【オススメ】 杉谷庄吾【人間プラモ】/映画大好きポンポさん


映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ)

■【オススメ】映画の愛に溢れる、元気の出る作品。

こちらも一巻完結ながら マンガ大賞2018ノミネート 作品。アニメ製作会社で深夜アニメの企画として 作ったものを漫画にして公開してみた、という 経緯からして珍しい。


内容は、先に紹介した 森田るい「我らコンタクティ」 同様、スーパーマン的な能力のある人の話である。 一巻完結で疾走感ある読み応え抜群の話に仕立てるには、 ある程度のチートというか事前準備が必要、ということか。 なにせ、大プロデューサーの孫がヒロインで、映画的な素養と 人脈とカネがある。でも作る映画はわかりやすいB級もの。 でもそうした映画できっちりと感動させる。


これは、映画とか物作りに興味がない人は、肩透かしにあった 感じになるのだろうなぁと思う。すべて持っている人の話じゃないか、と。 一応主人公は新人のアシスタント・プロデューサーではある。 ただ彼もお膳立てされているので成功が確実視されてるじゃないか、 的な。いや、お膳立てされた中で、作品を発表するほうが しんどいんだってば。主人公は、成功させなきゃいけない、 と八方美人になりかける。でも、そこで、自分が見せたいたったひとり のために作るべし、とアドバイスを受け、原点に立ち返る。 そのアドバイスで作れてしまうのが才能ではあるのだが。 そんな才能ある主人公だが、彼は自分には映画しかない、 と思い込んで追い込んでいるのだ。


という具合に、物語としてもよくできている。 これを面白く感じないというのは、ルーティンの中でベストを尽くす、 突き抜けた良いものを作る、ということに興味がないってことなのかもしれない。ちなみに本作は、各登場人物に好きな3本の映画をあげさせている。 これは、何を選ぶかが、自己紹介になっている。まぁSNSのプロフィール欄と同じですかね。シネフィルだとより楽しめる仕掛けになっている。 映画を知らなくても解説ページがあるのは親切。


私の場合、就職活動時に言っていた好きな映画3本は、 『トゥルー・ロマンス』に『ワイルド・アット・ハート』に 『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』、 愛すべきバカ映画という括りでした。映画館を出て来る時の気分は たぶん同じになる映画じゃないですかね。トニー・スコットというかクエンティン・タランティーノ 、デヴィッド・リンチ、アキ・カウリスマキそれぞれ好きですが、本作は他とは毛色がやや違うのもまた良いところです。


で。本作は、1シーンを撮るために映画を作っているのだ、 というのが話の中心なので、なので、あのカラーページに 共感共鳴できれば、それでもう成功、っていう構成なんだと思う。 まぁ漫画とか本とかっていうのは映画とは違う感じもするが、 一巻完結本を買うのは映画見るのと近いのかな。


【データ】
杉谷庄吾【人間プラモ】
映画大好きポンポさん
【発行元/発売元】KADOKAWA / メディアファクトリー (2017/8/26) 【発行日】2017(平成29)年月日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ 映画大好きポンポさん (MFC ジーンピクシブシリーズ)

ポンポさんは敏腕映画プロデューサー。映画の都ニャリウッドで日夜映画製作に明け暮れていた。ある日アシスタントの“映画の虫”ジーンはポンポさんから突然「この脚本は君に撮ってもらうから」と監督に指名され!?



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【オススメ】 ワキサカ/アイちゃんとえほん


アイちゃんとえほん (ビッグコミックス)

■【オススメ】著作権フリーなパブリックドメインを活用したパロディだが不条理に落とさずきちんと話を回収する、こういうのは大好き。

アイちゃんが借りてくる絵本をせがまれて読み聞かせする父親視点のお話。 ポイントは、その絵本の内容がかっとんでいること。 絵本のパロディでもあり、それに適切なツッコミを父親が入れていく 漫才コメディでもある。なお、アイちゃんやアイちゃんのお母さんの キャラクターも結構とんでいてボケ役風味。


ももたろうに始まり、あかずきん、つるのおんがえし、おおきなかぶ、シンデレラ、わらしべちょうじゃ、しらゆきひめ、さるかにがっせん、ガリバーりょこうき が題材に。ちなみに描きおろしであるガリバー旅行記は原典が長いということもあり、それと内容を入れ子構造にしたことで逆につまらなくなってしまった感があるが、他の8編はすべて楽しめた。


