【オススメ】とりのなん子/空日屋


空日屋 : 1 (アクションコミックス) (amazon), 空日屋 (honto)

■【オススメ】未来を見に行くSFもの。タイムリープものに駄作なし。

タイムリープものに駄作はない、と思っている。 既にある時間軸での世界線に対し、別の時間軸での世界線が 提示され、主人公ほか登場人物が重層的に描かれることになるので 否応なしに深みが増す。なら皆書けばいいじゃないかというと、 それだけ手間がかかるわけで、通常の作品の倍考えることが必要であり、 そのうえその作品を成立させるアイディアも必須なのだから、 そう簡単に手を出せるものではない。


本作はそのタイムリープもの。冒頭は末期の癌が発覚した若い主婦の 話から。彼女が告知された直後、夫と言い合い、ひとりになりたくて外に出たところで、 ある男に出会う。空日屋と書いてうつろひやと読む、その店は 「20年以内のお望みの未来の1日に行って帰ってこられる」そういうお店だというのだった。


未来を変えるためには過去にさかのぼって改変する。そういう者が増えたので、 彼らの世界では未来の流動性を是正するボランティアを募集しているのだと。 未来にタイムリープして、そこで何かを変えることで自分の行った未来を 確定させる、という話。そのボランティアによって何か小さな変化があることは受容すると。そうして変化ができたら仮確定のしるしができ、その後手をあわせれば現在に戻れる。逆に、24時間が滞在期間の最大で、その間に確定しなければ不確定のまま 現在に自動送還される。その場合は未来は見たものとは変わる可能性があると。


なるほど。ひねりましたね。これは、面白い。最初のエピソードからして手が込んでいる。 まず、妻の話を描き、想像していない未来を見つつ、彼女はそれを確定させる。 それは前後編の前編で、後編は夫の話に。夫も、同じように未来に行っていた。しかし、 別のタイミングで。


エピソードは8話あるがすべて前後編なので実質4話。しかしそれぞれ別の使い方をしており、すべて違った話でバリエーションあり魅力的。どの未来に飛ぶか、もあるが、そこに飛ぶ起点となる現在がいつか、も重要なポイントになっている。そして、確定した未来を知っている自分がどう行動するか。あるいは、確定していない未来を選ぶ話もあり、その確定させるかさせないか の判断も面白い。子供のさもない話を入れたのも変化として効いている。 最後の話がいいねぇ、巻末にこういうエピソード持ってくるセンスが最高。


【データ】
とりのなん子
空日屋
【発行元/発売元】 双葉社 (2020/5/28) ※電子版で購入
■購入:
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その未来を「確定」するか「確定」しないかは、あなた次第――。20年以内の“未来の1日”に行って帰ってこれるお店「空日屋(うつろひや)」。その不思議な店を訪れ、未来を垣間見、決断を迫られることになった人々の、様々な人間模様と選択を描くオムニバス・タイムリープ・ストーリー。


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