【オススメ】 田島列島/水は海に向かって流れる


水は海に向かって流れる(1) (KCデラックス)

■【オススメ】少年が叔父を頼って引っ越した先はシェアハウスだった。

入学する高校が遠いため、学校近くに住んでいるおじを頼った少年。しかし引越し先に向かおうとすると、最寄り駅に迎えにきたのは女性だった。おじさんは一人暮らしではなかったのか?二人の愛の巣に俺はおじゃま虫ではないのか?怒ってんじゃないの?笑わないし、と思う少年。それは前半は誤解で、おじさんの住んでいるのはシェアハウス、というか共同アパート。しかし後半の直感は、当たらずとも遠からず。


おじさんは実は会社勤めをやめて漫画家として暮らしている、だが実家には秘密にしてくれという。そして迎えにきてくれた女性は、おじさんとは何の関係もないのだが、少年とは実は関係があり、彼女の母は少年の父と不倫の末失踪した過去があった。…何それ、重い…。とはいえ子供には関係ない、として淡々と接しようとする女性なのだった。


複数人に関与する昔の不倫ネタ、これを誰が知って誰が知らないか、でそれぞれの思惑もありつつ錯綜するのが一巻の話。シェアハウスものだが設定も話も全然オシャレじゃない昭和感がすごい。同居人には女装している青年がおり、その青年は少年の同級生の兄であるという人間関係もあるが、この辺は今のところコメディリリーフ。もうひとりの同居人である教授は色々引っ掻き回すトリックスター的役割。


しかしこれ、親の因果で子が右往左往し迷惑している、って話なのよね。その割に当の本人は無神経なところが実に現実的。まぁ子供は自分のことではないことなどとっとと乗り越えろって話でもある。その点で主人公は少年というよりも女性の方なんだろうなぁとは思う。


【データ】
田島列島
水は海に向かって流れる
【発行元/発売元】 講談社 (2019/5/9) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
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「あの人、本当は怒りたいんじゃないの?」高校への進学を機に、叔父の家に居候することになった直達。だが最寄りの駅に迎えにきたのは見知らぬ大人の女性、榊さんだった。案内された家の住人は、親に黙って脱サラしたマンガ家(叔父)、女装の占い師、ヒゲメガネの大学教授、どこか影のある25歳OLと、いずれも曲者揃い。そこに高校1年生の直達を加えて、男女5人での一つ屋根の下、奇妙な共同生活が始まった。共同生活を送るうち、日々を淡々と過ごす25歳OLの榊さんに淡い思いを抱き始める直達だったが、彼女と自分との間には思いも寄らぬ因縁が……。少年が家族の元を離れて初めて知る、家族の「罪」。自分もその被害者なのかもしれないが、加害者でもあるような気がする。割り切れないモヤモヤした思いを抱きながら、少年は少しずつ家族を知り、大人の階段を上っていく。前作から4年の沈黙を破った田島列島が、ユーモラスかつセンシティブな独特の筆致で描くのは、家族の元を離れて始まる、家族の物語。家族の元を離れて始まる、家族の物語。高1春、曲者揃いの住人たちと男女5人の共同生活を始めた直達。彼が淡い想いを寄せる25歳OLの榊さんとの間には、思いも寄らぬ因縁が……。「別冊マガジン」連載時より作家、著名人、漫画読みから絶賛の声が続々!宝島社「このマンガがすごい!2015」オトコ編第3位、マンガ大賞2015第2位など各漫画賞を総ナメにした名作『子供はわかってあげない』の田島列島、待望の最新作!


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