このマンガ一巻がすごい!2020年09月編

今月に読んだ漫画1巻で特に印象に残った作品をご紹介
月間オススメ

□今月のパワープッシュはこちら(今月レビューした本ベースなので新旧入り混じっております。旧作クラシックも含みます) 

1. 鬼頭莫宏、カエデミノル/ヨリシロトランク
2. 中島あきら/らすときす
3. 西野向日葵、田中文/うっかり陛下の子を妊娠してしまいました〜王妃ベルタの肖像〜
4. 高浜寛/扇島歳時記
5. 田辺ゆがた/怪物メイドの華麗なるお仕事
6. 遠藤仁/おでこさんウソつかない
7. 小池田マヤ/令和の家政婦さん
8. 古賀由人/殺し屋ちゃんと死なないターゲット
9. 轍平/漫研に美少女
10. 玉露、日芽野メノ/乙女ゲーのモブですらないんだが
11. 神尾龍、ユウダイ、福本祐一/Driving Doctor 黒咲
12. つるまいかだ/メダリスト
13. おおひなたごう/星のさいごメシ

既に巻を重ねていますが瀬野反人/ヘテロゲニア リンギスティコ 〜異種族言語学入門〜 は佳作で特にオススメ。また完結済ですが 高浜寛/ニュクスの角灯もオススメです。

他に一巻完結本では 麻生みこと/大正ロマンポルノ が おすすめです。

【オススメ】高浜寛/扇島歳時記


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■【オススメ】幕末の時代、出島を舞台に、禿を中心に描く話。 「ニュクスの角灯」の前日譚であり「蝶のみちゆき」に続く時間軸の作品。

徳川家茂の葬儀の話があり、15代将軍徳川慶喜の時代となる、 慶応二年、1866年に始まる物語。場所は長崎出島。 遊郭の少女は姉女郎の禿としてオランダ商人の家に入る。


鳥と会話するような、おっとりして見える禿「たまを」の話。 彼女は出島は二度目で、その前には姉女郎・几帳についており、 つまり「蝶のみちゆき」 に続く話であり人物も連関している。そしてここでコックをしている岩次とも出会い、 またフランス人の少年ヴィクトールから好意を寄せられる。つまり「ニュクスの角灯」に繋がる、その前日譚である。なので作者の作品を続けて読んでいる者には、答え合わせな面もありつつ、着地がわかってしまう点もある。


なので本作から読み始める人が最も物語を純粋に楽しめるのかもしれない。 話は「ニュクスの角灯」のトレース。変わった才能のある少女が、地頭が良いことを 見抜いた人のアドバイスによりその才を伸ばす、その少女の成長譚を描く話。 光と影の対比が物語としては大きくなりすぎてバランスを逸した面もある「ニュクスの角灯」 に対して、本作はさほど話は広がらない…いやそんなことはないか、また外国に 話は飛ぶのだな…。


三部作として並べて楽しむのが最終的には良いのだろう、 だがやはり本作から読み始める人が一番楽しめるような気がする。 あるいは「蝶のみちゆき」から時系列に沿って読むべきかな…。


【データ】
高浜寛
扇島歳時記
【発行元/発売元】 リイド社 (2020/9/28) ※電子版で購入
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たまを 十四歳。廓に生まれた少女が残した季節の記憶。
慶応二(1866)年、日本の花鳥風月と異国の文化が交錯する長崎・出島―― 早逝する宿命を背負い、美しくも残酷な季節を生きたある少女の物語。
第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞!! 高浜寛最新作 『ニュクスの角灯』『蝶のみちゆき』に連なる「長崎三部作」最終節
(あらすじ) 長崎・丸山遊郭の「たまを」は姉女郎・咲ノ介の禿(かむろ)として出島のオランダ商人邸に入る。炊事、洗濯、お使い……日々の労働に四季折々の風物を見つけ、医師のトーンやコックの岩次、フランス人貿易商の息子・ヴィクトール、混血児の小浦百年など個性豊かな人々との出会いに「廓の外」を垣間みる。 「お前は大人にならんでええ…」かつての姉女郎・几帳の言葉の意味を測りかねたまま、たまをはいつか来る「その時」を静かに待つ――


