【オススメ】 小玉ユキ/ちいさこの庭


ちいさこの庭 (フラワーコミックスα)

■【オススメ】小さな妖精との交流譚。 珠玉の一作。幸せな結末に泣く。

ちいさこ、という森に棲むといわれる 小人というか妖精にまつわるお話。 新居の中庭に、そのちいさこはいた。 ただし親子4人でそれが見えるのは、 妹だけだった。


これで、中庭を潰す、潰さない、 という話が展開されるのが第一話。 なお、ちいさこは、言葉を喋れるし、 人里に住んで長い者は文字も読める。 つまり、見える人間とはコミュニケーションがとれる。 一方で子供は児童文学で ちいさこを描いた人気シリーズがあり、 それでちいさこのことを知っているのだった。


一話目はプロローグ。二話目では、 ちいさこの見える条件を明確に定義。 子供なら見えるわけではない。 人間は恋をするとちいさこが見えなくなってしまう、 そして一度見えなくなるとそれっきり、なのだと。 つまり、恋していない人間にしか見えない、と。 二話目はその設定を使った人間側のお話。


三話目は人間とちいさこの間での恋愛めいた交流を 描くが、四話目は時代を遡り、武士のいる頃を 一話目と同じちいさこを中心に綴る。ただし 夫婦なのに妻にはなぜかちいさこが見える、 という仕掛けを作り、話を展開する。


その四話も泣ける話だが、さらには最終話で 児童小説の著者のエピソードとなり、 小説はこの人物が 自分の体験したことを元に描いているのだ、 と明かされる。ここで、 「人間の中で我々ちいさこの姿が見える者は 恋を知らぬ者か死を迎えようとしている者 どちらかしかいない」と定義される。 なんか最後になって後付設定出てきたぞ、 という話もないではないが、いや、 この設定でもってクロージングに向かう エピソードは、素敵で素晴らしく、 四話目でうるうるとしてきた目を 決壊させるにふさわしい出来映えである。


【データ】
小玉ユキ (こだまゆき)
ちいさこの庭
【初出情報】flowers(2017年〜2018年) 【発行元/発売元】小学館 (2018/2/9) 【レーベル】flowersフラワーコミックスα 【発行日】2018(平成30)年2月14日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ ちいさこの庭 (フラワーコミックスα)
ちいさこ"と人が紡ぐ、大人のための童話
森に棲むといわれる“ちいさこ"たち。絵本好きな少女、恋愛小説家と編集者、引きこもりの男子中学生……生きる時代も性別も立場も違う人間たちが“ちいさこ"に出会い−−?“ちいさこ"と人間の不思議な体験が詰まったファンタジックオムニバス。


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 小玉ユキ/月影ベイベ
【オススメ】 小玉ユキ/坂道のアポロン

■当サイトの月間オススメはこちらから


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM