このマンガ一巻がすごい!2007年9月編

【月間レビュー数=63作品(年間レビュー数=計649作品)】9月に読んだ漫画1巻で特に印象に残った作品をご紹介。読み残しが多いので9月に発行されたオススメ本がこれで終わりというわけではありません、念のため。しかし刊行されすぎですな。一巻レビューだけで生計立てられるようになれば、読み残しもなくなるのですが・・・目指せ脱サラ!ちなみに現状は、買ってる漫画代がまかなえているという程度です。

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今月の特にオススメなパワープッシュは、 「 GENTE 」、 「 タカネの花 」 、 「 BLUE DROP-天使の僕ら 」、 「 QUO VADIS クオ・ヴァディス 」です。

QUO VADIS~クオ・ヴァディス 1 (1) (バーズコミックス) (コミック) 新谷 かおる (著), 佐伯 かよの (イラスト) レビューはこちら

不死であるが、それ以外の特徴は吸血鬼と一致していないという主人公たち。研究所から脱出した仲間が、時空を越えて飛んでいき散らばった、ということらしく、どうやら未来人の様子。彼らがいた時代である「終末の世界」を主人公が探ろうとするときに常に評議会の不死の美女が現れる、という。

オリジナルだのセカンドだの、そうした「吸血鬼」を追う側にも不死の者がいる、といったヴァンパイアものである一方、時間軸を大きく使って話を綴る。世界を救うために過去に遡る、というような話なのか、どうなのか。

素直な流れではなく複雑な構成だが、かといって理解できないほど難解というわけでもない。焦点ははっきりしているので、わからないながらも惹きつけられる。

ユウタイノヴァ 1 (1) (ヤングマガジンコミックス) (コミック) 押見 修造 レビューはこちら

幽体離脱できるようになった少年が、その離脱した体で出会う不思議な話。主人公の過去と素直さ、子供っぽさを示すエピソードを展開し、そして、自身が高校生から進歩していないことを自ら悟り、次のステップに踏み出す、というのが一巻の内容。これはこれで一つの話として完結しているが、あくまでも助走で、本筋は、彼を救った謎の幽体少女の物語の様子。

助走にすぎない一巻めだが、この助走がスムーズな加速。登場人物を絞り込んで始める物語は、読み手が話しに入りこみやすい。このあとどう広げていくかが課題で、その点、主人公の手持ちの札は既に出し切ってしまったように見えるのが気がかりですが・・・

ディエンビエンフー 1 (1) (IKKI COMICS) (コミック) 西島 大介 レビューはこちら

目的意識もなく、かといって逃げ出したいというほどの思いもなく、ふらふらと漂う主人公。戦地の軍人達はみな当然正気ではない。戦う意味を持たないアメリカ人に対して、生きぬくための防衛という意味のあるベトナム人との対比。しかしそこにとどまらず、敵を鮮やかに切り刻んで舞う少女を置いたところがファンタジー。悪夢の類なのだが、主人公の凡庸さ、そしてこの絵が目先をごまかし、殺伐とした話もなんとなく読ませてしまう。 この絵でこういう毒々しい話を送り出すところが、いやらしくニクい。

タルワール 1 (1) (バーズコミックス) (コミック) 太田 紅美 レビューはこちら

ふつうの人間の器のひそむ神々たち。かつては人を守護する者だったが、力を持った人間に逆に疎んじられ封印された経緯がある。その恨みを人に、特に封印した少年の一族に対してはらそうとする覚醒者たち。ただ、その中では考え方の違いもあり、少女のなかにいる鬼神はとくにはぐれ者であるということでまた別なことを考えているらしく。

更には、少女が少年に恋をしてしまっているので、中にいる鬼神も、覚醒しながらその器である少女をのっとることができない状況にある。恋愛面もきっちりおさえ、「のだめ 」みたいなキャラの、猪突猛進な女の子が猛アタック。覚醒ものとラブコメという2つを両輪として回していく物語。

仕上がりが綺麗な話で、一読をオススメします。

BLUE DROP-天使の僕ら 1 (1) (チャンピオンREDコミックス) (コミック) 吉富 昭仁 レビューはこちら

男でも女でもない第三の性の物語。すごいSFというべきか、行き当たりばったりというべきか。いや、単なるロリエロ漫画か?

