司敬、河承男/沙也可

沙也可豊臣秀吉の朝鮮出兵を舞台に、雑賀の生き残りが疑念を持ちながらもお家復興を胸に乗り出していく、が、しかし、朝鮮側に共鳴し寝返り、帰化して朝鮮人となるという話、である様子。後段の部分は、ちらちら触れられるだけで、一巻では朝鮮に上陸するところまでの話。

このややデリケートな、しかし400年もの大昔の話を扱い、日韓でどちらにも与せずバランスをとって双方を悪く描かず、こういう人物がいたという美談にしようという努力を感じる作品。

なので読んでいて、どうもしっくりこないのは確か。政治的な正しさが先立つので、物語としての躍動感にはやや欠ける。が、気にしない人、熱くて涙もろい話が好きな人には向いていると思う。

あと、これはフィクションに対して言っても詮無いが、精神面の描写が極めて現代的というか。商業戦士にそういう精神を性格付けするのは、メルヘンな話だなぁと思わなくもない。いや、別にいいんだけど。現代人と当時の人々の考え方はおそらく違うと思うので、もしそういう発想でやりたいのなら、別の思想を持つ人びとのなかに現代人がスリップしてしまう話のほうがすっきりとはするんだが。

とはいえ一番しっくり来ないのは、テンポ。なんていうか、ゆったりとしすぎ。エピソードがジャマとまでは言わないが、寄り道が多い。大河ドラマにするつもりか?重々しくていいという味方もあるが、スピード感に欠けるともいえる。丁寧ではあるので、じっくり時間をかけて完結までしっかり作る心積もりならいいが、すごい枚数いるペースだよ、これ。

なんとなく小学館ビッグコミックス系かと思っていたらこれ、マンサンだった。

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朝鮮出兵の時代設定と日韓間のポリティカル・コレクト優先の作りが嫌いでなければ、試してみるのも一興。かなりしっかり作ってはあるのだが、私は興味がない。

原作=司敬(つかさけい)⇒公式サイトあれ?なんでこっちの名前なんだ?
作画=河承男(ハスンナム)
沙也可(サヤカ)

掲載=週刊漫画サンデー平成16年10月5日〜11月16日、12月21日〜平成17年1月4日号

実業之日本社
マンサンコミックス
平成17年5月28日 初版発行
定価=533円+税



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