糸川一成/空男


空男(1) (モーニングコミックス)

■シビアな設定を取り上げつつ、 リアリティがなさそうな話を 頑張って構築していく力技は 昭和期のテレビドラマのようでもあり。

主人公はキャビンアテンダントのお兄さん。 いまだに女子の多い日本のCA事情を考えると ユニークな設定。そこだけで十分だったような 気もするが、主人公がパイロットではなくCAを 目指す理由を設定する段階で掘り下げた結果か、 かなりシビアでシリアスな背景までくっついてきた。


主人公は母子家庭、父親はギャンブルで借金作って失踪。 学校では落ちこぼれ同士でつるみ将来の夢も展望もない状況。 とはいえ母子の仲は良い。母に遠慮した修学旅行を、 そういうことが私にとっては大事なものなのだ、 としてお金を振り込んでくれたことから参加し、 飛行機に乗ったこと、そこでCAに出会ったことが 主人公に空の魅力を気づかせる。


底辺からでも出来ることはある、とする話は 格差社会だの言われる現状を踏まえつつ、前向きで意義があるだろう。 奨学金も大学も期待できない、成績も良くないが高卒で 空の世界に入り込むことはできないか、という問を設定し、 ややチート的ではあるがその答えを用意したのが素晴らしい。 絞り込まれた条件なので、こうすべき、という道も 選択肢が狭まり、それは自由度がないということではあるが、 逆に何をすべきかははっきりしやすい。


主人公にとって人生の転換点、転機が 行くつもりがなかった修学旅行だったというのは、 よく話が練り込まれていると思う。


【データ】
糸川一成 (いとかわいっせい)
空男 (そらだん)
【発行元/発売元】講談社 (2017/12/21) 【レーベル】モーニングKC 【発行日】2017(平成29)年12月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
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「別に今日死んでもいい」。人生をあきらめかけていた高校生空賀カケルだが、修学旅行中に生き生きと働くCAの妃と出会ったことで「空の世界で働きたい」と思うようになる。偶然手に入れた名刺から大手航空会社・日本エアラインサービスの社員、高殿に相談したところ、高卒採用のある日本アイランド航空のCAを目指すことになるが……。


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