描写が妙に文学的であったり現代的であったりするところから、 ずらしの笑いが生じていく内容はツッコミ待ちのボケネタという感じ。 ただ、それを不条理方向にオチを持っていくのではなく、 話全体を回収する方向の内容になっているのが凄い。 初手から桃太郎ネタの展開の仕方に感動。 全盛期の三谷幸喜芝居的というか。まぁそれくらい強引で綺麗すぎる まとめなのだが、三谷演劇より凄いのは、それを客観的に引いた視点で 冷静に評価する父親の存在があるからか。


こういう明るく人畜無害でバカバカしいものは当サイトの好みだが、 ビジネススキーム的にも、絵本、という誰もが知っていて誰でも 合法に利用できるものを活用した作品はアイディアとして素晴らしい。 本当は文化ってのはこういう形で、自由に先人の功績を 利用して転がしていくことで成長していくのだが、 著作権だ商標権だなんだで利権を要求する社会では 文化の成長はおそらく停滞していくことだろう。 著作権などは大企業に対する牽制として発生した権利のはずだが、 それを大企業が利用することで結果的に新たな文化の育成を 制限することになってしまった。ディ●ニーなんかのことを 言っているわけですが。彼らもよそから持ってきたものを転用 して商売にしてきたはずなんだけどねぇ・・・。


著作権フリー、パブリックドメイン的なものでないと 自由には使えない。著作物だとその辺は厳しい。 演劇芝居の類だと、まぁ案外どうにでもなってしまうわけで、 だからシベリア少女鉄道なんてものが成り立ったりするわけだが、 ああいうものが好物な身としては、 いろいろうるさい世の中はせちがらいと思いつつ、 一方で凡才でもメディアが持てる現代は、 単なる転載、海賊版でカネが稼げる時代でもあり、 才能あるものが文化的な制作物として使う場合には認めるべき、 的な線引が難しくつまりは実際の運用が困難な主張にならざるを得ず、 まぁ色々大変というか、でもこの状況が続けば文化は遅かれ早かれ 自滅するだろうね、と思いもする。


ともあれ、本作は面白かった。不条理展開で落として終わり、 という一時期天才たちが切り開き凡才がそれでいいのかと真似し始めたことで 飽きられていった類のお笑いと違い、 この手のオチのある展開は才能がない者には真似ができないので 飽和しようがない。 コメディセンスが非常に好みで、 著者の次作があるなら是非読みたい。


【データ】
ワキサカ
アイちゃんとえほん
【初出情報】スピリッツ増刊ヒバナ公式twitter(2016年〜2017年) 【発行元/発売元】 小学館 (2017/12/12) 【レーベル】ビッグ コミックス ヒバナ 【発行日】2017(平成29)年12月17日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ アイちゃんとえほん (ビッグコミックス)

みんなの大事な昔話が、えらいことに!
アイちゃんは絵本が大好き!今日も、お父さんに、幼稚園で借りてきた絵本を読んでもらいます。 「むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんが すんでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは4ストローク998CCのモンスターマシンに」…。 「こんにちは、あかずきんちゃん」「あっ! あなたが噂の変態ロリコンオオカミさん?」……。 どうやら、アイちゃんが借りてくる絵本は、なんだか、えらいことになっているようです。 そして、その背後には、様子のおかしい一人のおばあさんの存在が!!
えらいことになっている昔話のラインナップは、「ももたろう」「あかずきん」「つるのおんがえし」「おおきなかぶ」「シンデレラ」「わらしべちょうじゃ」「しらゆきひめ」「さるかにがっせん」「ガリバーりょこうき」! えらいこっちゃ!!



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【オススメ】 河内遙/リクエストをよろしく


リクエストをよろしく (1) (FEEL COMICS swing)

■【オススメ】 ラジオの話は 沙村広明「 波よ聞いてくれ 」 という怪作が今はあるからなぁ、と思って読んでいたが、 こちらはオーソドックスな傑作だった。

ポータブルなラジオを聴いている男性が主人公。 事務所に入りお笑いコンビを組んでいたが、相方が解散したい、 表に立つのはやめようと思う、と言い出した。 以来、彼はお笑いから足を洗うタイミングを失ったまま、 仕事は減りバイトの割合が増えていった。 そんなある日。彼の部屋の扉を叩き続ける音がした。


