【オススメ】 日高ショーコ/日に流れて橋に行く


日に流れて橋に行く 1 (愛蔵版コミックス)

■【オススメ】 明治の末期、時代の流れに乗り遅れた 呉服屋を洋行帰りの主人公は立て直せるか? というお話はなかなかにエキサイティング。

明治44年、市電の中でキョロキョロしている 主人公は初めての上京なのかい?と問われるが、 生まれも育ちもこの日本橋だ、と答える。 ただし、東京は3年ぶり。イギリス帰りなのだった。


呉服屋の三男である彼は、長兄にはその見聞を活かし、 頓挫したままの新店舗の工事を再開させて 家業を新生させることを期待されていた。 のだが、番頭には話が伝わっておらず、 そもそも従業員は家業を継いだ長兄への見方が厳しい。 他の呉服屋が西洋風に進化しているなか、 旧態依然に取り残されたまま、勤め人はそれを良しとしている 風。一方で長兄も店にああまり寄り付かないという。 そして長兄の有り様がオカシイことは主人公も気づいていた。


かように、明治の、大店ではあるが没落しつつある 呉服商を舞台に、イギリスへ行ったことで家業に 真正面から向かおうと決めた青年を主人公に描く話。 題材はユニーク。モデルとなる店が明確にある わけではないところは特に魅力。


店の中のゴタゴタはあるが、構図は面白く、 大番頭は割に色々見えており主人公と対立するわけではなさそう。 主人公をバックアップするのは、イギリスにいたころの 友人であり、かつ金持ちであるらしき青年。 他方、従業員は敵対気味で、長兄も味方というには怪しい。 ところで、次男はどこいった?何の説明もない、ということは いずれ話に絡んでくるのか。そうでないなら主人公を三男とせずに 次男設定にすればいいわけなので。


物語はなかなかに面白い。が、やろうとしていることは、 三越の後追いである。三越の名が出てこない パラレルな架空の世界であるとはいえ、 デパートメントストア宣言は1904年、 明治37年というのが史実としてあり、 時代設定の明治44年はそれより後。 主人公たちがやろうとしているのは、誰もやっていないこと、 ではない。同業者に追いつこう、というレベルの話にとどまる。


そもそも、過去を描く話で、モデルもなく、 新しいことをやらせようとすると、これは架空戦記並な 面倒なことになってくるわけだが、どうするつもりなのだろう。 期待しつつ、続刊を待ちたい。


【データ】
日高ショーコ
日に流れて橋に行く
【発行元/発売元】集英社 (2017/10/25) 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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かつて大きな賑わいを見せていた、老舗呉服店「三つ星」。その三男・星乃虎三郎が、三年ぶりに英国から帰国した。 新しい「三つ星」を作ろうと意気込むものの、店の者からはまったく歓迎されず、変わらず優しいのは、長兄の存寅だけ。 一方、虎三郎を知っているらしき、謎の男・鷹頭も、「三つ星」再建のため、独自に動いており…。


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