ヨシノサツキ/ヨシノズイカラ


ヨシノズイカラ(1) (ガンガンコミックス)

■田舎離島の少年たちを描く話、かと思いきや、 入れ子構造のメタ作品に。

田舎の離島に暮らす4人の少年たちの話。 卒業した分校の小学校は取り壊され、 自分たちの進んだ島の高校も閉校が決まっており 自分たちが最後の卒業生となる予定。 そんななか、一人の少年は小学校時代の 先生とずっと文通を続けてきた。 だがここ3通、先生からの返事がないという。


そんなエピソードから、皆が先生のことを思い返す。 そこに他の島民も加わってくるが、そこで話される 先生のエピソードは随分とイメージが異なり、 しかしぼんやりとしていた先生の姿が徐々に 鮮明に思い出されてくるのだった。


といった離島の青春ものが展開されるのか、 と思っていると、そこで話が急転、 作者が突然現れる。この話が漫画家により 描かれた作品であると明らかになり、 その後は漫画家自身の話にシフトしていく。


ばらかもん をヒットさせた 著者本人の話とも思わせるような、メタ作品。 ファンタジーを描こうとした著者だが、 日常を漫画にしましょう、と提案した編集者に導かれ、 いままでとは違う作品を生み出していく。 それにしてもアシスタント的存在の人物がすごい。 とはいえ、田舎で情報もないなか、なんだかんだで 漫画家になった主人公もすごいのだが。


内幕をネタにしつつもフィクション仕立てにしている ところは面白い。ただこの手の作品はネタの取捨選択、 どこまで事実に寄せるか虚構に寄せるかの判断が寧ろ 難しかろうと思うが…。


【データ】
ヨシノサツキ
ヨシノズイカラ
【発行元/発売元】 スクウェア・エニックス (2019/5/11) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
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どうにか生活できるほどの原稿料をもらいながら漫画家生活10年目を迎えた遠野成彦(32)。何本目かの連載作品がついに打ち切りになり、あとがない成彦に編集者が提案してきたのは、生まれ育った島の日常を描くことだった。こだわって描いてきたファンタジーとは真逆のジャンルに、成彦は反発しながらも挑戦することになるのだが…? 「ばらかもん」ヨシノサツキ待望の最新作!


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