電波系?と疑う読者の裏をかき、増殖していく暴走かげんが気持ちよい。描写もロリ派には満足なのではないでしょうか。異星人のあいだにもいろいろあって、そして、主人公たちが世界の行方を左右するものを握っているらしく。それは既存の社会にとっては当然驚異なもので、既得権益者はどう出るのか、という話にまとめるなら見かけほどそう突飛な内容でもないのかな。

主人公の精子がこの世界を救うらしいよ。うわー収拾つくのかなこの話・・・しかもアニメなのかこれ・・・狂ってるな。

インセクツ 1 (1) (バーズコミックス) (コミック) 杉山 敏 レビューはこちら

突然変異バイオホラーな昆虫ものに、国家の陰謀というものを混ぜ込んだ一作。その陰謀が一巻の時点である程度明らかになってしまうのは読み手が納得してしまう分、怖さが減ずるのだが、この後またツイストがあるのか、あるいは2巻程度で終わるのか。

近い作品としてはたとえば「BUGS」があるが、「インセクツ」のほうが論理的。ホラーとしてどちらが正しいかは微妙な面もありますが。

イノセント・ワールド 1 (1) (講談社コミックスなかよし) (コミック) 山田 デイジー レビューはこちら

ほどよく等身大、きれいにまとまった中学生もの読みきり連作。

適度なリアリティがありながら、読んでいてつらくならないのは、明るい解決に向かう話だからというのもあるが、悪意のある人間が描かれないというところも理由としてあるのだろう。そういう点でリアルではなく綺麗事なのかもしれないが、綺麗事で明るくなるならその方がツライ現実より全然いいよね、確かに。実際、前を向いて自分のことに真剣に頑張って、結果明るい道を歩いているひとは、他人のことが気にならなくなるものだから、こんなものなのかも。それがすなわちハッピーということの本質なのかもしれない。

臨場 1 (1) (芳文社コミックス) (コミック) 横山 秀夫 (著), 上農 ヒロ昭 (イラスト) レビューはこちら

伝説の検死官を軸にした連作もの。

圧倒的な力量を誇る検死官を中心に事件を描く。あまりにも目の利く人物なので、彼を主役にすると話が一瞬で終わってしまう。そこで、部下であるエリートを主役とするのが第一話。彼は、関係のあった女性の遺体を前に、どうふるまうか苦悩する。 ほかに、警察回りの記者が登場。局長賞を何度ももらっている先輩記者の奥さんが切れ者で、検死官と同等の推理を見せる。

タカネの花 1 不動産投資準備編 (1) (BUNCH COMICS) (コミック) 新久 千映 (著), 金森 重樹 (監修) レビューはこちら

投資と運用に秀でた青年と、借金に悩みあえぐヒロインとが出会うお話。青年は、カネ儲け以外はからっきし。そこで、ヒロインが恋愛指南をすることでギブ・アンド・テイクのバディ関係となる。

この手の話はヒロインが一方的に助けられる設定が多いので、ヒロインも与えるものがあるという仕掛けは上手い。青年は、貧乳なヒロインに興味がない、ということで、両者がとりあえず恋愛関係にならないところも割り切りができていてよろしい。更に上手なのは、ヒロインの借金が、弟の保証人になったためで、しかも借りた相手は親戚。親戚相手なので、自己破産という最終兵器をも禁じ手とせざるをえない、という縛りがあるのがミソ。銀行や消費者金融、カード会社とは一切無縁ということでもあり、つまり話の中身は一般読者にも応用できる。

僕達は知ってしまった 1 (1) (フラワーコミックス) (コミック) 宮坂 香帆 レビューはこちら

中学時代の旧友は高校で新しいクラスに馴染んでいるのに自分はまだ居場所が見つからず、落ち着かない。微妙な位置でとまどい、そこを気になる男の子が助けてはくれるのだが、素直になれずというかどう対応していいのかわからず、あたふたしてしまい、心にもないことを言ってしまう。そんなリアリティあるヒロインのお話。

柴田さんちのエリザベス 1 (1) (Feelコミックス) (コミック) 野口 ともこ レビューはこちら

セックスから始まる恋愛、どころかいきなり結婚して夫婦生活ですが、まぁそういうこともあるよね(いや、ない)。生活のギャップを楽しむドタバタものかと思っていると、きちんとファミリードラマになっていく。そんな設定きいてないよという反則技続出だが面白ければそれでいい。読み進めていくとクセになる。

