「君は放課後、宙を飛ぶ」

「君は放課後、宙を飛ぶ」



・ひかりTVで先行動画配信されたドラマ。私立恵比寿中学が出演、ということなので円盤を買ってみたわけだが、脚本は今をときめく「おっさんずラブ」の徳尾浩司氏によるオリジナルである。

・で期待したのだが、やはり12分*12話の構成ってのは無理があった。前回あらすじに次回へのつなぎもあるので正味10分。各話であんまり展開がない。雰囲気的には、「町でうわさの天狗の子」的な、岩本ナオ作品っぽい空気感なんだけど。

・高校の天文部員が立入禁止となっていた屋上でUFOを発見する、そして同じタイミングでやってきた転校生を宇宙人と疑うのだが、そんな彼は天文部に入部を希望してやってくる。という枠組で始まった話が、まさかその枠組を壊すことなく展開するとは思わなかった。

・題材としては、あれは本当にUFOなのか、宇宙人はいるのか、宇宙に帰れるのか障害はあるのか、そもそもなんで宇宙人は地球に来たのか、宇宙人は何者なのか。それぞれ答えは用意してありきちんと触れられているので変な作品ではないのだが。

・途中で一度UFOを一回飛ばすアイディアは凄いと思ったが、宇宙人の目的となる連れ戻すべき相手についてはもう少し時間かけて描くべきだったのでは?伏線は天体観測のシーン含め確かにあるけれども。もっとガチな天文部にしたほうが面白くなったのかもしれない。

・オチ自体は想像どおり。そもそも事前プロモーションでネタバレしてるしねぇ…それと、宇宙人の設定がそれなら、そういうことになるわな、というラストは読めた。で、そこから特に展開なく、そしてドラマの終わりにありがちな感じで終わってしまうのは、ちと残念。まぁ、尺なんだろうなぁ、問題は。

君は放課後、宙を飛ぶ [Blu-ray]

甲殻不動戦記 ロボサン [Blu-ray]のほうが面白いと思う…最終回の蛇足感半端ないですけど。


舞台「また来てマチ子の、愛をもう止めないで」 @赤坂RED/THEATER

舞台「また来てマチ子の、愛をもう止めないで」 @赤坂RED/THEATER ¥6,500



・どこからどんな感じで芝居始まるのかな、ときょろきょろしてた私は擦れているのかもしれない…前の席だどきょとんとする始まり方かもしれないが、そんな席の方にはステージ見やすい以上のさらなる幸運が待ってます。はい。後方席で見ていた者としては羨ましい限りです。いや、それでもフルキャパ173席の小劇場、最後方でも秋田分校前方ブロックからステージ見ているのより近いのではなかろうか。

・話はテレビ版最終話から数カ月後を描くもの。ちょっとした騒動が何故か膨らんでいってしまう、という転がし方はテレビドラマ同様。まさかの勘違いを重ねまくり、テレビの設定を一部では存分に活用しつつも、一部では全くもって使わずに別の新しい設定を持ち込んで転がしていくことで舞台版らしいクライマックスに向かっていく。

・テレビ版見ている人にはとても楽しめる舞台版。ただ、シベリア少女鉄道らしさは殆どないかな。とはいえ、ある方向に向いて発せられた言葉が別の意味でもって取り違えられる、というのがそもそものシベ少らしさ、とするならば、らしい内容ではある。とはいえ、シベ少的にはタイムリープを重層的に積んでいき違う意味を持たせていくテレビ版のほうがより「らしい」気はする。

・役者さんみんないいけれど、仲義代さんがまさかの飛び道具的な使われ方で、芸達者さを見せつけていた。素晴らしい。 

・しかし公演が、水曜初日で開けた後に、木・金・土が休みで日曜から再開しつつ木曜は昼のみ、そして金・土・日は2回公演で終了、という不思議な日程。いや、事情は丸わかりで、木金土は主演女優が秋田でお仕事。でも土曜の秋田分校は公演時間早めで、小林歌穂嬢は最終の新幹線で当日に東京へ戻ったのか?木曜夜がないのは、近所のブリッツである中山莉子生誕祭を見に行くから、なのだろう。とはいえ12公演やるとはいえ2週間会場抑えてこの使い方は豪華な気もする。

また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ Blu-ray・BOX テレビドラマのブルーレイBOX。定価2万円税別。これを舞台版会場では7掛けかつ税込みの1万4千円で先行販売とお買い得!アマゾン見たら確かにそこまでは下がってこなそうだ。現金オンリーなんだけど、入場したお客さんが続々物販に並び、かつみなこのブルーレイを買っていくという、ええとこれ幾ら売上げあるんだろう?これは上手い売り方なのかもしれない。でも12月発売なのに現物あるんだ。 → また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ _ デジタル3ch テレビ神奈川
「また来てマチ子〜」開幕にエビ中・小林歌穂「マチ子ちゃんワールド全開」 - ステージナタリー


ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?@舞浜アンフィシアター

ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?@舞浜アンフィシアター  ¥9,500 



・「天使とジャンプ」を3rdアルバム4thアルバムの世界観でリメイクしたような仕上がりの舞台、DYWD。ジュークボックス・ミュージカル、と言われているが寧ろロック・オペラに近い。モノノフ必見。9500円の価値はある。

・キャパ2170席だが円形のホールで演劇仕様のため何処からも見やすく、 舞台ゆえに着席基本、音響も悪くなく、今回は生バンドでライブシーンもふんだん。通常のライブと比べて席やブロックによるストレスがなく堪能できる。 → 客席 _ 舞浜アンフィシアター

・ただしスクリーンは用意がないしサブステージもないので前方ブロックが当然神席。舞台が近いうえに演出上のお土産の期待もできるし途中入場 の邪魔も少ない。

・内容は、よく出来ている。設定は映画だと引っかかってしまうかもしれない緩いもので、ナマものの舞台だからこそ勢いで押し通せる代物。でも、それで良いのだと思う。

・ミュージカル的には、客演のレベルに助けられている感じが強い。 妃海風 さん、 シルビア・グラブ さんはじめ、いい人に出てもらったな、 という印象で、キャスティングを称賛したい。

・圧巻は彼女たちプロにももクロナンバーを歌ってもらう場面。普通の考えだと1コーラスなどサイズを刈り込みそうなところ、二人の歌唱部分はすべてフル尺で用意されており、構成の非凡さ優秀さを感じる。プロフェッショナルが歌うももいろクローバーZには別種の魅力がある。10周年にカバーアルバムを出すという手もあったのでは、と思わせる素晴らしさだった。

・惜しかったのは、新曲お披露目の面も持つ当公演で、その新曲が、どれなのか、内容含めてピンと来なかったこと。こういう場面で目立つ曲になっていないのが残念。「天使とジャンプ」における「JUMP」になっていなかった。

舞台「タイヨウのうた 」に比べて企画も何もが素晴らしい。とはいえ、あちらは 柏木ひなた さん凄い!ということに加えて、仕掛けは優秀。ジャニーズのふぉ〜ゆ〜+スターダストのひなた+知名度の高い原作を用意することで複数のファンが集まりそれぞれを発見する仕掛けがあった。

・翻って本作の場合、ももクロのミュージカル、という売り方をしたので、ももクロファンのモノノフしか来ないものになってしまっている。だからこそ送出側は安心してモノノフに対したプレゼンテーションに徹することができ、寄り添うところと別の視点から見せるところとを設計した演出を見せた。客もサイリウムを振ることが許され歓迎される素敵で特殊な観劇体験となっている。

・しかし、ももクロ以外にももクロの魅力を広めたいのであれば、これは、誰々がももクロナンバーを歌う!という売出しが必要だったのかもしれない。できが良いだけに、ファンのための演目にとどまっていることは勿体無い。

・逆にこのフォーマットを使ってももクロメンバーが出ないというパターンを考えてもよいのかも。3B junior のミュージカル俳優育成用プログラムとか。 ちゆちゃん がスタダに残るのであれば彼女を起用しても・・・。

・曲の構成は、要所要所以外は、さほどぱちっとはまった感じはなく、逆にいえば要所の抑え方は天才的。最初と最後、そしてももクロ以外が歌うナンバーの選定は、見事だった。

・でもこの話、ももクロだからできるんだよね。 エビ中 だと別の意味持っちゃうので。まぁ、エビ中だけはできない、って言い方のほうが正しいんだけど。

・それと、夏菜子はバカである、という共通認識に基づき出来上がっているお話なので、その点でももクロとモノノフの関係性でないと成り立たない設定ではある。ちょっとそこに甘え過ぎな感じはしなくもないですが。

チケットぴあ

「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」(ドゥユワナダンス) _ チケットぴあ[演劇 ミュージカル・ショーのチケット購入・予約]
PARCO Production 『ドゥ・ユ・ワナ・ダンス_』_公演_舞台のチケット情報・販売・購入・予約|e+(イープラス)


舞台「タイヨウのうた〜Midnight Sun〜」@なかのZEROホール

舞台「タイヨウのうた〜Midnight Sun〜」 @なかのZEROホール



・難病ものフォーマット。色素性乾皮症(XP)という、陽の光の中では行動できない制約を活かした話、のはずだが、舞台だと臨場感がなくファンタジー感がますます増すことになった。

・正直、困る。役者さんはそれぞれ見せ場があり、ジャニーズの皆さんは芸達者。柏木ひなたさんは、声がいい。見に行っているのはファンである。だから、なにかいいものを見たような感じで帰っていく。しかし、なぁ。金かけたお遊戯会というか学芸会というか。

・話の肝である難病について、冒頭にセリフで説明するという、私がこの世で一番嫌いな類のオープニング。まぁ見に行っている皆が知っている 設定だから、皆さんご存知の、ということで飲み込めよという話なのか。

・一方で、スクリーンを使った演出は面白かった。花火は素直に良かったし、サーフィンは笑うところかと思いつつ辰巳雄大さんの格好いいところを大写しで見せるというのは観客サービスとしてもありだと思った。

・ひなたの歌も何度となくあり、ただワンコーラス程度のものが多く、綺麗な声で歌うので、観客の胸ぐらをぐっとつかむようないつものひなた節ではなかった。いや、いいのよ、充分いいんだけどね。彼女の歌はもっともっとすごいんだけどな、と。もったいなさも感じた。新たな魅力ではあるかもしれないが。

・楽曲は作品オリジナルなのかな?皆が知っている曲が出てくるわけではない?いやごめんなさい映画もドラマもちゃんと見てないので。でも この話のオリジナルは香港映画の『つきせぬ想い』らしく、そのリメイクの『金枝玉葉』含めて当時観てます。その時も、もやっとぼやっとした印象でしたが、女子ウケは良かったような。

・『タイヨウのうた』といえば、のギター女子設定は、弾けないひなた主演でもそのままやるの?と思っていたら途中はバイオリン伴奏でギター持ってもいなくて、じゃあギター最初からいらないじゃん!と思いつつ、難病発症のシーンの小道具で必要だったということか。いや、違うな、それ、キャンドルでいいものな。あのギミックは、YUIだから成立したので、弾けない子には要らないんだよ。

・話のテーマとしては、大事なものは伝えておかないといけないよ、ということかな。エビ中としては身近で感じ続けているテーマだろう。そういう意味でもこの役は確かに柏木さんに向いていたようには思う。安本彩花さんでも良かった気はするが。舞台というと、シアターシュリンプではキレキャラだった柏木さんが普通の役を演じたのは良い機会だったのかもしれない。

・しかしまぁ、友人の美咲ちゃん(演じるは高嶋菜七さん)は人間出来過ぎだろう。ご都合主義ともいえるが、彼女と祖母(高橋惠子さん)の役は天使の域。こういうフラットキャラクターを用意しているのに、主人公たちも割とフラットな性格づけというところが、話を薄くしているのだが、まぁ、この話で厚くされてもなぁ、なので良いのか。

・最後は舞台ものらしく、ぼやっとした話に発展というか雲散霧消させて終わらせる。綺麗なようでもやもやした感じで客は席を立つことになる。いや、カーテンコールあるのでそこでなんかもう良かった感じになっちゃうんだよな。

・ところでこの舞台、エビ中の曲を一曲でも突っ込むのがこういう場合の筋なんじゃないかと思うのだけど。そういうものじゃないの?




シベリア少女鉄道<シベリアクラシックアーカイブス> vol.3’ 『今、僕たちに出来る事。あと、出来ない事。from 2001 to 2018。』 @赤坂RED/THEATER

シベリア少女鉄道<シベリアクラシックアーカイブス> vol.3’ 『今、僕たちに出来る事。あと、出来ない事。from 2001 to 2018。』 @赤坂RED/THEATER adv.¥4,000

・楽日まで待ったのでもう書かせてもらうが、今この話をリメイクする意味がいま一つわからなかった。

題名のとおり、脚本的に、それとバジェット的に、出来ないことがある、という話。だとすると、無名の新進劇団であれば笑ってもらえるネタだが、いまのシベ少がやる題材ではなかったのではないか。

複数の時代を舞台に、映画、演劇、それと宇宙の話がそれぞれシリアスに展開される。そのシリアスが笑いに転化するのがシベリア少女鉄道だと思っているが、本作はその笑いへの転化がゆるく、不発だった。

今回の仕掛けは、いや、もっと普通にできるだろ?という疑問が湧いてしまう。シリアスな話が組み合わさることで別の意味を持つ、というこれ以降のシベ少演劇に打ちのめされて他の演劇を観なくなってしまった身としては、特に魅力を感じなかった。この次の「栄冠は君に輝く」から更に続く「耳をすませば」の度肝の抜き具合を聞いてシベ少に興味を持っただけに、本作の肩透かし感ったらありゃしないわけで。

双子や似ている俳優がおらず似せることも難しい、さらに人員の制限もある、という前提がないとこの演目は成立しないだろう。例えばこれがシアターシュリンプの演目で、エビ中メンバーだけでやる縛りがあり、キャストの人数に限りがある、ということが観客にも自明であれば通用するが。

参考記事:
「今、僕たちに出来る事。あと、出来ない事。from 2001 to 2018。」感想:シベリア少女鉄道 - 郵便配達は二度チケットをもぎる
『あのっ先輩…ちょっとお話が……ダメ! だってこんなのって…迷惑ですよね?』というシベリア少女鉄道の新作_スローリィ・スローステップの怠惰な冒険 - ブロマガ 本作とは関係ないが、シベ少の魅力を解説した素晴らしい内容。

ところでシアターシュリンプについて触れたのでそのことも。土屋亮一氏と私立恵比寿中学でやった劇団企画。2015年に第一弾、2016年に第二弾。2017年も第三弾が発表されていたものの松野莉奈さん逝去を受けて中止。2018年は企画の発表がなされていない。メンバー2減だからね。とはいえ2017年はシベ少芝居に安本彩花さん出演、tvkドラマでは土屋さん脚本で小林歌穂さん主演と繋がりは続いている。その二人の師弟コンビが最新のシベ少公演月曜日の回を観に来ていたらしい。ぽーちゃんの笑い声をBGMに観たかった気もする。

エビ中はライブを見てもいまいちハマりきらなかったのだが、この円盤を見てやられた。もともとシベリア少女鉄道は見ていたのだが、本作はそのシベ少の手法のうち、すれ違いが増幅していくという面を引き延ばしたもの。なので話の流れはシンプル。お笑いを見る感覚でいける。

シベリア少女鉄道は著作権版権的に映像化NG案件ばかりな中、市販できる内容ということもあり、シベ少ファンはもちろん、ちょっと興味があるひと、コント好きなひとなど、エビ中ファン以外に特におススメ。特に一作め=「シアターシュリンプ☆第一回公演「エクストラショットノンホイップキャラメルプディングマキアート」 [Blu-ray]」(今なら2,194円で買えちゃう!そして今見返して見たが二度目でも楽しめる!)は出色の出来。別にももクロちゃんの『幕が上がる』のアンサーとは思わなかったがなるほど設定を考えればパロディにも見える。学校の演劇部を舞台に、熱心な先輩OBと、実は大会出場などしたくない現役と、しかしそこで一芝居うったことに気づかず演劇部に入りたがる部外者が出てきて、表と裏と、皆の思惑が錯綜しててんやわんやする、という話は普通に面白い。2作目=「シアターシュリンプ第2回公演「ガールズビジネスサテライト」 [Blu-ray]」は期待し過ぎたかな、中軸となるものがちょっと薄すぎた。シベ少は、中心になにか別の作品なりテーマなり明確な壊すべきものがあったときが一番ぴったりくる。

それにしても両作品とも話のキーパーソンというかハブになるのが ひなた という設定は、ああ、彼女が一番器用だと思っているんだなぁと。そして、トリックスターが りななん で彼女を暴走させて転がすってのも同じ。ぽーちゃん を戸惑わせて顔芸させるのもベースか。逆にいえば一作めと二作めで役割が違う ぁぃぁぃ は引き出しが広いって思われていたんだろうなぁ。飛び道具が2枚抜けてしまったのはしんどいか・・・。 3作目も見たかったが。



過去記事 → 2017-12-09_シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり>残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム! 

シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり>残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム! 

シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり>残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム! @サンシャイン劇場 ¥5,000

・安本彩花(私立恵比寿中学)と中島早貴(ex.℃-ute 私にとって彼女はex.「Pリーグ」の人)が出演する演劇、ということで見に行った・・・という人の感想はどんな感じなのだろうか。検索してないけど。 私はかれこれ10年ぶりのシベ少観劇。そんな立場の者の感想は、「相変わらずだなぁ(苦笑)」いや、ほっとした。このキャストでも、やることあまり変わってなくて。逆に、演技に依存した部分が出てきたのは、よい変化なのではなかろうか。一方で、もっとなんかできんじゃないの?と思う部分もある。期待が大きいとも言う。

・チケットをとろうとして公演の不思議な日程にカレンダーを見返した。木、金は20時開演と遅め。土曜2ステージはともかく、日曜は何故か休演、楽日が月曜で13時と17時。え?月曜って祝日だっけ?と困惑。日曜ってエビ中なんかあんのか、と思ったらなんか握手会終日やってるね・・・。

・内容は、公演中なのでねたばれするのは良くないが、壮大なコント。まぁいつも通り。そして、DVD化はたぶん無理。版権的に。それもまぁいつもの通り。 序盤はいつの時代か、忍びの親子の話を描くシリアスパート。正直面白くはないが、アイドルふたりをコスチュームで魅せるというパートにはなっている。とはいえ、シベ少を見に来ているひとたちは、まぁええからとっとと次いこう次、本題入ろう、と思ってみていたことだろう。とはいえどこまでじっくり見ている必要があるのかな、という懸念があるので寝ているわけにもいかない。

・枕としてはそこそこの尺をとり、とはいえ二本立てという体ではかなり早めに後半にはいる。残雪の轍はずっと続いていく、というフリが伏線。セット転換で、2階建ての建物のなか。舞台は女子寮という仕立て。客演のアイドル二人は当然後半も登場。別の役名になっているが、前半と繋がっているという設定なのが次第に見えてくる。

・後半は、前半関係なくコントとして笑えるものに仕上がっているところが白眉。 どんどん展開していく内容を、交通整理する柱として女子寮の管理人というか 主を用意したところが上手く、それが出来る役者として篠塚茜さんが存在しているというのは、今のシベリア少女鉄道が安心して見ていられるところだろう。声が通るうえに心地よい彼女の存在が、実験的なコントであるシベ少演劇の屋台骨を支えている。

・後半部分に前半部分を投入し、前半部分のキャラクターの言動が後半部分のキャラクターに影響を与えていく、というタイムパラドックスネタをダイレクトに落とし込む。お笑いでもここまで手の込んだことしてるところはほぼない。

・とことん暴走させて終わりかな、と思っていると、その暴走の行きつく先は想像できなかった。伏線は一応使っているけれども・・・。見に行く前に読んだブログで、二本立て、で題名に「シベリア劇まつり」、なのでこれは東映まんがまつりあたりが念頭にあるのではないか、というのを芝居が始まる前に書いていた シベリア少女鉄道 vol.29 <シベリア劇まつり> 『残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!』@池袋サンシャイン劇場 - ももクロ&アイドル blog の読みは凄い。まぁでも、あのオチは唐突感はあった。まぁ一応、キャラクターと小道具で色々前フリはしてあるっちゃあ、あるけどさぁ。

・シベリア少女鉄道の芝居をネット上で調べても筋の説明がなく、凄い!という評しかないのは、説明しづらいっていうか全部説明するとネタバレになるし、ネタバレちゃ面白みがなくなるし、そして文字で説明したってどうしたって面白くなくなるって類の面白さだから。でも映像アーカイブ化は絶対にされないので、文字で残す必要はあると思うんだけれど、それが出来る方はリテラシーあるので公演中は書いちゃいけないと思うし公演後も再演あるとあれかなって遠慮しちゃう。いや、再演のことは私ら観客は気にしなくていいと思うんだけどね。

・とりあえず言えることは、物語を一本だけでおわらせず複層的重層的につくり、それが映画のグランドホテル方式というよりはタイムパラドックスものを更に面倒にしたもので、かつ小ネタをこれでもかと放り込み飽きさせない、というのは、 小劇場系のお芝居の中でもかなり手間暇かけた代物で、しかもそれが芸術のほうに全く向かっていない、というのはやはり稀有な存在であると思う。っていうか演劇のほうにさえ向かっているように見えないから、そりゃ演劇界にほかにいないわけで。




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