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】高浜寛/ニュクスの角灯
【オススメ】EMMANUELLE MAISONNEUVE、JULIA PAVLOWITCH、高浜寛 /エマは星の夢を見る

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【オススメ】古賀由人/殺し屋ちゃんと死なないターゲット


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■【オススメ】殺し屋の少女とターゲットのマフィアとのバディもの。

設定をひと捻り、というか題名どおりの出オチの内容。それで面白く読めるのだから 素晴らしい。


殺し屋として養成された少女。彼女が依頼を受けた相手の首をとる。刀で首を落としたのだが…死んだはずのボスは首から頭が生えて生き返った。当人もよくわからないが、何度死んでも生き返る。つまり殺し屋の少女がいくら殺しても死なないのだった。


彼女はできなかったでは帰れない。一週間とたち、彼女はマフィアのボスの家で世話されることになる。そうして始まる、殺す側と、殺されたい側とのバディもの。死にたい不死の吸血鬼系の話に近い。


殺し屋の少女はターゲットを殺そうとしているので元々の依頼には反しておらず葛藤はない、のだが仕事が終わらなければ逆に消される側にもなる、というわけでその辺のコンフリクションは早々に解決。物語は二人のバディものとして展開していく。


マフィアなので敵もおり、殺し屋が敵に回してはいけないらしい大きな組織もあって、 そこが絡んで話も大きくなっていく様子。それで物語が面白くなるのかどうかは微妙 なところだが、上手く転がしていってほしい。


【データ】
古賀由人
殺し屋ちゃんと死なないターゲット
【発行元/発売元】 KADOKAWA (2020/9/25) ※電子版で購入
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凄腕の殺し屋として育てられた少女<メメント・モリ>と、殺されても死なないマフィアのボス<レオナルド・アマレット>。暗殺者と標的として二人は出会い、殺し、殺された時、新しい愛と絆が生まれた。ときどきアットホーム、ときどき血まみれのファミリーアクション開幕!


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ザビエラー長谷川/抜刀


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■ギャングの抗争ものを変で奇妙でとがったユニークなものに 見せようとした作品。勢いはある。

抜刀、という相手を一刀両断に、真っ二つに切り裂く殺し屋が話題となっている。 その殺し屋にやられるパターンは2つ。1つは、使っている組のシマに侵略しようと してしまった者。もう1つは、正体に迫ろうとする者。プロの殺し屋集団も、 依頼を受けた6人のうち既に半分が殺されてしまっていた。


ところで抜刀と呼ばれる殺し屋は実は引きこもり。しかも自身に自覚のないまま、 殺しをしているのだった。その彼には自室の窓から登下校を見守る憧れの少女がいた。 その少女は彼に見られていることを実は自覚的で、ヤクザのお嬢様であり、 彼女が裏で操るフィクサーであった。


勃つ、というワードで登場人物を無理やり括り、刀ならぬベルトを操りぶったぎる という無茶苦茶な話、かつ殺し屋当人に自覚がないという輪をかけた無茶さかげん。 とはいえその無茶な話の裏側には冷静に物事を操る人物がいて、 それが可憐に見える少女、というのが、よくできていると見るべきかありきたりでつまらない と見るべきか。かっとんだ話のままで説明不可能なほうがカルト的に受けたかもしれない。


【データ】
ザビエラー長谷川
抜刀
【発行元/発売元】 講談社 (2020/9/23) ※電子版で購入
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イブニング「俺の零話読み切りプロジェクト」大反響作品がついに単行本化!
よりアツく、よりクールに、より変態的に……!
謎の殺し屋"抜刀"が闇社会で躍動する!


