池沢春人/ノアズノーツ


ノアズノーツ 1 (ジャンプコミックス)

■オーパーツ的な話を、人類は歴史をループしている、 という仮説にからめて展開するユニークな一作。ヒロインの 設定がもう少しなんとかならなかったかと思いもするが。

歴史に意味を見出さず授業もテストも興味がなかった少女。 彼女がふと見つけたものが実は大事な遺跡であり、 大学者に目をつけられる。彼女が手にしたものは、 地層の中から発見された、2022年に作られたもの。 2018年の現代からすれば未来のものが 遺物として現れる、という異様な事態の理由を、 その学者は解き明かす。


人類は10万年前にも一度同様の文明まで到達しており、 しかしその後突如消え去り、後に10万年かけて同様の 文明を、全く同じようにトレースしているという仮説。 そして同様のループを続けるのであれば 4年後に人類は滅亡するのだと。 それを阻止するために研究しているのが 件の学者。ヒロインは、彼の語る歴史の授業に 感銘を受け行動をともにする。


オーパーツ的なものを取り込むのに大胆な設定の 話を用意。行動力はインディー・ジョーンズ並も、 背負っているものはもっと重い。 宗教的な理由により、 あるがままに人類を滅亡させるべき、とする 団体を置き、これが彼の行動を阻止しようとする。


そんな中でヒロインは、話に巻き込まれる形で 一緒に行動するという形。何も知らない人物をバディにすることで 学者の行動や世界の状況を解説しやすくしており、 唯一の女っ気でもあるわけだが、覚悟の中途半端な 人物を、主人公とも言い切れない位置で 使うのは、ストーリー展開の上で邪魔なことが多々。 実際、読んでいてもどかしい。


しかしそんななかでも設定はなかなか面白い。 過去の文明を忠実にトレースしているのだ、という 設定のおかげで、難しい話をしながらも読みやすく 理解しやすい状況を生み出した。


それと、歴史について、「過去を識る事は未来を知る事」歴史はこの世で最も実用的な学問である、という話を、ヒロインが歴史なんか勉強しなくたって未来は来る、というのについて?何故?と問いかけ、お嫁さんが夢だから、料理は得意だし勉強なんていらない、ママが結婚して今幸せそうだから私もそうなりたい、との答えに、「それはお前が母の「歴史」から学んだからだ」「お前は既に歴史を立派に利用しているよ」と返している シーンはこの作品の白眉。このメッセージに沿って話が展開していけば良い話になると思うのだけれど。丁寧に描かないといけない情報量の多い話にしたことが吉と出るか凶と出るか。


【データ】
池沢春人 (いけざわはると)
ノアズノーツ
【初出情報】 【発行元/発売元】集英社 (2018/7/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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「学校なんて大人になるまでの暇つぶし」──横浜の高校生・寿未来は、ある日通りがかりに「謎の石」を拾う。後日、未来の前に現れたのは、歴史の謎を追う考古学者のノア教授! 「俺が直々に授業をしてやる」と連れてこられた先には、10万年前の横浜・みなとみらい遺跡が…!? 世界中の「未来遺物」を集め、人類の絶滅を食い止める! 「歴史的」冒険考古学ファンタジー開幕!!


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