【オススメ】 田素弘/紛争でしたら八田まで


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■【オススメ】地政学もの紛争解決コメディ。

日本人らしき女性がイギリスはバーミンガムのブリティッシュ・バーへ昼間から。 働くのは親の店番のキッズなインド人移民。そこへアイリッシュがやってきて 難癖をつける。そんなファッキンなレイシストに、彼女は足技で絞め落として 言うことを効かせるのだった。


まぁ欧米人は根本的に人種差別主義者だし、近隣の国同士は揉めるのがデフォルト だよなぁ、というエピソードで始まる話は、地政学もの。「ゴルゴ13」やら 「MASTERキートン」(※電子化されていません)、「勇午」あたりを彷彿とさせる、政治外交文化とそれにまつわる交渉事を描く作品、ただし本作はタッチが軽め。


頭脳明晰、語学を習得する力も抜群、護身もばっちり、というスーパーウーマンを中軸とした話。この手の話はみな、体力的に抜きん出た人物が主人公で、 自分の身は自力で護れる者でないと物語を転がすことさえ出来ない、ということなのだろう。


ところで今の時代の地政学は、戦争も表立ってない地域が殆どであるし、 冷戦構造もない、大国対立も生まれつつあるように見えるが昔と違い複雑、 なにせインターネットで繋がる世界ゆえ昔ほど分かりやすい分断はない。 そんな中なので、何を問題とするか、何を優先とするか、はケースバイケース。 いま新型コロナウイルスで世界が激震しているのも逆にいえばそれに かまけられるだけ世界が平和だということでもあるわけで。


地政学リスクコンサルタント、として世界を回る解決屋さんの話は、 それだけ色々なネタを仕込んで描く必要があり、これはなかなか大変そう。 ヒロインを出会う人がみなビッチ扱いするのも、まぁそれはそうかもしれないが、 普通、口に出して言わないだろう…という点で、 マンガチック、カリカチュア具合が随分な感もあるが、 肝心な部分は丁寧で、それゆえ交渉人が入り込む余地のある話となっている。


風が吹けば桶屋が儲かる、バタフライエフェクトではないが、どこでどう世界がつながっているかは複雑怪奇。グローバルとはそういうもので、ブロック経済や鎖国社会より 素晴らしいことも多いものの、どこでどんな影響があるかは蓋を開けてみないと わからない。全体最適の考え方がグローバル社会全体で行われた場合、 世界には割を食う国や地域も出てきてしまう。その辺を、グローバル信者は あまり考えないというか理解していないような気がしますが。


なお主人公自身はリッチでもジャップでもない、 バカみたいにカネがかかる人から継いだ誰もいないでかい土地に 自分の国を作るのが夢、ということで、大きな物語もあるところが 例に出した作品群とは違うところ。逆にそうした物語がある話は、 あまり長期連載は向かなかったりするが…。


【データ】
田素弘
紛争でしたら八田まで
【発行元/発売元】 講談社 (2020/3/23) ※電子版で購入
■購入:
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イギリスに本社がある企業に地政学リスクコンサルタントとして勤める八田百合。彼女の仕事は、地政学に基づいた知性と、ちょっとの荒技で世界中の事件を解決すること。そんな彼女に依頼を出してきたのは、ミャンマーにある日本の企業だった…。



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