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【オススメ】つるまいかだ/メダリスト


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■【オススメ】フィギュアスケートを舞台に、遅れてきた才能を描く。

フィギュアスケートで全日本選手権まで出場したが、 スケートの仕事に繋がらない主人公。そもそも14歳から スケートをはじめ20歳のときにアイスダンスの選手に 転身した彼は遅咲き。そして全日本に出たのも パートナーのおかげと思っているので自信も足らず、 経済的な問題もずっと抱えているのだがスポンサー からの申し出を固辞するというこじらせかげん。


そんな彼をかつてのパートナーがコーチに誘うが、 煮え切らない。そこに、偶然直前に出会った女の子 がクラブに連れられてくる。子どもはクラブに入りたいのだが、 母親は姉が挫折した経緯とその姉と比べて要領の悪い子 が、5歳から始めている子もいるなかでいまさら どうなるのかとネガティブモード。そんな態度に刺激されて 彼は彼女のバックアップをしようとする。


物心つく前に始めるのが当たり前、なフィギュアスケート界の シビアなお話。その中で前例と違う人物ふたりが二人三脚で歩む 物語となる様子。一方、クラブ経営という観点で、 他の親御さんもいる中で褒め方は気を付けなければいけない、 といった話もなかなかにシビア。


正直、レッスンにお金がかかるうえに、トップアスリート となっても稼げず、プロの世界が狭き門で、引退後の 仕事がカネになるかが不透明、というスポーツの世界は 職業として考えたときに疑問符しかないのだが、 日本では少子化の中で淘汰されていくことになるのだろう と考えるとなかなか厳しそうではある。


まぁそんな話はともかく、タイトルがメダリストなのだから、 それなりのレベルにまで物語を進めていくのだろう。 ネガティブな思想を持つ人物二人が主人公という 面倒な話ではあるが、その二人が相互補完して 歩を進めて行く様は面白い。


【データ】
つるまいかだ
メダリスト
【発行元/発売元】 講談社 (2020/9/23) ※電子版で購入
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人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある!
夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。 でも二人には、誰より強いリンクへの執念があった。 氷の上で出会った二人がタッグを組んで、 フィギュアスケートで世界を目指す!


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高瀬わか/第二第四火曜日の恋


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■喫茶店を舞台とした、ウェイトレスと常連客との、年齢差恋物語。

いつも第二と第四の火曜日にやってきて窓際の席に座る常連さん。 彼に、ウェイトレスの女の子は、恋をしていた。


相手の素性もわからない人に恋をしているお話。徐々にいろいろと明らかになっていく 設定は良いが、一方で、なんでその強面の男性にヒロインが惹かれているのかは よくわからない。マスター、といってもこちらも女性なので本来ならミストレスなわけだが、 彼女は近所にヤクザの事務所があることから常連客の素性を気にしている。 ヒロインはその点無頓着。


常連客がどんな人物か、は読者には明かされるので、読み手は ヒロインやマスターの視点ではなく、より高所の神の視点で見守る話となる。 これは良かったのか悪かったのかどうか。一巻最後で視点が変わって 話が綴られる構成は見事な着地。雰囲気もので中身は薄いが、 エピソード最後の1コマに少しずつ内容を継ぎ足していくという 話の進め方が本作の要所なのだろうから、 雰囲気を楽しめばよいのだろう。


【データ】
高瀬わか
第二第四火曜日の恋
【発行元/発売元】 講談社 (2020/9/23) ※電子版で購入
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「あの人は第二第四火曜日にだけやってくる――」。喫茶店で働く律は、ある男性客に恋をしている。カタギに見えない、強面な外見。年齢・職業不詳。だけど気になるあの人のこと。あの人のことをもっと知りたい――。 マッチングアプリでは探せない、「何も知らない」から始まる恋。美人ウエイトレスと謎の男。大人同士のピュアなラブストーリーが始まる。


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