ヤマザキマリ/オリンピア・キュクロス


オリンピア・キュクロス 1 (ヤングジャンプコミックス)

■「テルマエ・ロマエ」の同工異曲。 オリンピックに絡めた点と現代日本の側に 偉人傑物を用意した点が新たな仕掛け。

紀元前400年頃のギリシャが舞台。運動選手を 嘱望される主人公だが戦うこと争うことが 嫌いで絵付け師に。しかし村が窮地に陥り、 彼の能力に期待が集まる。そんな状況に悩むところで 雷が落ち、彼は気づくと現代日本の 家屋にタイムスリップしているのだった。


「テルマエ・ロマエ」の焼き直しじゃないか、 と思うわけだが、実際、そういう視点で読むと、 面白さは半分もない。あの作品で面白かった部分は、 本作にはない。一方で、あの作品では なかった仕掛けがある。


まず、現代日本といっても彼がやってくるのは1964年。 転がりこんだ家の主が古代ギリシア語を解する という設定。東京オリンピックの最中にも登場し、 そこで得たものをギリシャに還元する。しかしその結果 オリンピア大祭の委員会に目をつけられる、という展開は、 利権社会の皮肉か。


主人公が勝手に知見を得て彼の時代に帰るのは過去作の踏襲であり、 こちらの世界にツアーコンダクターがいる状態なのも同様。 だが今回はこちらの世界のツアコンが相当な立場の人物で、 身元引受人もできる、というのが違うところか。 「テルマエ・ロマエ」との違いが明確に見えてくるまでは、 推しづらい作品ではある。


【データ】
ヤマザキマリ
オリンピア・キュクロス
【発行元/発売元】集英社 (2018/7/19) 【レーベル】ヤングジャンプコミックス ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
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古代ギリシャの青年デメトリオスは、壺絵師見習いの“草食系オタク”。ある日、村の争いに巻き込まれ、思い悩むうち、なぜか”1964年オリンピックに沸く東京”に漂着…!? 時空を超えた奇跡の喜劇、ここに開幕――!!!


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