【オススメ】 染谷みのる/君はゴースト


君はゴースト 1 (Feelコミックス FC SWING)

■【オススメ】 ゴーストライターが依頼を受けたのは、 元アイドルの伝記だった。

デビュー作が評価されるも その後人物が描けないとされ伸び悩み、 今は様々な物書き仕事をしている主人公。 そんな彼の処女作は、 表舞台から消えた元アイドルに まつわる人物は殺されていくというミステリ。 その着想を得た実在の人物から、 彼は伝記の執筆をする依頼を受けるのだった。


元作家と元アイドルの話が並走する。 主人公は狂言回し、元アイドルが 語る話は当然、なぜ表舞台から消えていたのか、 失踪状態になったのか、が肝であり、 それがスカウトしたマネージャーの仕業と ともに伝えられるのが一巻のクライマックスである。


会社や社会は人の繋がりがある分、 あたたかさやら助け合いやらが言われるが コネクションはネガティブな部分もあわせもち、 それは人を消耗させ壊してもいく。 稼ぐ、生活する、といった要素と乖離した人間関係は 紐付きでない分、離合が容易で、重荷にはならない。 一方で仲良くしたい人と仲良くする、という だけでは成立しない、仕事や住居をベースとする 人間関係は、余分な重荷を抱え込みやすい。 芸能界は、人そのものが商品であり、 歪みや淀みが最も露呈する職業である。 その辺を深く掘ってきちんと明示することは、 社会には定期的に必要なのだろうと思いつつ、 まぁそこまでこの作品が掘り下げるかどうかは知らない。


マネージャーも、枕関係で成り上がったタレントも、 現在進行形で成功している世界で、 元アイドルと現マネージャーは 芸能界に復帰し何を仕掛けるのか、 それに対して主人公はどういう立場で接するのか。 そこに週刊誌だかのゴシップ記者も絡んでくるようで、 話は世間の醜悪さをぶつけるようなものになるのか、 あるいはファンタジックなオチに持っていくのか、 できれば双方が混じり合ったカルトな作品になることを 望みつつ。


2巻はまもなく電子書籍でも発売開始。 →君はゴースト 2 (フィールコミックスFCswing)


【データ】
染谷みのる (そめやみのる)
君はゴースト
【初出情報】FEEL YOUNG(2016年〜2017年) 【発行元/発売元】祥伝社 (2017/10/7) 【レーベル】FEEL COMICS ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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消えたアイドル×ゴーストライターの再生譚
ゴーストライターとして暗躍中の 売れない小説家・佐倉洋介に、 消えたアイドル「真咲遥」の手記の代筆依頼が舞い込んだ。 真咲本人の指名と聞き、「なぜ俺なんかに」と腰が引ける佐倉だが、 奔放な彼女に振り回されるうちに、ふたりの距離は縮まっていく。 しかし、取材が始まり、真咲の口から語られる「消えた理由」は 芸能界の闇そのものでーー!?



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