【オススメ】 佐藤啓/花松と5人の女


花松と5人の女 (モーニング KC)

■【オススメ】任侠ものでもブラック企業ものでもあり配送業界の現実を描くものでもありつつ、しかしテイストは想像するものとは一風違った飄々とした一品。

仕事は絶対にやり遂げる伝説の鉄砲玉、そんな彼は敵対する組長を殺害したことで刑務所に。そして15年の刑期を終えこのたび出所。足を洗い堅気になると決めた彼が就職できたのは、配送員だった。


血で血を洗う物流抗争、仁義なき配送の世界、として、シビアでブラックな配送業の現場を主人公は任侠の世界と重ね合わせてみていく、コメディタッチなテイストの第一話。不在配達との戦いを描きつつ、当日配送を禁断のシノギとして、皮肉たっぷりに描く。


一方、第二話以降はコメディ色は消え、不器用な任侠者が生真面目に生き方を押し通す話に。出会う女性たちとのエピソードを描きつつ、かつて自身の抗争相手だった暴力団からの接触もあり、最終話は過去と現在がクロスする話で締める。


第一話のノリがユニークだっただけに、そのシニカルなコメディタッチで全編通してくれたら異色作になったのだが。とはいえ劇画としてこれはこれでよくできた 唐獅子ロマンもの。いまどき任侠を描くとしたらこのように足を洗った設定は必須なのだろう。まぁ面倒な時代ではある。


【データ】
佐藤啓
花松と5人の女
【発行元/発売元】 講談社 (2020/2/21) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作)
■購入:
amazon→花松と5人の女 (モーニング KC)
極道から足を洗い、配送業に身を投じることになった男・花松。寡黙で不器用な花松は、自らに降りかかる不条理には一切の反抗もせず、黙々と過酷な配送の仕事をこなしていく。だが、哀しき女の涙を見れば、見過ごせないのが男道。時に命を懸けながら「本当に大切なもの」を運ぶ、仁義なき配送が今始まる――。社会問題化する「過酷な配送業界」を舞台に、魂震える5人の女の物語を紡ぎ出す衝撃作!



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【オススメ】 松浦だるま/いまかこ


いまかこ (イブニングKC)

■【オススメ】いなくなった人たちを思い出にできない人たちの話。

災害で恋人を失った美術予備校の講師。震災で父を亡くした中学生。彼らは、他人には理解されない共通の能力があった。


本ブログでは結局どうレビューしようか悩んでいるうちに「累」を取り上げ損ねてしまったのだが、本作も正直いって難しい。表紙も購買意欲をそそるのか微妙。一巻表記が奥付にはあるが表紙にはなく、シリーズものだが一巻完結なのかどうか、ここで完結だとしたらなかなか思い切った終わらせ方だが…。


人が亡くなった場所が今の景色にかぶって見える場所の幽霊が見える講師。一方の中学生は亡くなった人にまつわる音が聴こえてくる。いずれも、見たくない、聴きたくないのに、情報が勝手に押し寄せる。それをメガネやイヤホンで防御している。見えたり聴こえたりしたところで何ができるというわけでもない、過去が見えたところでどうなるというのか…。寧ろ過去に囚われ、連れ去られてしまうのではないか。


この、過去に縛られる感覚。それを直視し乗り越えることで思い込んでいた過去の縛りが解け、新しい未来が目の前に拓けてくる。そんな話、なのだろうか。


【データ】
松浦だるま
いまかこ
【発行元/発売元】 講談社 (2020/2/21) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ いまかこ (イブニングKC)
「累」松浦だるま最新作! “場所の幽霊”と呼ばれるもう無い風景がみえる男・鶴見也徒。死んだ人の“音の幽霊”がきこえる少女・早淵今。不思議な霊感のようなものを持つ二人の出会いのはてに待つものは救いか、それとも。



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【オススメ】 日向夏、倉田三ノ路、しのとうこ/薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜


薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜(1) (サンデーGXコミックス)

■【オススメ】小説のコミカライズ。原作を土台にスピーディに展開していく古代中国風ミステリ。

2018年リリースですがレビュー漏れでしたのでご紹介。 原作は「小説家になろう」発だがいわゆる「なろう系」とは一風違う、ラノベ系という感じでもない一品。古代中国風の皇帝を戴く貴族社会の後宮を舞台に、薬学の知識があり毒と調合にだけ好奇心が旺盛な薬屋の娘が巻き込まれる話。


そのコミカライズ。ビッグガンガンコミックスとサンデーGXコミックスで同時進行、というのが今ひとつわからない。前者は少女漫画っぽく、後者である本書はミステリものっぽいとのことだが、そうであれば前者の出版社やレーベルは違う気もするが。


小学館版の本書は、絵も話も綺麗に整理され、テンポよく展開していく漫画に仕上がっている。白泉社の花とゆめコミックスの定番セオリーだった3ページで設定を説明するロケットスタートに近い導入。ただ白泉社ものと違うのはその後の話の転がりも早いので、あっという間に物語が進行していくところ。このジェットコースター的スピードに乗れるか乗れないかが読み手を分けそう。原作を読んでいると、うまく整理して要所を抜き出してコマの大小ズームの有無を選択し描いているなぁと感心する限りだが、原作未読者には情報が多いかも?


拐かされて後宮に入ったが手付きにならなければ下働きとして2年で年季があけるのでそれを望んでいたヒロイン。下働きなのに字も読めて薬の知識もあるヒロインに地位有る立場の宦官が興味を持ったことで、彼が抱える事件の解決に駆り出されることになる。妃付きの下女として働くことで後宮の世界で彼女の顔が売れていく。一方彼女は花街の薬師の娘でありその世界でも顔が利く。というのが一巻時点の設定である。


小さなエピソードと大きな物語とがあるのだが、その大きな柱がイマイチわかりづらい、見えづらい、主張してこないので淡く軽く見えるのが原作の微妙な点。なにせ、ヒロインの出生、親に関する話に関しては原作の1冊目でも曖昧にしか出てこない。宦官に関する話も同様。なので本当の話はぼんやりとした中で展開していく物語なのでなんとなくモヤッとするのは致し方なし。そこを本作では原作1巻の軸となる話を目立たせる構成でメリハリをつけたうえで、巻末でもここがポイントと強調しているのは読みやすいところ。


こんな面白い話がアニメ化されていないなんて、と思うが、題材が題材だけにアニメは微妙か。夜のテクニックの話も随所に混ぜ込まれる話なだけに…。原作はこちら →薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫)


【データ】
原作=日向夏、作画=倉田三ノ路、キャラクター原案=しのとうこ
薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜
【発行元/発売元】 小学館 (2018/2/19) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜(1) (サンデーGXコミックス)

大ヒットラノベ、待望のコミカライズ化! 誘拐された挙句、とある大国の後宮に売り飛ばされた薬屋の少女・猫猫(マオマオ)。年季が明けるまで大人しくしようと決めていた猫猫だったが、あるとき皇帝の子どもたちが次々と不審死することを知る。好奇心と少しばかりの正義心、そして薬屋の知識を使い、その謎を調べ始めてから猫猫の運命は大きく変わって…? “なろう”発の大ヒット異色ミステリー、待望のコミカライズ登場です!!



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雑記

雑記です。※同じエントリに上書きしていく形となります※

銀の匙 Silver Spoon (15) (少年サンデーコミックス) 読むのが勿体ないとも思いましたが結局一気に読んでしまいました。完結。面白い作品が終わるのはせつなくもありますが、作中の人物の人生が続いていることが感じられる作品は哀しさがなく何より。
・武藤彩未さんリリイベでタワレコ名古屋店へ。安定の雨でした。 武藤彩未ミニアルバム「MIRRORS」リリース記念イベントミニライブ&サイン会@タワーレコード名古屋パルコ店_20200222
島袋寛子『UTAUTAI 2020 in NAGOYA Blue Note』2nd_20200222 ブルーノートという会場を理解したセットリストは見事。
・名古屋納屋橋近辺で凄い行列。ほぼ男子ばかり。サイン会?握手会?と思ったがイベントの情報見当たらず。乃木坂46のナゴヤドーム公演に関連して、メンバー遠藤さくらさんのご実家経営の「えんそば」の1店舗に並んでいるということだったらしい。
・ようやく「薬屋のひとりごと」を読み始めたのですが、さすがによくできてます、面白い。マイ本棚にあると言われたので買っていたようなのだけれど見つからないので改めて買いました…。
サカナクション SAKANAQUARIUM2020 "834.194 光"@愛知県芸術劇場大ホール_20200219 昨年のトリエンナーレであった暗闇公演が生煮え感あったのに対して同じ会場でよりブラッシュアップしたものを見せてもらった印象。光の使い方に感服しました。
小路花唄(4) (アフタヌーンKC) あれ、これで完結なのか。でもこの展開なら続編を期待したい。麻生みことさんの作品は基本全部好きなので何でも出してくれたらOK派ですが。
重版出来!(14) (ビッグコミックス) おお!自分で本屋作る話!私も夢想しました。出版流通業界の経験ないので現実味ないなと諦めましたが。他人と交流したい、と思っていたら漫画喫茶と書店と融合させたスペースを今頃運営してたかもですが。適した土地持ってて電子書籍購入に移る前だったら可能性あったんだけども。震災あって本などフィジカルなマテリアルは手放すことにしたのでご破算にしちゃったからなぁ。
ながたんと青と−いちかの料理帖−(4) (Kissコミックス) 青の花 器の森 (4) (フラワーコミックスアルファ) いずれもどんどん面白さ増してます!

