな物語。 一話めで爆発するタイプの多い花とゆめコミックスとしてはスロースターターな感じ。逆に出落ちになりがちな同レーベルの弱点がないので、話が進めば進むほど面白くなりそう。赤い髪、と言われてもコミックスはモノクロなわけで、正直ぴんと来ないが、アニメ化実写化には寧ろ向いていそう。舞台は架空の国なので、縛られるものはなく展開は容易。ヒロインには薬剤師という目指すものがある。王子は王子で第二王子という微妙な設定なので転がしようはいかにでも。 というわけで、今後を考えれば楽しみ。

心斎橋ストラット 1巻 (1) (ヤングキングコミックス) (コミック) 幸田 廣信 レビューはこちら

帽子を作る才のある女性と、機を見るに敏な男性との、二人三脚で綴るファッションビジネス物語。一気にスターダムにのし上がるわけでもなく、地道に一歩一歩積み重ねていく様を描く。毎回毎回、何らかの区切りを設けて読み切りの形にしており次回には持ち越さないようにしているので、単行本で読むと流れが滞る感があるが、それでもじわじわと話を前に進めており、立ち止まらず、かといって下積み部分をすっとばさないところは魅力。

レッド 1 (1) (KCデラックス) (コミック) 山本 直樹 レビューはこちら

1970年前後、学生運動末期を綴る、赤軍周りの話。 登場人物に逮捕や判決、死亡までのカウントダウンが付記されること、人物の一部に番号が振られていることが異色。特に後者は、後に死亡する者に亡くなる順に付されている。

そのため、誰がどうなるという着地を解った上で読んでいくことになる。先がどうなるか解らない作品とは違う読み方が要求される。独特な作品なので、マンガの多様性を考えれば、今年出版された新刊のなかでは確かに目を惹く一冊ではある。駄作であるはずもない。

アイスフォレスト 1 (1) (フラワーコミックス) (コミック) さいとう ちほ レビューはこちら

才能があるがパートナーとの仲がうまくいかなくなりカナダから日本へ移籍したハーフの男子と、このフィギュアあがりの少女とがペアを組み、上を目指していく話。いきなりとんとんという展開ではなく、大会に出るためのコーチを探し、目を付けてもらうためにエキシビジョンに出て魅力を見せつける、というのが一巻。ゆっくりじっくり話を積み上げていく。なので一巻時点では話はまだまだ序盤だが、十分に面白い。

スケーター達の他に、そのスポンサーである人物も描く。こちらも絶対の存在ではなさそうで、ウインタースポーツにつきまとう基盤の弱さはここでも話に組み込まれる。話の軸が二つあるところが内容を深くしている理由かもしれないが、フィギュアスケートもの(アイスダンス含む)には、魅力的な作品が多いように思う。

Catalogue Noir1 [眠れぬ夜の奇妙な話コミックス] (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) (コミック) 佐藤 かおる レビューはこちら

この世に未練を残したひとを成仏させる話はよくあるが、美術品と結びつけて物語にしたのはアイディア。「ギャラリーフェイク」あたりと共通する匂いを感じる一品。

細かな設定を言葉では具体的に表現していないので、主人公の教授の肩書きは不明。かいつまんで紹介しようとする際に困りますが、帯にあるとおりに書けばいいのか。まぁ、そうした肩書きを記さずとも、しっかりとした描写さえあれば読み手は困らない。優れたマンガであれば、文字に説明を頼らない。

しるバ. 1 (1) (角川コミックス・エース 193-1) (コミック) 爆天童 レビューはこちら

悪の秘密結社のほのぼのぶり、ヒロインの母親も登場しての学校での与太話、そのあたりで展開していく。なんで女の子が悪の組織にいるかというと、大総統の孫娘だったり、その母はぼけぼけして見えるが鎌を持たせれば天下一品、「ヘドリアンの魔女」と恐れられた総統の愛娘であったり、悪の組織から学校へは直通ルートができていたり、とダメダメなだけでない設定なので、ぬるぬるゆるゆるなだけの4コマではなく締まりがある。

聖なる花嫁の反乱(1)(KCデラックス MiChao!KC) (コミック) 紫堂 恭子 レビューはこちら

外部の世界では人々が戦うなか、森の王と契約することで守られていた人々。しかしそれには犠牲があると知った族長の息子は好きな幼なじみを救うための行動に出る。しかし捕らえられ、過酷な外の世界に追放される。それを知った少女は、彼を救うために冒険の旅に出る。外に出れば知らないことばかり、故郷の人々と違い人心もすさんでいる。しかも彼女の故郷は、外の世界では忌み地、彼女達は呪われた人とされていた。

自分の立場を知らない少女は、彼のことを思う一心で行動していく。自分のためにした行動で国を追われた彼のことを心配している。そんなピュアなラブストーリーでもあり、一方、契約に守られた国のファンタジーでもあり、その地上の楽園から外へと飛び出た冒険ものでもある。

桃色シンドローム 1 (1) (まんがタイムKRコミックス) (コミック) 高崎 ゆうき レビューはこちら

大戦中に開発された兵器少女が現代に蘇る、という話なのだが、主人公がアレなヒトなので、勝手に解釈し魔法少女を強要、育成する展開に。キチガイ設定を二乗したコメディ。

時代も変わり、戦争もないし、自分は不要なのではないか−と思う少女だが、そこは主人公の勘違いなまでの情熱とパワーにより彼女は求められ、生かされる。つまりこれは、マイノリティ同士が互いを補完することで存在を認め合い生きていくという、人と人とのふれ合いのすばらしさを描いた作品なのである。



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