【オススメ】 河合克敏/とめはねっ! 鈴里高校書道部

とめはねっ! 鈴里高校書道部 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)

【オススメ】 新入生歓迎の部活動紹介で書道部は揮毫のパフォーマンスを行うが受けが悪く。5人以上でないと廃部になる状況で、現在部員数は3人。一週間たっても新入部員はやってこない。

そこへ、教師から頼まれものされ運んできた一年生の男子。これをいいカモがきたとばかりに勧誘する書道部員。帰国子女である彼は習字の経験もなかったが、揮毫を見て美しいと思ったのは確か。なりゆきで入部させられるが、硬筆文字はなかなかのもので、これはもしかして、と部長が期待した、その矢先。彼は美人で憧れていた同級生が男を投げ飛ばすところに巻き込まれ利き腕を骨折してしまう。 それが縁で、柔道で全国2位の実力を持つ少女も書道部に入部することになる。

「マイナージャンルをさまよう作家」(とあとがきで著者自らが記している)が柔道、競艇に続いて選んだのは、書道マンガ。ヒロインは柔道家ということで、著者のファンには入っていきやすい設定になっている。主人公は男の子も、周囲は女の子でまとめ、しかしうぶな男の子が夢見るような女の子ではなくきっつい子が殆どという現実味のあるキャラクター配置。ひとり性格の良い部長には、その裏の部分を引き受けた双子を設定。一方で男子はまっすぐで頼りなげな部分の多い子とするなど、あー、なんか、これ、実際高校生の男子が読むと案外身につまされる話な気がしてきたな・・・。

その世界の初心者を主人公にして読者を導きやすくし、その主人公が成長していく様子を描く王道もの。この作品も書道初心者、ずぶのシロウトから話をはじめる。そうした人物がなぜその道を選ぶのか、そしてそんな主人公達がなぜ上達していくのか、に説得力がないと読んでいてノれないわけだが、本作では、誘う側の事情(部員を集めないと廃部)、誘われる側の事情(日本語もまだ上手ではなく友達もできない、怪我をさせてしまったことへの責任)と理由付けがあり、かつ、硬筆が上手、あるいは身体能力が高い、という成長していくことを正当化しそうな能力がきちんとある−ように見える。この自然さが成長物語の基本。

話の骨格がしっかりしていて、それでいて周りで遊ぶ余裕がある。部長以外の部員二人は話の潤滑油としてのコメディリリーフであり、この自由なポジションのキャラクター邪魔にならないようにしながら物語を転がすために使っていくというところが物語巧者の技。

書道のマンガへの取り入れ方が絶妙で、こういうコラボレーションはマンガにとっても題材となる分野にとっても活性化となってよいのではないでしょうか。

■続刊購入する?→★★★★★
当然買いです。

【帯】 「[書道]と[ラブコメ]と[スポコン]がこんなにも美しく混ざりあうなんて。」 書道監修 武田双雲 氏おすすめ!!! 文化系青春コメディー第1弾!! 河合克敏最新作!

【裏表紙】 脅されて書道部に入部した大江縁(おおえゆかり)とだまされて書道部に入部した 望月結希(もちづきゆき)。一風変わった先輩たちに翻弄されて、 これでいいのかと思う日々。それでも、ダイナミックでデリケートな書の世界は、 かなり魅力的で・・・文化系青春コメディー、It's 書(SHOW)TIME!!

河合克敏 (かわいかつとし)
とめはねっ! 鈴里高校書道部 → ビーケーワンで購入 , アマゾンで購入

掲載=週刊ヤングサンデー2007年2号〜5・6合併号、8号〜10号、 12号、14号、15号、17号、18号

小学館
ヤングサンデーコミックス
2007(平成19)年5月7日初版第1刷発行
定価=505円+税



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