違国日記(1) (FEEL COMICS swing)
■【オススメ】 気の合わなかった姉の遺児と暮らすことになる 疑似家族もの。互いの性格が噛み合って 良き生活っぷり。
高校3年生の女の子は 帰宅すると家で机に向かい仕事中の家人をよそに 料理を始める。同居の家人は大人であるのは わかるが、親というわけではなく、男性にも 見えたが女性。互いの距離感は適度。さて両者の関係は、 ということで続くエピソードでは時計を3年前に 戻して描く。
厳しかった姉が夫と交通事故で亡くなり、 残された姉の子について親戚たちがたらい回しにするなか、 半ば義憤にかられて引き取ることにする話。 そして彼女は作家だけに、亡くなって呆然としている 姉の娘に 「悲しくなるときがきたらそのとき悲しめばいい・・・」 と声をかけ、それで少女は救われる。
才能はあるが家事能力などなくて適当な大人と、 割りとしっかり育ってきたのでそれをちょっとした カルチャーギャップに感じる少女。そのずれが 互いにぴたっとはまって、良い感じの疑似家族になっている。
しかし、食事というか、食材の絵は、うーん、 いや、まぁ、雰囲気はわかるんだけれど、しょっちゅう 食事のシーンが出るとなるとこれはどうなのか。 ただ、食べ物をリアルに描くと、人物など他の絵との バランスが難しいってのはあるんだよな。なので 少女漫画で食材出すのは結構難しい。劇画調だと 違和感ないんだけどね。
疑似家族ものだが、作家という職業設定にしたことで 格好の良い文学的なフレーズを混ぜ込める 一風変わった作品になった。
【データ】
ヤマシタトモコ
違国日記
【発行元/発売元】祥伝社 (2017/11/8) 【レーベル】FEEL COMICS swing 【発行日】2017(平成29)年11月8日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 女王と子犬は2人暮らし。 少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、手さぐり暮らしの第1巻!
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