まぁ、来たのは相方で、スマホを使いこなせない主人公が 連絡もうっちゃっていたので結果シカトしている状態になっていた、 という前フリ。相方は自分が表に出るのは向いていないと 考えただけで、構成作家の仕事に自身の道を見出していた。 そして相方は、表に立つパートナーとして、主人公を使っていこうとする。


売れてはいなかったが、それだけの魅力が主人公にあるという話。 なのでこれは、才能を見出されて伸びていく類のスポーツものと 構造は近い。誰にでも受け入れられるし、話を回す天然の際があり、 華もある。なので注目していた業界人もちらほらと。 その天然さは作品で余すところなく描写されるので、 読者も納得しつくすほど伝わる。ここが本作の素晴らしいところである。


とはいえ 当人がまだ自身の魅力を認識していない。 なので周りが彼を盛り立てていこうとする。 これは、面白い。そんな彼を活かす場所として ラジオを設定したのは、いまのテレビの状況じゃあ 確かに説得力ある展開はしようがないからか。


フィクションならではの偶然を交えつつ、 転がしていく話は、これは佳作傑作で、 祥伝社作品なので電子版発売が遅い分 読むタイミングを失っていた。 続刊も電子版は2巻まで→ リクエストをよろしく (2) (FEEL COMICS swing)


【データ】
河内遙 (かわちはるか)
リクエストをよろしく
【発行元/発売元】祥伝社 (2015/10/13) 【レーベル】FEEL COMICS swing ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ リクエストをよろしく (1) (FEEL COMICS swing)

売れない芸人・ソータの爽快ラジオパーソナリティ物語! 「こいつにはラジオの才能がある。」 売れない芸人・朝日屋颯太(あさひやそうた)は相方に逃げられ仕事がない! そんなある日、半年ぶりに現れた元相方が放送作家になって美人ディレクターを連れてきた。2人の手引きで颯太はラジオ業界に足を踏み入れるが…!? 超マイペース男とくせ者だらけのラジオ局の爽快ラジオ群像劇!!


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【オススメ】 遊知やよみ/福家堂本舗 弐


福家堂本舗 弐 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

■【オススメ】 2000年に完結せざるを得なかった「 福家堂本舗 」の巻末ですでに描かれていた話 の続きを17年経って続編として綴り始めるとは気が長いというか執念というか お導きというか。実写ドラマ化さまさまなのか、いや続編あっての ドラマ化だったのだろうなぁ。ちなみにドラマは結局いまだに見ておらず。 Amazonプライム会員だし早見あかり主演だし見られるし見たいと 思いつつもなかなか。→【Amazon.co.jp限定】福家堂本舗-KYOTO LOVE STORY-(DVD-BOX) 初回限定版・・・ そして著者の練度はますます上がり、 本作は前作以上の読み応えに。

京都の老舗和菓子屋。前作でガサツだが味覚と和菓子のことに ついては抜群だった次女が店を継いでいる。そして 前作巻末にもあったように子供が・・・あれ?なんか5人もいるぞ・・・。 親である次女は双子の男子に店を継がせたがっていたのだが 野球の道を進みたいとノンプロに。そこでそもそも継ぎたいと思っていた 双子の女子が主人公として続編の物語を背負う。


ヒロインは非常にがさつで自由で人情に厚くて明るくて、 「お父ちゃんが言うことにはお母ちゃんの若い時にそっくりだとか」 ということで、なんだ前作と同じじゃないか、時代を替えての 焼き直しかと思うところである。


が、勿論そんなことはない。ではどういう作りか、というと 家の養子的な人物となっている男性がおり、有名大学を卒業しつつ 店に入っている。和菓子つくりにも真摯で腕もセンスもある。 ただし彼が養子になるかどうかにあたってヒロインが抵抗したという 過去もあり、二人の仲はややぎくしゃくしているような。 しかし彼にとっては特に飾り立てもせず素直に接しられる相手が ヒロインである、ということも解ってくる。


とはいえ、こんな話か、なんというか「 3月のライオン 」ではないが、あれはあれでいいとして、いや、遊知やよみ作品 に求めているテイストは寧ろ突き抜ける陽気さが裏打ちする女性の強さ なんだけど、たとえば「 これは恋です 」なんかが大好物なのだが、 と勝手なことを思いながら読んでいたのだが。 終盤にかけて、これは!という展開になった。


