雁須磨子/あした死ぬには、


あした死ぬには、 1

■42歳という年齢にフォーカスした話。

映画の宣伝会社で働く42歳独身女性が主人公。 更年期のようなそうでないような、 そんな彼女の状況を描く作品。


ざらっとスライス・オブ・ライフ的な内容の作品。 日常観察的な描写なので、仕事っぷりも職業もののように は描かれず流れでさらっと見せられるだけ。 登場人物が何者か判然とつかないうちに その心の揺れ動きが提示されるので、 個人的にはちょっと読みづらいというか、 作品に入り込みづらく、これは自分の読むべきものではないのだな、 と距離を感じてしまった。


別れた彼から電話がかかり続け、無視していると今度はメールが届き、 それを開けられないが捨てられもしないし送ってくるなとも言えない、 というエピソードや、仕事上の知り合いが余命宣言されているという話など、 話の構成上割り振られているかのような設定も少々のみこみづらく。 昔の同級生が手紙を送ってきて、返信したことで久しぶりに会うことになったら 意外と楽しかった、というところで第二の主人公というべきこの友人が 最後に爆弾落として帰るところで巻またぎ。この終盤は、さすがに巧い。


まぁある種同世代に向けた作品…じゃないのか、著者本人は主人公より も少し上なのか。なので俯瞰して描く感じなのかな。確かに、当事者として ではなく、経験者としての余裕的な描写には見える。


【データ】
雁須磨子
あした死ぬには、
【発行元/発売元】 太田出版 (2019/6/13) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ あした死ぬには、 1
ものすごく共感できる、 老若男女におすすめの傑作です! 四十代女性が直面する 体調の変化や人間関係のあれこれに、 笑ったり涙したりしつつ うなずきすぎて、 私は首が太くなりました……! ――三浦しをん、絶賛!!
歳をとるのは怖いですか? 〜切実に生きる女子たちの心に寄り添い、そっと背中を押してくれる本。〜 20代ほどがむしゃらじゃない。 30代ほどノリノリじゃない。 40代で直面する、心と身体の変わり目。立ちはだかる40代の壁。 突然の病気、更年期障害、取れない疲労、働き方の変化、お金の不安、これからの人生プラン…… 私のあしたはどうなるの!?
本奈多子(ほんな・さわこ)、42歳、独身。 映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす日々。 ある夜突然、心臓の動悸が止まらず、体が冷たくなって……。 もしかして私、更年期障害かもしれない!?
苛々したり、涙腺がゆるんだり、おばさんと言われて悲しくなったり。 心身の変化に戸惑いながら、迷いながら、 私たちは、あしたを生きる。


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