鈴木有布子/廻り暦


廻り暦 (KCデラックス BE LOVE)

■願掛けに成就すると心から行きたい日にちを一日だけ 廻ることができるという、日めくりの暦をめぐる話。

廻り暦という日めくりのカレンダーを中心とした連作短編。 第一話の主人公は小学校時代に親しかった相手と会社で一緒になる。 ただし幼いころの思い出がもとで主人公は人付き合いがちょっと苦手に。 その原因でもあるのがその相手だった。


ちょっと悩みつつ、 外にでると大晦日の歳の市、そこでなぜか誰も入っていかない道が あり、その先で鳩と暦売りとを見かける。可愛い、と手に取ったのは 特別な暦だという廻り暦なるもの。365日毎日忘れずめくると、最後の一枚に ある日付が現れるという。それは、心から行きたいと望んだ日付。 それをめくったとき、一日だけその日を廻ることができるという。


そういうファンタジー。割にシリアスな雰囲気を醸し出しつつも、 なにを願うか、というと、たいしたことではないところは著者の作品らしい。 一方で本筋は、暦売りの方の話にあり、 彼の出す条件は時を廻り目的を遂げたら最終ページを暦売りにくれ、 というもの。その残った時間を使って彼は彼の空間を維持している。 こちらは病んでいるというか、人間の思想発想ではないようで、 これはあとがきで自身も書く通り著者の作品らしくない。


ところでこの作品、面白いと思うのだけれど、 暦を売るのは日めくりの都合上、元旦か大晦日、 それを365日毎日めくる、というのは話としてかったるいような。 続きそうな感じの終わりかたではあるけれど、 一巻表示がないので続刊があるかどうかは不明。 暦売りにフォーカスして話が展開できると一風変わった話になると思うのだけれど。


【データ】
鈴木有布子 (すずきゆふこ)
廻り暦
【発行元/発売元】 講談社 (2017/4/21) 【発行日】2017(平成29)年4月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→出るなら★★★★
■購入:
amazon→廻り暦 (KCデラックス BE LOVE)
神社の片隅でひっそりと売られている日めくりカレンダーの「廻り暦」。手にした人が1年毎日きちんとめくれば最後には、その人が希望する日に行けるという。“特別な一日”をめぐる妖しい“暦売り”がナビゲートする。もし一度運命の決断をすることができたら? 人生の分岐点を考える感動の5話、「めぐり会い」「細貝美波の本心」「菊野の遺言」「夫婦の選択」「愛の時間」を収録。


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