【オススメ】 モリエサトシ/私の正しいお兄ちゃん


私の正しいお兄ちゃん(1) (BE LOVE KC)

■【オススメ】生き別れになった兄を求め続ける女性と、 なにかに追われ続け眠れない男性と。いろいろとおかしい 二人が出会ってしまう、サスペンス。

地味で真面目な大学生。特技は、どこでも寝れること。 寝ることが幸せ。彼女が望むのは、両親が離婚して以来会えていない お兄ちゃんに再会してまた一緒に住むこと。そのために、 バイトに勉学に励んでいた。


そんな彼女の心を乱すのは、バイト先の男性。よくできた彼は、 彼女が考えるお兄ちゃんに面影が似ている、ように見えた。 そんな彼は、彼女がどこでも眠れることに興味を示し、 彼女がうたた寝している横で彼もうとうとと。でもそれは 彼にとって驚くべきこと。彼は眠れないことに困り果てていたから。


生き別れの兄を思う女性と、不眠症の男性。ただこの話は、 それだけではなかった。男性が不眠であるのには、理由がある。 その理由は、彼が追われているから、少なくとも彼自身が そう思っているからだった。彼は、人を殺していた。


彼の告白に驚きつつ、しかしそれを警察に告げるでもなく、 彼を受け入れようとする女性。一方で、同じアパートに住む 刑事がその境遇から彼女に気をかけており、兄を探そうと 手を回す。そこで遺体の写真から、覚えていた兄と同じやけどの 傷跡の背中の写真を見つけてしまう。兄は死んだ。 兄に会えないのなら、と自暴自棄になる彼女。今度は、 男性が女性を気にかけ、救おうと寄り添うのだった。


過去を持つ二人が出会い、その過去が繋がっていくミステリ。 それが、幸せな噛み合い方ではないため、例によって悲劇 に向かうほかなさそうな点はもやもやするが、 どんな結末に持っていくのか、確かに気になる。 ほぼ登場人物がいない中で、刑事を絡ませたことで 話の転がりはスムーズに。そんなものほいほい見せてよいかどうかは別として。


しかし。人ひとり殺しておいて逃げ延びたいとする男性は なぜ自己正当化できるのか、その論理がいかなるものか気になるが、 それ以上に、兄と再会しまた生活することだけが 生きる望みという女性のほうがより重篤なように見える。 このあたりの異常さの理由は深掘りされるのかどうか、 注目したい。


【データ】
モリエサトシ
私の正しいお兄ちゃん
【発行元/発売元】 講談社 (2019/4/12) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 私の正しいお兄ちゃん(1) (BE LOVE KC)
大学生の理世はアルバイト先のスーパーで働く海利と出会う。眠れない海利に肩を貸すうち、幼いころ別れた兄の思い出を重ね、理世は好意を抱くように。しかし、海利のアパートで彼が人を殺したという日記を見てしまい衝撃を受ける。好きになった人の正体は一体? 次々と明らかになる真実と海利への愛が理世を追いつめる! モリエサトシが贈るジェットコースター・クライムサスペンス&ラブ!!


■当サイトの著者他作品レビュー
モリエサトシ/親愛なるA嬢へのミステリー
モリエサトシ/星空のカラス
モリエサトシ/白磁
【オススメ】 モリエサトシ/ラブ シック
【オススメ】モリエサトシ/学校ホテル

■当サイトの月間オススメはこちらから


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM