【オススメ】 宮尾行巳/五佰年BOX


五佰年BOX(1) (イブニングコミックス)

■【オススメ】 タイムパラドックスSF。まぁサイエンス要素はないが。 道具立てがユニーク。チャレンジングな一作。

蔵の片付けをする男性。実はその蔵は実家の隣人の家のもの。 彼が完全防備で掃除をするなか、隣人の女性はスカート姿。 この後すぐに予定があり、それは顔合わせであるのだという。 婚約者を案内され、弟扱いであることに、改めて絶望する彼。 その彼が、蔵の中で、中から音がする箱を見つける。 箱庭のようなミニチュアのようなその箱のなかでは、人間たちが動いていた。 そして箱のなかをうっかりいじると、現実世界での風景が変わっていた。


どうも戦国自体あたりの風景、箱を動かすと景色も変わっていく、 というファンタジーな設定。これに興味をもった彼は箱の中で困っている人を 見かけると手助けをするようになる。が、野武士に襲われる村に介入したあと、 隣家に向かうと、自分を弟扱いしていた、自分の好きだった女性が、 この世からいなくなっていた。


死んだわけではなく消えた、というか元からいないことになっていた、 というタイムパラドックス系の話である。普通はタイムスリップを 絡めて展開するところを、その役目を「箱」に負わせたところがユニーク。 主人公は、神的な存在となる。ただし、振る舞った結果が 何をもたらすのかは、神的な主人公にもわからない。


隣家との関係は変わらずに、でも隣家の子供が女性から男性に変わる 微妙な変化がバタフライ・エフェクトの結果もたらされるもの、 というのはまぁかなり都合のよい話であり、描写される現実と 話の設定のスケール感とがマッチしていない。ただ、それで良いのだろう。


パラレルワールドに切り替わった現実に、彼だけが違う世界を知っており、 違和感を持つ。しかし、その世界に沿った記憶が彼のなかで徐々に生まれてくる、 という展開は、怖くて上手い。ただし、、 彼女を忘れてしまう前に取り返さなければ、というテーマは、 非常に難しくディフェンシブなもので、悲劇感しかない。


そして話は、次第に箱庭の中の世界も描き始める。 そちら側の世界に入っていく話となるのだとすれば、 箱庭という設定にした意味が薄れていくのだが、どうするつもりなのか。 かように、主人公がポジティブに動いていく話ではなく、 数々のジレンマを抱える内容なので、これをどう片付けていくつもりなのか、 注目したい。しかしこの設定だと明るい話にはなりえないし、 そもそも冒頭からそうするつもりはなさそうなところは気になるんだけれども。


【データ】
宮尾行巳 (みやおいくみ)
五佰年BOX(いほとせボックス)
【発行元/発売元】講談社 (2017/8/23) 【レーベル】イブニングKC 【発行日】2017(平成29)年8月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 五佰年BOX(1) (イブニングコミックス)

遠野叶多(かなた)は、幼なじみの真奈の家から奇妙な箱を見つける。箱の中には実際の人間が生活し、よく見るとそこは中世の日本らしき世界だった。好奇心で観察を続けるが、ある時、箱の中で少女が野盗に襲われているのを見てしまい、思わずその野盗を殺してしまう。動揺した叶多は真奈に相談するため彼女の家に向かう。だがそこで真奈の父親から思いもよらぬ事実を告げられる。「うちには真奈なんて娘はいないよ」と。


■当サイトの月間オススメはこちらから

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile











ブックオフオンライン

チケットぴあ

WOWOW

fujisan.co.jpへ
/~\Fujisan.co.jpへ

日経エンタテインメント!
日経トレンディ (TRENDY)
週刊ダイヤモンド
週刊東洋経済
宣伝会議
トッププロモーションズ販促会議
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
競馬最強の法則
競馬王
会社四季報 プロ500
会社四季報 ワイド版
ダイヤモンドZAi(ザイ)


ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM