【オススメ】 小倉孝俊/生と死のキョウカイ


生と死のキョウカイ 1 (ヤングジャンプコミックス)

■【オススメ】輪廻や神の教えを問う深い話を ファンタジーという立て付けで描く。

魔王がおり冒険者がいる世界。 冒険者は死ぬが、教会では蘇生されることが可能。 ただし、蘇生には前提がある。 聖教徒と司祭、蘇生士の三者が審判して合意すること。 蘇生されるのは魔王討伐を誓った冒険者のみ。 そして12回までという蘇生限度もある。


ゲームでよくある場面を、これってでもどうなの? という視点を足して描くお話。 ギャグやパロディ寄りなのか、よくわからぬまま 当初の話は展開していくのだが、これは、 がちがちに設定された世界の一部を切り取って 一話完結で描いているから。後半になると、 だいぶ雰囲気が変わる。


主人公は聖教徒の女性。教え、信仰に忠実。 頭は硬く、とはいえ情に流されがち。 埋葬派であり、彼女が主張を強くすると、 教会の計画どおりに物事が進まなくなるという面も。 すれていない彼女の面倒くささが及ぼす 影響を描く話か、と思っていたら、 彼女が世界の裏側を覗く話になっていき、 深みが増してきた。


信じているものは真実なのか、 そもそも真実とは何なのか。 この手の話は現実世界を舞台に、現実的な もので描くと支障があるので、 こうしたファンタジーの世界の中で やるのがベストなのだろう。 まぁ、そういう話だけになっていくと、 この後の展開がしんどくなるので、 どうバランスさせていくのかな、というのは気になるけれど。


【データ】
小倉孝俊
生と死のキョウカイ
【発行元/発売元】集英社 (2018/5/18) 【レーベル】ヤングジャンプコミックス ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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魔王・勇者・冒険者、そして世界に欠かせない存在「教会」。教会は、冒険者に蘇生と魂の安らぎを提供する場所である。エラゴサットの教会に勤める聖教徒のエステルは、蘇生によって死を繰り返す事になる冒険者たちの魂が本当に救われているか気がかりだった。蘇生士・ハッツと司祭・クマの、この3人の合議により、今日も冒険者の運命が決まってゆく──。



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