ヒロインの才能は、人間関係を見抜くこと。そして、 何をどうつつけばどう動くかを見極めて働きかけもする、 それも京都という閉鎖的な土地柄にあった外交能力。 そしてその能力に両親も気づき、ヒロインが店を継ぐ未来に ワクワクしてくるというところで巻またぎという、幸せな 展開である。


登場人物は多く前シリーズを読んでいたほうがこの人はアレだな、 とわかる愉しみが増えるものの、基本的に新しい世代が話を 回していくので、ここから読み始めて面白ければ前作に遡るでも問題なし。 というか前作が頭に入っていなかったので まずはそちらを再読してからと最終巻を今一度 読み直してみたが寧ろ余計に混乱したので、 よほど読み込んでいる人だけが楽しめる要素が別にあるが ここから読んでも十分という、なんだ、京都という町を体現したような 作品なんじゃないか、これは。 問題は一点だけ。続刊出るの?これ。なんか話まとまっちゃってるし、 連載続いていないという話もあるようだけど・・・。


【データ】
遊知やよみ (ゆちやよみ)
福家堂本舗 弐
【発行元/発売元】集英社 (2017/8/25) 【レーベル】マーガレットコミックス 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→福家堂本舗 弐 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)

創業四八〇年の老舗和菓子屋「福家堂本舗」。当代とって十八代の歴史を持つこの店は、伝統の根付く京都で厚い信頼を集めている。そんな福家堂の跡継ぎを目指す店の長女・ふぶき。しかし母には反対され、優秀な兄・彦一郎とは不仲。ふぶきが跡継ぎとして認められる日は来るのか──?


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【オススメ】 柳田史太/トモちゃんは女の子!


トモちゃんは女の子!(1) (星海社コミックス)

■【オススメ】 すれ違い系だがイチャイチャ、という 考えてみれば異色な内容を成立させた設定が見事。

そういや5巻まで出ちゃっているのか。レビューしていなかった ので今更ながらご紹介。


冒頭から告白シーンで始まる4コマもの。 「おまえのことが好きだ!」と告白したヒロインに対して、 幼馴染の男子は「今さら何言ってんだよ」「俺も愛してんぜ!親友!!」 と返すという、ある意味地獄のような展開。 ヒロインは全く女扱いされていないのだった。


そんな幼馴染もの。男っぽくて空手もやっている武闘派女子、 だがそのボーイッシュさは女子にも人気で、 一方ではグラマラスなスタイルでもあるので男子受けもあるという、 この手の女の子の設定としては破格の待遇である。


そして、女扱いしていないがゆえに親友の幼馴染は、 同性の友人にしてくるかのようにボディタッチが多い。 ・・・いや、これは漫画ならではじゃないですかね。 男同士でそんな接触多くないと思うんですけど。 まぁBL的目線ではよくある話なんでしょうが。


女の子のほうは最初告白はしたもののスルーされたので その後はそんなに積極的にもなれず、一方で さすがに周りがやいのやいのと言うので、 男子のほうは意識をしだす。まぁハナから一緒になって 当然の仲だと思うのだが、なんか巻末に爆弾が投下される。 爆弾っていうか不発弾を見つけてしまった感じか。 え?と思わせる引きで、これはお見事。→ トモちゃんは女の子!(5) (星海社COMICS)


【データ】
柳田史太 (やなぎだふみた)
トモちゃんは女の子!
【発行元/発売元】星海社/講談社 (2015/10/8) 【レーベル】星海社COMICS 【発行日】2015(平成27)年9月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ トモちゃんは女の子!(1) (星海社コミックス)
好きな男子(ひと)に“女の子”として見られたい!!ボーイッシュな女子高生・相沢智(トモ)は、幼なじみの久保田淳一郎(ジュン)に恋してる。だけど二人の関係は“大親友”で、トモはジュンに全く“女扱い”されてない……!“ボーイッシュ女子”学園ラブコメ4コマ、描き下ろしを加えて待望の単行本化!


