【オススメ】 柞刈湯葉、中村ミリュウ/オートマン


オートマン(1) (モーニング KC)

■【オススメ】自動車をサイバーパンク要素を加えて「自動者」として 歴史改変させたSFもの。ロボットやAIが人間社会をどう侵食していくか、というテーマを斜めから描いていく。

自動者、という有機労働機体が製造されている社会。世界2位の生産シェアを誇っている日本の大メーカーを舞台に描かれるSFものである。


その会社の安全調査班なる部署で働く人物が主人公。自動者に事故が起こるとなると彼らは真っ先にかけつけ、原因を究明し、次にどう繋げるかを考える。


機械ものSFであり、会社員ものでもある。そしてこの機械が、原形質と呼ばれる人間由来のものをベースに動いている、という点がユニーク。主に人間の血液を使っているのだと。そしてその人物の意思も大いに影響する、という設定となっている。


そうした特殊な機械だが、高度化すれば人の仕事を奪うということで、 反対する人や組織も多く、そのうちの一部は過激化しテロも起こしている。一方で反感を買わないようにできる限り人に寄せない努力をメーカーサイドでは行ってきた歴史もある。


さらに自動者に詳しい主人公には、肉親が反自動者テロに巻き込まれて死亡している過去があるらしい。そこに彼が自動者にこだわる理由がある様子。


描画はこなれていないのでそこをどう思うかだが、作品の雰囲気には似合っており個人的には特に気にならなかった。歴代のロボット関連フィクションを踏まえた上で作られているであろう本作がどこへ話を転がしていくのか、興味深い。


【データ】
原作=柞刈湯葉(いすかりゆば)、 漫画=中村ミリュウ(なかむらみりゅう)
オートマン
【発行元/発売元】講談社 (2019/1/9) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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2018年の名古屋。国内最大の自動者メーカー「ミカワ自動者工業」の業務は、プラスチック製の有機人形に人間の原形質を注入し、産業機械「自動者」を製造することである。『横浜駅SF』で話題をさらった希代の作家が漫画原作初挑戦で挑む会社員SF。


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