むつき潤/バジーノイズ


バジーノイズ (1) (ビッグコミックス)

■雰囲気もの音楽もの。 主体性のない主人公を バディが動かすスタイルの話。

住み込みの管理人をしている若い男性。 彼が唯一好きなものは、音楽。自分で音楽を 作って鳴らせればいい、と思っている。 だが管理会社に音楽がうるさいと苦情が入り、 管理人が騒音ってアホか、 今度やったら後任探すから出ていってくれと 言われてしまう。静かにしなければ。 しかしそうすると、では、音楽が流せないのなら、 この生活になんの意味が?


そんなことを考えていたとき、唯一話かけてくる 住人である女性から、自室に住んでいるのは誰? と問われる。苦情を入れた当人か、と思っていたが、 いつも聞こえる音楽がおしゃれでよいと。 それは実は…と答えかけたとき、女の子は 彼氏がバンドマンで、表現できる人っていいよね、 とかぶされて、感情を乱された彼はそれ以上何も言えなくなった。


という冒頭から、急展開。彼女は彼氏と別れ、 管理人はクビになり管理人でなくなる。 そして元管理人である青年の奏でる音を 女性は動画でとり勝手にSNSに上げる。 すると大きな反響が。彼女は仕事と部屋が決まるまで、 自室で暮らすことを彼に提案する。


想定外の同棲もの、なのだが その設定を特に生かさぬ一巻の展開は素晴らしい。 音楽を演奏して聴ければそれでいい、という 生産性も向上心も特にない人物が、 引っ張られ引きずられ引き上げられていく バディもの。 ただし、その音楽がDTMである、ということ を除けば別に目新しい話ではない。 そして、音楽を漫画で描く以上、 雰囲気ものとならざるをえない。


それが良い方向に働いているようには見えるが、 転がしていくのに難しい題材ではあるだろう。 ただ、現代のモラトリアムものとして 向いている題材ではある。自分のほしいものが 手に入らないもどかしさ。ここではないどこかへ。 それを、他人にもとめているところが 面白いが、実は社会とはそういうものなので、 自分が一人でもがく話よりも人間の本質をついている 作品のように思う。


【データ】
むつき潤 (むつきじゅん)
バジーノイズ
【発行元/発売元】小学館 (2018/9/12) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ バジーノイズ (1) (ビッグコミックス)
新時代の“音楽”ד恋愛”体験。
「すきなもんいっこ、あればいい」――そう、思っていた。
マンション管理人をしながら、趣味で音楽を奏でる「だけ」。 “シンプルで完璧”な生活を送る清澄(キヨスミ)。
しかし――清澄が出逢ってしまったのは、バンドマンに恋をする女・潮(ウシオ)。 閉じた世界に流れ込む強烈な“ノイズ”が、清澄の人生を大きく変えてゆく―――
たったひとりと出逢うだけで、世界が変わる。 耳障りで、少し心地良いノイズ。


■当サイトの月間オススメはこちらから


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM