白正男、山戸大輔/テコンダー朴


テコンダー朴

■こういう本が出版される日本は自由で平和である。

3巻の発売に向け準備が進んでいるなか、 ツイッターのアカウントが停止されただとかで トレンドランクインしていた本作品を その流れでご紹介。


朝鮮第一主義な純朴な若者が格闘技で 日本を殲滅、東西統一も果たさんとするお話。 格闘技トーナメントもののパロディでもある。


本作の素晴らしさは、「その手は人を殴るためでなく 人の手を繋ぐため その口は人を差別するためでなく人と 愛を語るため」と綴った次のコマで、「最強格闘技 テコンドーで劣等民族チョッパリを殲滅だ」とあるところ。 あるところではよくある言論の流れである。


そんなネタを使いつつ、本作は、一向に茶化さない。 自分で笑い出すことはしない。彼の主張そのままで 話は動いていく。一方、日本人や中国人、欧米人の 差別意識もそのまま発露される。ヘイトの佃煮。 ただし、勝つのは朝鮮人である。『パール・ハーバー』 でさえ大ヒットする日本市場では、 この手の作品もニヤニヤしながら読まれて当然。 嫌韓本はやはり今一歩民度が低いのだろう。 ただ、この手の本を真に受けるだけの人が出てくると それはそれで教育が足りない社会なわけだが。 なお、在日朝鮮人が全員強制連行だとする 登場人物の発言の下には注記として 朝日新聞がかつて報道した数値を示すという、 なかなかに嫌味なことを行っている。


天下一格闘会のような、誰がスポンサーやねん、 何のためにやんねん、という大会が開催されるという 話のバカバカさもうまく活かし、作中の 人物全体が、この大会会場に爆弾落とせば世界は皆 ハッピーになんじゃね?というクズ加減 でなかなかに香ばしい。


作品のアプローチとして、まぁ、こういうスタイルが 一番正しいのだろうなぁ、と思う次第。とはいえ、 これは、政治的に抑圧された社会における 言論や芸術のあり方に近いが。 愛国正義の立場から作品を組み立てると、 その立ち位置からは批判しづらいというのは なかなかなトロイの木馬である。 まぁ ジョークも皮肉も理解しない反対の立場の者が 表面だけの理解で殴りに来る可能性もあるわけだが・・・。 あ、そういう、そのまんまの読み方のほうが正しいんですかね?


【データ】
白正男(はくまさお)、山戸大輔 (やまどだいすけ)
テコンダー朴(パク)
【発行元/発売元】青林堂 (2015/7/1) 【発行日】2015(平成27)年7月1日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ テコンダー朴

思い知るがいい日本の罪の深さを、そして我ら大韓民族の偉大な歴史を!
最強格闘技テコンドーで劣等民族チョッパリ(日本人野郎)を一蹴!! 劣等民族・日本人は反省しろ! 世界最高民族・韓国人を尊敬しろ! 韓流ファンタジー(妄想)を具現化したテコンドー最強伝説の幕開けだ!! 空手・柔道・剣道・相撲・孔子・仏教・漢字・ムエタイ・飛行機……この世は全て韓国起源!? 世界最高民族・大韓民族に全人類の名により心から感謝! 世界文明宗主国・大韓民国に永遠無窮なる栄光あれ!



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