ちばてつや/ひねもすのたり日記


ひねもすのたり日記(1) (ビッグコミックススペシャル)

■非常に重要な一冊で書きたいことを描きつくすまで 続けていただきたい。ただこのお値段なので気軽には すすめられないかな・・・。

網膜剥離もあってアシスタントは解散、仕事場も片付けて いて廃業状態のちばてつや氏に新たな連載の依頼が入る。 なんだかんだで断ってきたのだが・・・ということで2話8ページ を費やすが引き受けるオチはなかなかにひどくて笑わせる。


オールカラー1話4ページの作品は、 時代軸をばらばらに、現代も過去も並行して描いていくスタイル。 読み応えとしては物足りないが、しかし、読みやすいし、 描き手としても描きやすいだろう。大御所だけあり、 大物漫画家仲間のエピソードも随所に出て来るのは 掴みとして充分。老人としての生活で自分をネタにして笑わせつつ、 戦中戦後の話をきっちりはめ込む。


満州の奉天にいた時代、敗戦濃厚となり空気感がかわり、 敗戦後に中国人ロシア人に襲撃を受けたこと、 その中で中国人と仲良くしていた一家は被害がなく幸運にも恵まれたこと、 引き揚げてきた者に対して既に終戦後1年を経ていた内地の人たちの 対応は冷たかったこと、を描いているのは、リアリティがある。


ちば氏の父が、地元に帰ったところで、薄汚れた姿で帰還するのを 知り合いに見られたくない、と言うのは切ない。 まぁ戦争は負けたらあかんという話である。 勝ったところで国民がないがしろにされていては駄目ではあるが。 しかしぐずりつつも泣き叫ぶような子供たちでなかったことが 著者が日本に帰りつけた理由の一つではあるのだろうな、と思うと、 公共で泣いたりぐずったりするのを子供なんだから当たり前と 擁護する社会は平和なのだな、それはいいことだが、 緊急事態で生き延びられるのは静かでおとなしく邪魔にならず 集団行動できる子だけだろうなと思ったりもした。


そんな話のなかにさらっと「あしたのジョー」の頃の エピソードの回も混ぜてあるので盛りだくさん感があり、 一巻の構成はこれはこれで実は最上級なのかもしれない。 しかしお値段1200円ということで、オススメとはしておりません。 そのお値段の価値はあると思いますが・・・。


【データ】
ちばてつや
ひねもすのたり日記
【初出情報】ビッグコミック(2016年〜2017年) 【発行元/発売元】小学館 (2018/1/30) 【レーベル】BIG COMICS SPECIAL 【発行日】2018(平成30)年2月4日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ ひねもすのたり日記(1) (ビッグコミックススペシャル)
ジョーも松太郎もてつやから。名作の裏に…
いつしか老作家となったマンガ家・ちばてつやは、様々な社会的役割を務め多忙だった。だが…ある日、コミック雑誌から執筆依頼が来た。 最初断ろうと思ったちばだが、その脳裏には幼い頃の満州の物凄い夕焼け、人生の節目で出会った素晴らしい人々、そしてどんなときも不器用に苦しみながらマンガを描いてきた自分の姿が去来する。 オールカラーショートコミックで描く半生の記。ちばてつや18年振りの最新作、今ここに結実!


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