田川ミ/麦の魔法使い


麦の魔法使い 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

■ビールが命の水として流通する世界で、 稀有な女性の醸造職人を主人公にした 旅するファンタジー。

ユニークな設定のファンタジー。 じゃじゃ馬娘がヒロイン。 作りたいビールがあり、そのためには一級のビール醸造職人、 ブラウマイスターにならないといけない、と胸に誓っている。 が、女性のマイスターなんて、と周囲にはバカにされる。 3年、下働きを続けたがもう我慢の限界、 早く広い世界に出てもっと腕を上げたい、そのために 旅をする、と彼女は決めていた。


旅もので職人もの、というオーソドックスな話。 その職がビール作りで、かつ主人公が女性、 というのがユニークなところ。


かつて教えてくれた師匠が魔女のような人物で、 彼女のビールが最高の品質だった。そこがヒロインの 目指したい所、なので新しい何かを作る類の話にまでは なっていない。一方、この世界は水が不足しており、 浄水技術も未熟なので、人々は水かわりにビールを 必要としている、という特殊な設定も付加されている。 とはいえ疫病対策と栄養を得るためのものとしてのビール、 という位置づけは現実世界の歴史と大差ないので 読者にとってはほぼ抵抗感なく受け入れられる。


この話のゴールは、今のところ、ライフラインとしての ビールではなく、飲んで美味しく幸せになるラグジュアリーな ビールを作りたい、というところに設定されている。 が、一方でライフラインとしての浄水ノウハウを作る、 という道もありそうな。ただし職人として賞賛され 生計をたてられるのは、ライフラインやコモディティの類ではなく ラグジュアリーな贅沢品を作る者なので、美味いビールを作る 話のほうが、まぁ成功への道ではあるのだろう。


旅ものであり主人公は女性なので、護衛的なバディつき。 そのバディの存在理由も明確に示されており、それがヒロインの 思いとは別な物語の大きな軸として一本、柱がたっており、 よく考えられた作品となっている。ただ、ビール、という 題材を除けば、珍しさのない内容ではあり、オーソドックスの一言に尽きる。 中世風の風景描写に引きずられてか意図的か、話もやや古臭いので、 そこをいい味出していると見るか、パターンにはまっていると見るかで 印象が違ってきそう。


【データ】
田川ミ
麦の魔法使い
【発行元/発売元】集英社 (2017/11/24) 【レーベル】マーガレットコミックス 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 麦の魔法使い 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
むかしむかし、不衛生な水に悩む人々にとって殺菌・滋養に優れたビールは命そのものだった。けれどその質は年々下がり、国中が諦めの空気に包まれ始め…。そんな中、最高のビール職人を目指すフライアは修業の旅に出る。いつか“黄金のビール”を造ることを夢見て――!


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