古閑裕一郎/皆殺しのアーサー


皆殺しのアーサー(1) (ヤンマガKCスペシャル)

■アーサー王と円卓の騎士をテーマに、グロテスクも強烈な作品に。

5世紀、ブリテン島を舞台とした話。ローマの支配から脱した ブリトン人は、同族同士で争いを始める。そして傭兵として 雇ったサクソン人から侵略されることに。そして507年、 エクスターの町もサクソン人に包囲されていた。そこで町を 死守しようとする隊長モルドレッド。奮闘するも陣営は疲弊していた。


そんな中、アーサー王がともに戦うとして救援に来ることとなる。 その力は圧倒的で、エクスターが戦いあぐねていたサクソン人を一撃で撃退した。しかし名高いアーサー王は、力なき者はいらぬ、と弱い者を文字通り 斬り捨てるのだった。


アーサー王と円卓の騎士を題材としたコミカライズ。そもそもが伝説であり 殆どフィクションであり諸説あるのでマンガへのしがいがある作品。著作権フリーな素材を元に話を組み立てるのは良い手である。そして本作では、 アーサー王とその周辺を強烈にダークな存在として描く。救世主なのに、悪。 そして、圧倒的な力をふるう。グロテスクなパワーを炸裂させる。


一方、主人公はそのパワーに翻弄される存在。話は巻き込まれ型である。ただし主人公も問題を内含している。それはブリトン人という立場でありながら実は…というもの。その秘密が重要な肝として話が転がっていくのかな?と思っているとそこは一巻のうちに解消されるのでこのネタはなんなんだと思わなくもないが。


アングロサクソンなんてクズ極まりない人々よね、と思う者には、まぁそうよね、と思う内容の話。いや作者にそんな意図はなかろうが。神話がテーマであればいくらでも浮世離れした話にできるということでもある。モルドレッドが主人公で、テイストがグロテスクなので、読む人を選ぶ内容にはなるのだろうが。「 シグルイ 」みたいなのが好きな人向きかな…。


【データ】
古閑裕一郎
皆殺しのアーサー
【発行元/発売元】 講談社 (2020/1/6) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 皆殺しのアーサー(1) (ヤングマガジンコミックス) _ 古閑裕一郎
古代イギリスに現れた救国の英雄“アーサー王と円卓の騎士”――。 騎士モルドレッドは、サクソン人の侵略によって窮地にある祖国ブリテン島を守るため、 恐るべき力を持った「アーサー王」に希望を見出すが、 ブリテン島全土に轟くその勇名には隠された裏の姿があった…! 綺麗事では生き残れない”騎士道残酷物語”の幕が開く!!



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