【オススメ】 白井弓子/大阪環状結界都市


大阪環状結界都市(1)(ボニータ・コミックス)

■【オススメ】題名に首を傾げたがそのまんまの内容だった。古くからある霊的な超常現象と、未来的な技術との融合。

主人公は婦人警官。大阪の環状線で痴漢を逮捕する。この環状線は「O」という監視システムが配備されており、車内のすべてが記録されているのだった。そのデータを用いて、容疑者の犯罪を特定しようとした主人公。しかしその時、システムがエラーとなり破損してしまう。


主人公には幼少の頃、すぐとなりにいたはずの妹が神隠しにあったようにいなくなってしまった、という苦い過去がある。それが電車内での出来事だっただけに、車内犯罪がひと一倍気になる性質となった。そんなエピソードが、物語の大筋にも関わってくる。


作りが上手い。現代通り越して未来風なシステムが、実は古来からあるものと戦い制御するために生み出された、とする歴史と未来の融合感。霊的なものは、知覚すると実現してしまう、として、視えるものと、それを消すものとの対立構造を作りつつ、両者はそもそも同根でもあり、なので消す側にも視えるものとどう対峙するかで流派がわかれ、葛藤があるという仕組み。複雑な作りを、さらっと表現する描写は手練。


こうした話を作ると大抵は主人公の置き方が難しく、読者に全体像を見せるためとして部外者ポジションとすることが多いが、その場合話に関与させるのに無理が生じがちになる。時に二手に分断して話を進める作品があるのはその無理を整理するため。だが本作は主人公を、話の本筋である視えるものの領域にも置くことで、きちんと話に巻き込まれるのが自然な構造としている。


「攻殻機動隊」的なものも感じながら読んだが、巻末に収録された読み切り「ノックアウト・ボディ」のほうが世界観は近かった。とはいえアプローチは全然別。しかし、アオハルがテーマでこの読み切りになるとは…。


【データ】
白井弓子 (しらいゆみこ)
大阪環状結界都市 (おおさかかんじょうけっかいとし)
【発行元/発売元】秋田書店 (2018/10/16) ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→大阪環状結界都市(1)(ボニータ・コミックス)
大阪には、絶対に視てはならぬモノがいる。2028年の大阪。警察官・森かなたが勤務する大阪府警察O課は、大阪環状線内で起きた犯罪を見つけるため、Oシステムと呼ばれる車両スキャンシステムを捜査に導入していた。しかし、ある日Oシステムが映し出したのは、人ならぬ“なにか”で…!?


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