【オススメ】 西炯子/恋と国会


恋と国会 (1) (ビッグコミックス)

■【オススメ】名門サラブレッドの御曹司と地下アイドルあがりの泡沫候補が共に国会議員一年生に。政治の扱いかたが絶妙。

総理大臣を出した家柄の御曹司は25歳で父の地盤を継ぎ国政に出馬。爽やかな笑顔で答える彼だが、内心は、一人息子だからしょうがないと。そんな彼とひと悶着あったのは、同じく与党から立候補した元地下アイドル。泡沫かと思いきや彼女も当選していたのだった。


主人公はしがらみがある。そのことをわかったうえで仕方がないと割り切り笑顔を振りまく。人の顔と名前を覚えるのは才能。本人は家系がなければ平凡な人物にすぎないという自覚。そうしたコンプレックスをもたせるだけの、学歴実業実績ありの新人議員も野党に配置。そのライバル的設定は絶妙。そして、元地下アイドルだったもう一方の主人公。彼女は思ったことを口に出す。党内で問題となる行動をするが、世間的に問題となる行動というわけではないのが実際の話題になる与野党の問題言動とは違うところ。実は彼女にも後ろ盾があるらしい。


25歳で出馬ってのは若いが男子ができないで年取ってからの子だったのかな、と考えればまぁ、か。主人公には姉がいるので、そのあたりの葛藤を描くのもありに思うが主人公自身は無頓着そう。娘が継ぐってのもないではないが、すると娘婿の出来人格周辺が問題になり、大抵あれな感じだったりするので…。でも歌舞伎の世界、梨園に比べりゃ男じゃなくてもなれる世界でしょ。


本作の良さは、選挙後から話が始まっているところ。この手の作品は普通は選挙活動から始めがち。その辺をすっとばすことで、選挙の話ではなく国会や政治の話にフォーカスできている。一方でこれだと主人公は何者だ、という話になるので、そこはわかりやすく、フラットなキャラクター設定で、空気を読む名門家御曹司と空気を読まない元地下アイドルのバディものにすることで読みやすくかつ展開もしやすい形に。無神経な政治家の言動への引っ掛かりは、まぁそれだけを強調するとマスコミの言葉狩りに近くなるが、本当はそういう言動があるってことはその背景にそういう思想があるということで、マスコミが追及すべきはそちらのほうで、そこを掘るのが仕事なんだろうけど、そうした労力かけるのをサボって雑に済まそうとするからだめなんだろうなぁ。


若者世代の困窮、という感じの話もあるが、よくよく読むと取り上げられているのは、親がDVから逃れようとして戸籍がなかったとかの無戸籍児問題、例示されている離婚後300日問題は丁寧に対応すれば今は解消できるはずだが知識や知恵がなかったり面倒がってやらなかったり。実の親がいないのは背景に妾問題か大物絡みがありそうだったり。児童養護施設だ福祉だには行き場のない子供問題だが、結局は育児放棄やら家の問題。経済上向きで景気がよければ全範囲で潤うわけで、ただそうなるにはデフレ社会はまずいわけで。 未来の労働力だから児童の福祉や教育に投資するのは理にかなっているが…。日本の問題は福祉など寄付にカネを回せる大金持ちのパトロンが存在しないってことだと思っているのだけれど。


などつらつらと考えたりもする政治マンガ。「恋」な感じはほぼない。代わりに、政治は「愛」だ、という発言は冒頭からあるが。しかしこのあとどう描くんだろう…。


【データ】
西炯子
恋と国会
【発行元/発売元】 小学館 (2019/11/29) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 恋と国会 (1) (ビッグコミックス)
前代未聞の国会ラブコメ!? 国を揺るがす、西炯子最新作!? 真っ向勝負が通用しない国会で 正面突破しかできない 元地下アイドル、 山田一斗(25)。 政界の清濁あわせのんだ上で 父の地盤を引き継いだ 三代目世襲議員、 海藤福太郎(25)。 ふたりは真の意味での“政治家”になれるのか!?


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