有間しのぶ/伽と遊撃


伽と遊撃 1 (ビームコミックス) (amazon), 伽と遊撃 (honto)

■なんだろう、24年組が描いていたSFみたいな感じではあるのだが、その割に話が漫然としているので、 読んでいてあまり気分が乗らない。評価はそれなりにされるのだろうけど…。

人類が絶滅近くまでいき、百年以上かけて立て直したという世界でのお話。 その世界では、架空の物語・創作・空想が厳しく制限されていた。 その架空にのめりこんだからこそ人類は争い滅亡したと考えられているからだった。


技術面では進化していて視力を失っても耳を失っても再生できてしまう。 人間そっくりに擬態できるがあくまでも犬である人工知能の疑似生命体 がベビーシッターをしていたりもする。


そんな世界で、研究者である母親と、娘である姉妹がまずフォーカスして描かれる。 母は仕事を優先し娘をシッターに任せたが、娘の愛慕がシッターに向かっていることに 嫉妬している。そして、姉に関しては溺愛しているが、妹に関しては全く愛情を注げない ことも吐露している。…そういう話をこの世界設定ではじめるのか…。 そして学者間でのポジションを優先して家に招く男性は娘に手を出してきたりする。 現代舞台だと母親は水商売やっている系になるところなので、 その点ではユニークかもしれないが…。


そこから疑似生命体を作ったりそれを管理している人物の話になり、 一方で世界の闇である家出少女を集めて追い立てるゲームの話に触れ、 あるいは将来の職業の適性判定から未来の自分自身と遭遇したり、 過去の犯罪者の記憶を現代に呼び起こして疑似生命体に固定化させたり、 と話は広がっていく。縦横無尽というか、とりとめもなくというか。


凄い作品と後に評されるのかもしれず、そうした作品に実際なるのかもしれないが、 一巻の段階では正直なんとも、期待値込みでオススメ絶賛する手もなくはないが、 面白かったかと問われると、うーん、と首をかしげてしまう。意欲作ではあると思うが。 いろいろな作品のパッチワークにも見える。雰囲気は24年組の描く作品っぽいのだが、 交通整理という点ではあまりできているようには思えない。 フィクションを失った世界、という設定が殆ど有効に機能しないまま 話が進んでいっているのが消化不良の原因だろうか。


【データ】
有間しのぶ
伽と遊撃
【発行元/発売元】 KADOKAWA (2020/10/12) ※電子版で購入
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第23回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞の「その女、ジルバ」の著者がおくる、衝撃の近未来ファンタジー!!
「物語」「創作」「空想」が粛清された世界で、少女は何をみつけるのか……?


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