山本賢治/ガイスターバーン

ガイスターバーン 1 (1) (コミック) 山本 賢治

母親が目の前で殺された過去をもつ主人公。その場にいながら何もできなかった、という思いから、困っている人に遭遇すると助けに入るようになる。ある日、そうして助けた子をめぐり、仕返しに来る連中が。主人公たちのいる学校に入りこんだタチの悪い連中は、見回りの教師を殴り倒し、女の子を見つけて手をかける。そのとき、ぼこぼこにされた身体で教師が追いかけてくる。その身体から、得体の知れない物体が飛び出し、襲い掛かる−

というのが冒頭の話の流れ。本筋は、宇宙人が人間に憑依し、人の恨みつらみなど思念により増幅し具現化、化け物に成長する。その排除にあたる組織があるのだが、宇宙人もその組織も、人の思念を操ることで一般人には不可視のものとしている。−そのはずなのが、主人公には見えてしまった。そのこともあり、窮地に陥った場面で主人公は一般人ながらロボを操り思念により出せる刀を扱い敵を粉砕、その組織に迎え入れられることになる。

宇宙人から人間を護るため、と承諾した主人公だが、実際は憑依された人間は化け物が具現化するともう助からないということを知り苦悶、さらには組織が対抗するのはあくまでも宇宙人であり、憑依していない人間については悪人だろうがなんだろうが関知しない、というところでもオーバーランしてしまう。

そうした深い内容があり、またそれを直線的に単純に描くのではない物語の進め方は、手練れといえる。他方、一話めの友人や救った女の子、後者はその後も出てくるが話の関与はいまのところ中途半端で、物語進行上の捨て駒という感もある。主人公以外は人物の連関が希薄で、それをないものとせず存在させて描くのは場面場面の説得力を生むものの、展開上いらなくなれば場面から理由なく退場するというのは批判を受けやすいところ。まぁ、それは、ロボットでなければいけない必然性も特に感じられない、というのと同じで野暮なのだろう。


【帯】 奇才渾身のアクション巨編!ヒトに紛れてヒトを喰う− 人類史上最悪の生命体出現!

【裏表紙】 人間に憑依し、ヒトを喰い殺すモンスター「邪念体」。 邪念体に親友を殺された高校生・狩刃疾風(かりばハヤテ)が 「力がほしい」と願うとき、その叫びに応えるかのように、 巨大な人型マシン「バルザーム」と、 邪念体討伐組織「カイロス」が現れた。 謎に満ちた敵・邪念体に対抗できる唯一の手段、「思念刀(しねんとう)」。 疾風は、それを操れる数少ない人間の一人なのだというが・・・・・・。 人類の存続をかけ、壮絶な戦いが今始まった!

山本賢治 (やまもとけんじ)
ガイスターバーン → ビーケーワンで購入 , アマゾンで購入

掲載= コミックアライブ 2006年8月号〜2007年1月号

メディアファクトリー
MFコミックス アライブシリーズ
2007(平成19)年月日初版第1刷発行
定価=476円+税

著者の他作品(過去記事)→ 山本賢治/カオシックルーンES



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