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【オススメ】 伏瀬、川上泰樹、みっつばー/転生したらスライムだった件


転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)

■【オススメ】 なるほどこれは確かに面白い。転生したら異世界でスライムに なっていたという話を、芸のあるコミカライズで魅せる。

37歳独身童貞の主人公は事件に巻き込まれて瀕死状態に。 そこで次生まれ変わったら喰いまくってやる、いや 30歳童貞なら40歳目前の俺は賢者か?もっと粘れば大賢者に なれたのでは?などと思っていると、「捕食者」「大賢者」 のスキルを得ました、進化しましたというナレーションが 頭に響いた・・・そして、彼は目覚める。しかし、 ベッドの上で生き返ったわけではなかった。


人間としての記憶と頭脳を持ちながら、スライムとして 転生した主人公の話。この冒頭部分は絵で見せなくてよい 小説ならではの構成となっているが、それを丁寧に 漫画にしたのはライトスタッフによる仕事と言えるだろう。 SF的な複雑な設定をさらっと読ませる。 まず最初に勇者に封印された竜に出会い、しかし彼と 仲良くなり友達になるという設定まではまぁなくはないだろうが、 その彼を解放するためにとる手段は、本作の主人公の キャラクターをよく説明した見事な手法で、この発想が素晴らしい。


その後、捕食しスキルを身に着けながら洞窟を出て旅に出る。 ゴブリンの村では、守り神だった龍が突如消えてしまったために 近隣の魔物たちが縄張りを拡張に襲いに来るという。 その龍は件の友達となったものであり、スライムはこの村を助けることにする。


その後の流れは、スピーディ。短すぎない適切な長さで次々と エピソードが流れていき、読み手は話に引き込まれていく。 エピソードを引き伸ばす 類のマンガが多いなか、この作品はテンポが良いく、すごく好み。 同名作品をスピンオフさせたコミカライズのほうは 同人誌的で作品世界を知らないと面白がるポイントがさっぱり わからないような仕上がりだったが、本作は原作のことなど 全く知らなくても楽しめるものになっている。


コミックは最新が5巻まで出ています。→ 転生したらスライムだった件(5) (シリウスコミックス)


【データ】
原作=伏瀬(ふせ)、 漫画=川上泰樹 (かわかみたいき)、 キャラクター原案= みっつばー
転生したらスライムだった件
【発行元/発売元】講談社 (2015/10/30) 【レーベル】シリウスKC 【発行日】2015(平成27)年11月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス)
WEBで1億4000万PVの異世界転生モノの名作を、原作者完全監修でコミカライズ! 巻末には原作者書き下ろしの短編小説を収録した、ファン必携の単行本いよいよ発売!


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【オススメ】 西倉新久/HOTER R.I.P.


HOTEL R.I.P. 1 (A.L.C. DX)

■【オススメ】 死後の世界、成仏できない人のためのホテルを舞台にした話。 設定にアイディアあり。

不慮の死を遂げた人を優先して受け入れる、死後の世界にある ホテル「HOTEL R.I.P.」、ここでは 古参客の自縛霊にならないよう、死を受け入れる手助けをしている。 新たにやってきたのは、16歳の若き競泳選手。 交通事故に巻き込まれ死亡してしまったのだった。


岡崎二郎 的な、と思ったがSFや科学的な色彩はないので ビッグコミックオリジナル的なというべきか。 ホテルの支配人のキャラクターはやや露悪的で 「 あいの結婚相談所 」や「 弁護士のくず 」に雰囲気は近い。


死後の魂が成仏するまでの話というのは 割りとよくある物語。 ただし本作では一つ、アイディアがあった。


それにはホテルという設定が効いている。 死者にツインルームを割り振り、他の人物と 相部屋になってもらうというもの。 これで両者が親しくなり、それぞれの心残りを解消していく、 という構成は人情もの。だが内容にはいやらしさがない。 もう少し絵がこなれていたら相当賞賛される作品となったのではないか。


読み切り連作なのでエピソード作りは かなり大変だと思うが続刊が出ることを期待しています。


【データ】
西倉新久 (にしくらしんく)
HOTER R.I.P. (ホテル レストインピース)
【初出情報】エレガンスイブ(2016年)、Championタップ!(2016年、2017年) 【発行元/発売元】秋田書店 (2017/8/16) 【レーベル】A.L.C. DX 【発行日】2017(平成29)年8月25日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ HOTEL R.I.P. 1 (A.L.C. DX)
死者限定ホテル「R.I.P.(レストインピース)」の宿泊ルールは「すべて相部屋」。互いの心残りを消せればチェックアウト。ホテルの一室で出会ったふたりの死者は…。


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