相沢沙呼、手名町紗帆/小説の神様


小説の神様(1) (月刊少年マガジンコミックス) (amazon), 小説の神様 (honto)

■世に認められない才能の話を、 年若き小説家を題材に描く。

主人公は文芸部に所属する少年。彼は同じクラスに転校してきた 美少女に、小説は好きですか?と勧誘をかける。それは同じ文芸部である 友人からの指令だった。


実は主人公は3年前、中学生にして文壇デビューした天才小説家。 とはいえ作品はさほど売れず、その後も出版のたびに刷数は減り、 口コミレビューにも打ちのめされ、彼は自分も小説も物語の力も 信じられなくなっていた。そこに彼の才能を買っている担当編集者 から薦められたのが、合作。同い年の人気作家とのチームを組むことを 提案される。そしてその作家こそが、転校生だった。


もがいていることが世に認められずどうしたらよいかわからなくなっている 天才の話。とはいえ新人賞は受賞し、世に作品が出ていて、新作も 出版されるという立ち位置ではある。少なくとも一度は認められた、 という存在だが、それゆえ、認められたのが過去のことで今はもう違うのかもしれない、 との焦燥がある。本作が偉いのは、主人公がそうした、普通からすれば 恵まれた立ち位置であることに作中できちんと触れているところ。


彼のもがく話であるので、その他の人物は随分と出来た人間に設定されている。 万事見通して動く友人しかり。そして彼とバディを組むことになる少女作家も同様。 人気作家である彼女がなぜ自身で書かずに主人公と合作することとしたのか、 がわからない。まぁいずれ説明はされるのだろうが。彼女自身にも抱えている問題が あるべきで、そういうことであることを期待している。


主人公のもやもやは、作家であった父が借金を遺し早逝したこと、 持病を抱える妹のためにも作品をヒットさせたいこと、なども絡んでいるのは わかる。ただ、編集者として働く母もいるようで、うーん、編集者なら そこそこ給料は良いのでは?いや、ピンきりなのか?まぁ妹が入院しているので 自分が作家として稼げればそれに越したことがないのは理解できるが。


それ以上に、この主人公が陰気なキャラでモブ的な扱いである、というのが、 こう綺麗に描かれると、そういう設定なのか…と呑み込むまで時間がかかる。 逆にラブコメとして読む分にはすんなり入ってくるのでまぁこれはこれで 良いのかもしれないが。そしてこれメディアミックス作品なのか。実写映画もあるのね。なるほど…。


主人公のこだわり、陽気で明るい話をさらっと描かないと 人は読まないしヒットしない、という思い込みを解きほぐす物語、なのかな。 そうだとすると主人公の設定が少々つまらなすぎるような気も。 常々思うのだが、小説家などクリエイターの苦悩話は、読者との距離感が難しそうだ。


【データ】
原作=相沢沙呼、漫画=手名町紗帆
小説の神様
【発行元/発売元】 講談社 (2020/3/17) ※電子版で購入
■購入:
amazon→ 小説の神様(1) (月刊少年マガジンコミックス) , Kindleマンガストア コミック _ Amazon _ アマゾン
honto→ 小説の神様 , 漫画・コミックの電子書籍の新着情報- honto

売れない高校生小説家・千谷一也。 デビュー作の評価が振るわず、続編が描けずにいる一也に、 担当編集者が持ちかけたのはとある人気作家との「合作」依頼。 それで本が売れるなら――と引き受けた一也だったが、 一也の前に現れたのは、この春に一也の高校に転校してきた 有名な美少女作家の不動詩凪こと小余綾詩凪で…!?
佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)・橋本環奈W主演!!! 実写映画2020年5月22日(金)公開決定☆ 読書人の胸を打った感動の青春小説、 コミカライズ第1巻!!!


■当サイトの月間オススメはこちらから


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile



チケットぴあ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM