きくちゆうき/100日後に死ぬワニ


100日後に死ぬワニ (ゲッサン少年サンデーコミックス) (amazon)

■ワニは100日後に二度死ぬ。いやまだ100日たってないか。

今更ですが四十九日が過ぎたということで、ワニ(53票)こと100日ワニについて。

作品は、SNS上で一日1コンテンツがアップされていき、100日後と示された日に向かってカウントダウンしていく、そのリニア性が評判になってフォロワーやいいねを増やしていたものです。

100日後当日には様々なファンアートというかパロディが本家の公表前にSNS上に出てくる人気で、これは著者の最終回がまだ発表されていないのに酷いのでは?との苦情の声も出ましたが、そうした声が一気にかき消されることになったのが終了後の怒涛のマーチャンダイズ発表でした。

100日めに著者がワイドショーに出演、これはSNSで話題になっているといっても素性のしれない人をテレビが呼んでくるわけもなく、裏に仕掛けがあるのでは…と訝しんだ人にそれが正解であると示す商品化の発表。単行本はともかくとしてもその刊行は早く、また映画化決定やグッズ販売にネット上の熱は一気に冷めていきました。

作品はWEB受けするもので、時間に沿って1日1コンテンツがアップされタイムリミットに向かっていく仕掛けは見事も、内容は単なる日常であり、同時間性があるからこそのコンテンツなので、まとめて本で読んだところで同じ共感は味わえない。なので単行本は向かないタイプ。そもそも受けていたのは仕掛けであって、一気に通読すれば内容は並み。WEBで受けている漫画は単行本という枠組みには耐えられない質のものが多いように思う。

マーチャンの問題点は2つ。1つめは、メディア絡めて一気に立ち上げてしまったことで、一作家がSNSで盛り上げたコンテンツが、裏に仕掛け人がいたのでは?と思われてしまったこと。ビッグビジネスになっていっても良いのだけれど、その段取りが一般ユーザーに見える形になっていなかったのが失敗。コンテンツの足が早いと考えて一気呵成に、と思ったのかもしれないが、本当はキャラクタービジネスと考えて丁寧に育てるべきだった。100日後に一気に立ち上げるなら、事前に著者がこんな話がきた、こんな動きがある、といちいち報告すべきだった。それが100日後に向けた物語の収束を阻害すると考えたのなら、マーチャンは100日後以降に順次報告していって後日順々に商品が出ていく形にすればよかったのだろう。

2つめは、死をテーマにして書いたはずなのに、その死を使って商売していいのか?というデリケートな問題。著者は友人が云々みたいな話を持ち出して本作を語っていたはずなのに。なぜ100日後にワニが死んだ直後にグッズショップが立ち上がるのか、それを不謹慎と思わないのか、テーマは何だったのか?単行本や映画化は良いとして、グッズが売りづらい種類のテーマの作品なのに普通にキャラクター展開しようとしたことは、仕掛けた陣営のセンスを疑う。

本来、SNSで展開しているのだから、進捗を丁寧に説明すればよかったのだろう。媒体横並びで情報解禁日設定して一気に立ち上げ、みたいな古いやり方を持ち込んだのが間違いだったように思う。そして、死を商業活用することのデリケートさを著者含めて誰も真剣に向き合わなかった無神経さが、せっかく集めたファンを失う結果になったのだろう。まぁ十分商売にはなったのかもしれないが。

とここまで書いていろいろな考察を改めて見て回ったが、まぁおんなじようなこと書いてますね…そりゃそうだよな。四十九日もすぎたということで供養ということで。


【データ】
きくちゆうき
100日後に死ぬワニ
【発行元/発売元】 小学館 (2020/4/8)
日本中が見守った100日間、待望の書籍化
あたりまえ。だから、愛おしい。
1匹のワニの、なんでもなくて、かけがえのない 毎日の記録をぜひお楽しみください。
Twitter 累計1000万いいね!超えを記録した100日間の本編に加え、 0日目や100日後の後日譚など、ここでしか読めない 描きおろしも28ページ収録!


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