【オススメ】 池波正太郎、 崗田屋愉一/雲霧仁左衛門


雲霧仁左衛門 1 (乱コミックス)

■【オススメ】読み応えある物語をスタイリッシュに描く。

階段を滑り落ちるようにして縋ってきた少年。 彼を介抱した人物は彼を追ってきた軽業一座を 名乗る者たちに治療費を渡しつつ、 最近は付近で物騒な事件が頻発しているので 気をつけるよう告げる。 軽業一座を名乗る連中は然してその物騒な事件の 張本人であり、 少年はそこから抜けたがっていたのだが、 連中は彼を折檻しつつ、 次の仕事の相手を件の介抱した人物のところに決めた。


しかし件の人物は一枚上手で、自ら訪ねていき、 連中を一網打尽にする。なぜならその人物は大盗賊の 雲霧仁左衛門。連中が襲った相手は先に目をつけていた 相手であり、潜ませていた引き込みまでも 手をかけたことでその手口含め見せしめとして 始末する必要があったのだった。


原作もののコミカライズは、設定と話の筋が出来上がっている ので良くできていて当然、ということで当サイトでは あまり評価するつもりはないのだが、本作は その原作をベースに、世界をきっちり仕立てており、 スムーズな展開で物語に引き込むことに成功している。 それは「鬼平犯科帳」のドラマ版のよう。 そんな幸せな体験が、本作では感じられる。 読み応えもしっかり。一巻だけでも満足できる構成のうえで、 続刊も読まなければ、と思わせる引きも作れている。


新入りだが才能ある人物を主人公として 物語を見せていく、というのはオーソドックスも よいところ、なのだが、それを物語にどう 溶け込ませるか、については本作は良いお手本。 ここまで上手くいったのは、雲霧仁左衛門という 絶対的なキャラクターがおり、しかもそれが周知 という前提があるからではあるが、それにしても 見事な作劇。これは良いものを読んだ。


【データ】
原作=池波正太郎、 崗田屋愉一
雲霧仁左衛門
【発行元/発売元】 リイド社 (2019/5/31) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
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つとめの三カ条―― 一、盗まれて難儀する者へは手を出すまじきこと 一、つとめをするとき人を殺傷せぬこと 一、女を手ごめにせぬこと 「本格」として三つの掟を守って暗躍する怪盗・雲霧一味に狙われた者はただ立ち尽くすのみ! 他の凶賊とは一線を画する盗みの手練手管とは……!?


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