2020年音楽ライブ観賞記まとめ

2019年も記事にしてますが 2020年も見に行った音楽ライブを列記します。 年間100本目標なので年末に作業始めると大変なので随時更新ということで。◎は中でも気に入ったライブ。

2019年音楽ライブ観賞記まとめ
2018年音楽ライブ観賞記まとめ
2017年音楽ライブ観賞記まとめ
2016年音楽ライブ観賞記まとめ
2015年音楽ライブ観賞記まとめ


眉月じゅん/九龍ジェネリックロマンス


九龍ジェネリックロマンス 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

■もどかしいラブコメものかと思いきや、終盤風向きが変。

九龍が舞台、でも名前は日本人な主人公たち。九龍自体も今の時代という ことではないらしく近未来感も漂わせつつ。不動産屋で働く女性と同僚との 職場での恋愛未満な関係がゆるゆると描かれていく。


なぜクーロンが舞台なのか?と読者はまず面食らう。更に、 すいかと共にタバコを吸うのが好きだ、という話が出てくるのだが、 冒頭に出てくるすいかを切るシーンが正直酷い構図で気になった。


話としてはゆるゆると、遅々としていて、これは一体なんの話なのか、 と思うくらいにぼんやり。ヒロインは同僚のことが好きなのだと自覚するが 一方の同僚はヒロインと昔の彼女が似ているらしいというエピソードがあり、 この辺から過去が絡んで、何が真実で何が幻なのかがわからない状態に。


正直ぴんとこないまま読み進めたが、 巻末の混沌とした状態での巻またぎには感心。とはいえ、 感情移入して読むには物語がヒロインから引いて描写しており、アプローチには疑問。


【データ】
眉月じゅん
九龍ジェネリックロマンス
【発行元/発売元】 集英社 (2020/2/19) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 九龍ジェネリックロマンス 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
此処は東洋の魔窟、九龍城砦。ノスタルジー溢れる人々が暮らし、街並みに過去・現在・未来が交差するディストピア。はたらく30代の男女の非日常で贈る日常と密かな想いと関係性をあざやかに描き出す理想的なラヴロマンスを貴方に――。


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【オススメ】 眉月じゅん/恋は雨上がりのように

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小林且典、岡純平/エデンの魔女たち


エデンの魔女たち(1) (ヤンマガKCスペシャル)

■戦争を知らない魔女の国に、人間の軍隊が攻めてくる。

幸せな魔女の国。しかしその国の魔女は作るスープがまずい。それだけでない、魔女の中でも唯一、悪魔が出せない魔女だった。それでも彼女は民に慕われていた。


結界で国を守っていた魔女。しかしそこに襲ってきた者たちが。それは、銃を持った人間たち。悪魔は銃撃が効かないが、魔女は撃てば死ぬ。そうして人間たちが魔女の統治する異教の国、エデンに攻め込んで来たのだった。


…いけすかないダークファンタジーであまり紹介したくもないが。人間たちが何故進軍してくるのか。それは魔女の国を使って何かをしたい知識のある者の誘導によるようだが。何のため、というのがいまいちわからず。抗う術を持たぬ相手への蹂躙と虐殺、という話は読んでいて楽しいわけがなく。戦争ものは、戦争するにはそれなりに理由があるとして作ってくれないと、と思うのだが。


一方的に悪者がいるような戦争ものはどうだろうと思いつつ。異教の地相手に聖戦だと言って侵略するのはよくある話で、信仰だの宗教だのは個人を救うことは場合によってあるかもしれないが集団に対してはネガティブかつ破滅的な状況をもたらす効果が殆どに見え、人間の発明したもののなかで最悪なものではとさえ思うのだが。また、武器を捨てた平和は果たして最善なのか、という問いでもあるのかもしれない。さらにいえば人間というものがいかに邪悪になりうるものか、という話でもある。


とまぁ、色々考えられなくもない話ではあるが。漫画でそんなもの考えたくもないかな、という思いもあり。


【データ】
原作=小林且典、漫画・漫画原作=岡純平
エデンの魔女たち
【発行元/発売元】 講談社 (2020/2/20) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★
■購入:
amazon→ エデンの魔女たち(1) (ヤンマガKCスペシャル)
魔女たちが支配する平和な国エデン。その辺境の村では、落ちこぼれの魔女ベルノと民たちが笑い合い助け合いながら暮らしていた。ある日、霧の結界が壊されケモノが現れる。悪魔を呼び出せないベルノは窮地に陥るが、結界の調査に来た魔女リナと悪魔ハウレスに助けられて、かろうじてケモノを撃退する。だが、これが全ての始まりだった。結界の向こうから迫り来るスペルビア帝国。とどろく軍靴の音。恐るべき近代兵器。理想郷を血と硝煙で染め上げる、科学と悪魔の戦争の火ぶたが切って落とされた。それは残酷な世界の真実を暴く戦いーー。衝撃のダークファンタジー開幕!!


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