逆玉の輿、ギャップ婚。そんなドタバタコメディ、なのだが意外にファミリードラマとして面白くなっていく。

ショートソング 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス) (コミック) 枡野 浩一 (著), 小手川 ゆあ (著) レビューはこちら

短歌を巡る青春物語。上手に短歌を挿入している。話自体は軽く、主人公の引きの悪さ、若手歌人がこんなに主人公が気になるなんて実はもしかして、なBL的展開?など、歌壇の堅苦しい雰囲気に飲み込まれて暗くなりがちな世界を読みやすく綴っている。

Kiss X sis 1 (1) (KCデラックス) (コミック) ぢたま 某 レビューはこちら

血の繋がらない姉弟の恋愛もの。禁断でもなんでもなく、寧ろ、姉二人との三角関係で、どっちを選ぶ?状態のマンガ。姉はめちゃくちゃ積極的。主人公自身が煮え切らず、ダメだ、いけない!と思っているおかげでコメディとして成立している。で、酔っぱらわせると本能が暴走してエロ展開・・・というお約束コースがあるのも素晴らしい読者サービス。

まぁご都合主義なお話ですが、かわいければいいじゃないですか。主人公が受験生、という設定なのがお気楽一辺倒でなくてよいところ。

GENTE 1 (Fx COMICS) (コミック) オノ・ナツメ レビューはこちら

オーナーの妻の趣味で、老眼鏡をかけた紳士をホール・スタッフにしたレストラン。気が付くと老眼紳士ばかりのそんな店を舞台にしたオトナの話。

じっくり読むのに向くオトナの漫画。内容はさもない日常だが、それをさらっと描くところ、無理なドラマのない日々を綴っているのが心地よい。

桜アイロニイ 1 (1) (マーガレットコミックス) (コミック) 小藤 まつ レビューはこちら

幼なじみとの恋愛もの、なのだろうが、ちょっとひねって、ヒロインにはそういう感情は希薄、ヒロインが好きなのは中学時代の先生。でも先生には彼女がいて、その辺の事情を幼なじみは全て知っている。男の子はガキのように素直でなく、ヒロインにちょっかいを出すが、それは当然−ということで、行為は子供っぽいがしかし、その理由は家庭環境から何となく理解はできる。

この話は、ヒロイン云々より、幼なじみの男の子に、せつないねー、と肩入れして読む漫画。少女漫画だけど描いているのは男の子のことですね

東京事件 1 (1) (角川コミックス・エース 49-4) (コミック) 大塚 英志 (著), 菅野 博之 (イラスト) レビューはこちら

東京に原爆が落ちるのを阻止した男は時空を移動する能力を持っている。しかし阻止したことにより、世界はもう一つに分岐して、原爆が落ちたままの世界が存在するという・・・あいかわらずの大塚英志ワールド。

相変わらず入り組んだ設定を、敢えてわかりやすくすることもせず、そのまま散らかし次から次へ積み重ねていく。それでも軸となるアイディアは面白いので、なんと不親切な、と言いながら読んでしまう。 現実の事件を題材に、それに独自の解釈を加えていく、といういつものスタイル。読み慣れているひとは特に戸惑いもなく楽しめるでしょう。

※コメントいただいたので注釈を。現状でも経費をまかなえる収入があるのは有り難いで す。そもそもレビューサイトは趣味で、そんなところから買っていただけるのは感謝感激でございます。一方で、現状では経費をまかなうところで止まってますので、つまり、生計を立てるには相応の仕事をしないとならず、そちらに時間をとられるわけで、今以上の時間は割けない。となると、読み残しに手を付ける時間がないと。このレビューサイトの存在価値として、ほぼ全部を読んでレビューする、というのがありますので、現状ママだと中途半端に終わってしまうため、なにか脱サラできて時間を割けるような方策を見つけないと難しいなぁ、というぼやきでございます。それだけマンガが出すぎで、専門レビュアーにでもならないと読みきれない状況ってどうなのよ、という話でもあります。まぁ、こういうことは書かないほうがいいのよね。「程度」というのは、それくらい、という意味で、軽んじているつもりなど全然ないのですが・・・



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