門馬司、鹿子/満州アヘンスクワッド


満州アヘンスクワッド(1) (コミックDAYSコミックス) (amazon), 満州アヘンスクワッド (honto)

■史実ベースで周囲が固められているなかで展開するフィクション。 個人的にはこの手の作品はあんまり興味がないが…。

昭和十二年の満州で貧乏な母子家庭から徴兵された少年。 彼は戦場で市民に優しさを見せたところゲリラ行為に遭い至近距離で 銃撃されるが片目を撃たれただけで命拾いをする。眼と引き換えに 嗅覚が発達した彼は食べられる花と毒性を持つ花とを 嗅ぎ分けられるようになった。


そんな中、母が倒れてしまう。病はペスト。そのために薬を求める 少年だったが、満州では人の命は軽かった。金を稼ぐには、子供を売るか、 阿片を売るしかない。そして、彼は、その嗅覚で、阿片芥子が密生している 場所を見つけてしまう。


かような導入から始まる話。大日本帝国敗戦、満州国消滅まであと8年、 という中で、関東軍の財源であったといわれるアヘンをめぐって綴る物語。 枠組みの大枠は史実として固められているので、それを揺らがさないと するならば、フィクションとして組み立てられる範囲は限られる。 本作は主人公を中国人と手を組み新しい勢力としてアヘンを 売り込む存在として描いており、かなりアグレッシブな設定となっている。


時代設定を別とすればクスリをめぐる暴力団ものマフィアものにすぎない。 『ブレイキング・バッド』という傑作に比べれば設定自体は普通。 焦点は当時の満洲をどこまで描写できるか、だが、 いまのところ表面的で一面的に見える。戦前戦中の日本を 暗黒としてだけ描く作品がよくあるが、それに似た雰囲気である。 またアヘン常用者の描写も、キメた途端に 昇天するような衝撃が走るようなものにしているが、アヘンはダウナー系 で、アルコールに近く、ぼやっとしてくると。覚醒剤はアッパー系で 興奮、しゃきっとするもので、カフェインがこちら、なのでエナジードリンクの 効果が近いと。そういう点で作りこみが雑といえば雑。アヘンが テーマである以上、アヘンとはどういうものなのか、は 丁寧に描写すべきだったのではないか。 あまり詳細に描くべきではないという ことであれば、そもそもこの題材の選択が間違いなわけで…。


ちなみに満州に関しては、旅行案内風に仕立てたこの映像作品が面白いです。→ノスタルジック・ジャーニー 満州 DVD-BOX


【データ】
原作=門馬司、漫画=鹿子
満州アヘンスクワッド
【発行元/発売元】 講談社 (2020/8/11) ※電子版で購入
■購入:
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「満州で一番軽いものは、人の命だ」 時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。


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