【オススメ】 青野春秋/俺はまだ本気出してないだけ

俺はまだ本気出してないだけ 1 (1) (IKKI COMICS) (コミック) 青野 春秋

■ 【オススメ】 身につまされる?コメディ。

勤続15年、40歳にして突如会社員を辞めた主人公。 何があったわけでもない。家で朝からゲームをするような日々。 自分探しと言っていたが、自分を見失う有様で、 内心は不安。同居している父親は呆れて怒り出す。 そうこうするうちに、漫画雑誌を読んでいた主人公は、 はたとひらめく。俺マンガ家になるわ、と。

勿論すぐに描けるわけもなく、描くこともない、と呆然とする。 漫画家って凄いわと。いつのまに俺はこんな残念な感じになって しまったんだ?と思いながら歩道橋を自転車で降りる際、 誤って落車し飛びおちる。駆けめぐる走馬燈ににやっと笑いつつ、 頭からだらだらと血を流す主人公。無事に帰ってきた後で、 本当の実力見せてやる、と執筆に専念する彼の作品「走馬灯」は、 見事努力賞にひっかかる。賞金1万円に副賞スクリーントーンセットですが・・・

という短編から始まる物語。読み切りがこれともう一話あって 、その後に第一話という構成になっている。いや、そんなことはどうでもいいか。

ファーストフード店で若者に混じりアルバイトをしながら、 高校生の娘もいるという状況下で、漫画家を目指すオヤジの話。 頑張る風でもなく、追い詰められた感じもなく、 いや、頑張っているしテンパってもいるのだが飄々としているようにも 見える描写。と言っても冷めているというのではなくて格好は つけようとしている。が、そうはいっても外見や周囲を気にして 行動に出られないといった乙女の恥じらい的なものは持ち合わせていないので、 生活は極めて普通。卑下する感じもないし、かといって自尊心を高めて なんとか自分を保つというわけでもない。

それが、「まだ本気出してないだけ」ということ、なのだろう。 でもまぁそれは言い訳として使うのではなく、まだまだいけるだろう、 というニュアンスでもあって、全然後ろ向きに見えない。 かといって、がむしゃらに前に行くわけでもない。この辺の 微妙なバランスが、読む者を引きこんでいく魔力を持つのである。 同情でも見下すのでもない、共感というのとは少し違うが、 共鳴する感覚。いや、それは私が間違っているというかそちら側に近い からなのか・・・まずい、まずいかもしれんぞ、これは・・・。

誰が悪いとか社会が悪いとか言い出すわけではなく、 そうしたキャラクターゆえイラっとすることもない。 ま、何かあったときに、人のせいにするひとは分裂症気味で、 自分のせいだと自らを責めるひとは躁鬱の気があると 小耳に挟みましたが。後者のひとは、たぶん、合う話ではないでしょうか。 なので私ははまっているのでしょう。

サラリーマン生活に踏ん切りつけたいあなたにオススメの一冊です。 いや、コレ読んでほんとに辞めちゃっても責任もたんけどね。

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青野春秋 (あおのしゅんじゅう)
俺はまだ本気出してないだけ → 【 小学館:コミック 『俺はまだ本気出してないだけ 1』 , アマゾンで購入

いい歳こいて突然漫画家を目指し始めたおっさんと、彼を取り巻く“いい迷惑”な人々が織りなす哀愁コメディー! イキマン出身の俊英・青野春秋、鮮烈デビュー!!
掲載=IKKI 2006年2月号、2007年1月号、3月号、5月号〜8月号

小学館
IKKI COMIX
2007(平成19)年11月4日初版第1刷発行
定価=590円+税

マンガ一巻読破は、 2005年1月以降に発売された漫画単行本のうち「1巻」表記のある 作品を網羅してレビューするサイトです。◆
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