青木祐子、森こさち/これは経費で落ちません!〜経理部の森若さん〜


これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~ 1 (マーガレットコミックス)

■もっとテクニカルな内容かと思いきや、 社内ラブコメものだった。

きっちりかっちり仕事をこなし、「イーブン」「差し引きゼロ」 という言葉が好きな経理課の女性が主人公。「数字は合っています なんの問題もありません」が決め台詞。そんな彼女が一枚の領収書に 気をかける。


営業部のエースが定時を過ぎて持ち込んできた領収書。 取引先とのものだが但し書きが「たこ焼き代」。 その後も「テーマパークのチケット代」が提出され、 それは私的利用なのかどうなのか。 言葉数多くまくしたてる必死な雰囲気は気になるし、 彼とデートしていたと言い出す彼女も現れる。 さて真相は。


題名から、経理部の人が推理を働かせて 経費の使いみちをジャッジしていく話なのかと思ったが、 もっと会社に軸足おいて、ヒロインと営業部員との 進展しない恋愛ものだった。 とはいえこれはこれで良し。


きちんと計画してきたヒロインが、 その原則を破らなければ違う人生は歩めないのか?イレギュラーな ことが起こっても元に戻そうとしていたら大事なタイミングが 消えてしまうのか?と思うところや イレギュラーな対応に処理できなくなってしまうところは うぶすぎるが、少女漫画的ではあり、 この作品にコミカライズは向いていそう。原作はこちら→ これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)


【データ】
原作=青木祐子、マンガ=森こさち
これは経費で落ちません!〜経理部の森若さん〜
【発行元/発売元】集英社 (2018/11/22) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~ 1 (マーガレットコミックス)
#1 たこやき代は経費で落ちますか? 営業部のエース・山田太陽が持ってきた、2枚の領収書。私的に利用した疑惑が上がり、真相を探ろうとする森若さんだが…? #2 160円と、公開土下座。 物販の金額に、プラス160円の誤差が発覚。試用期間中の受付・大谷咲に話を聞くと、何か隠しているようで…。 #3 入浴剤も人生も想定外! 内覧会で使用する入浴剤が、すり替わっていた! それを積み込んだのは、太陽の先輩・鎌本義和。太陽の大ピンチに、森若さんは!?


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おおや和美/パティオの王様たち


パティオの王様たち (1) (フラワーコミックスアルファ)

■ヒロインはタレント事務所の寮に管理人として 赴くことに。ハーレムものの変形。

職場で対立し退職したばかりのヒロイン。 彼女は叔母に声をかけられ、自身の芸能事務所の タレントが住む寮の管理人をやらないか、 と提案される。


若手の男性役者ばかりが住む寮、 最下層タレントとはいうが他の事務所 で色々あって移ってきた人々で、 才能はあるが…というパターン。 逆ハーレム状態なのは、ヒロインには男を磨く才能が あると見込んだ叔母の目論見でもあるのだった。


叔母はその父の事務所を暖簾分けしたもので、 つまりヒロインの祖父は大手芸能事務所経営で、 ヒロインの父は人気役者で、しかし そこにトラウマがあるヒロインは芸能関係を 極力避けていて、といった事情を用意しており、 背景はしっかり。


話が転がり始めてからは男性キャラの魅力を 要所で引き出して読者を惹き付ける展開。 声優や2.5次元系俳優を使って実写にすると 良いのでは。というよりこれヒロインを 中性的な男性にしてBLでリメイクしたら面白いの かしらん…。


【データ】
おおや和美
パティオの王様たち
【発行元/発売元】小学館 (2018/12/10) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→パティオの王様たち (1) (フラワーコミックスアルファ)
イケメン俳優だらけの寮の管理人始めます!
主人公・今井咲(いまいさく)は、ワケアリ若手舞台俳優たちの住む寮「パティオY.A」の住み込み管理人になることに! 極上のイケメンたちなのに“冬眠中”と自称する彼らが背負う事情とは? そして、ある理由から“俳優嫌い”の咲の過去とは?
おおや和美の本領発揮!キラキラ芸能ストーリーの開幕です。


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絹田村子/数字であそぼ。


数字であそぼ。 (1) (フラワーコミックスアルファ)

■天才的な記憶力でもって一流大学の理学部に 受かった主人公。しかしそこに大きな落とし穴があった。

「親ゆずりの記憶力で子供の頃から得ばかりしてきた」という、 「坊つちやん」のアンチテーゼのような冒頭で始まる話。 神童、と呼ばれてきて本人も勉強など簡単、と思ってきたのだが、 そこで受けた微分積分学の授業に打ちのめされる。 講義で何を言われているのか、全くわからなかったのだった。


出された問題を解くのは得意、だが記憶力が抜群のために 根本を考えることもなくここまで来れてしまったある種の天才 であるがゆえに、本質的な学問に進む土台が作れて なかった不幸な学生のお話。


大学初日で心破れ、すぐに休学してしまうところが面白い。 そのまま二年たち、そこで大学から便りがきて復学、 同様に二留していた学生と仲良くなる。とはいえ 彼はスロットにはまって留年したくち。 数学が致命的にわからない主人公とはそもそもが違うのだった。


数学って何?というときに、数学的な概念の定義と、 その概念に対する命題や定理の証明の理解、 ということが繰り返されるのが数学であり、 その命題や定理を使って具体的な問題を解くのは 付随したものでしかないことが 主人公には理解できていない、というお話。 なかなかにヘビーである。


題材はユニーク。内容も堅実。ただ、これ、 主人公が数学を考えられる頭になるのだろうか? 何をきっかけにして変化させるのか、 かなり難しい作品なのではないだろうか。


【データ】
絹田村子 (きぬたむらこ)
数字であそぼ。
【発行元/発売元】小学館 (2018/12/10) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 数字であそぼ。 (1) (フラワーコミックスアルファ)
数学×爆笑キャンパスライフ!
「重要参考人探偵」「さんすくみ」の絹田村子最新作! 読めば数学が好きになる!? 数学の本当の楽しさを味わっていく青春コメディ!
京都の名門・吉田大学理学部に合格した秀才・横辺建己(よこべたてき)。 だが大学の高度な数学の授業を全く理解できず、人生で初めての挫折を味わう。 しかし、ふたたび数学に向き合い、卒業という頂(いただき)を目指すことに…!?
周囲は頭はいいけど奇人変人だらけ! マイペースな教授や友人たちに囲まれ、建己の前途多難な大学生活が始まった!


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高橋和希/THE COMIQ


THE COMIQ (ジャンプコミックスDIGITAL)

■ツイストの効いたミステリ。話の作りは面白いが、 謎解き部分がさすがに急すぎで、読者は慌てて追いかける感じになる。

穴埋めだが原稿が人気雑誌に掲載されることになった漫画家。 ただ気になるのはアシスタント料。背景は編集部が手配した 人の手によるもので、漫画家自身はそのアシスタントに 会ったこともなかった。


実はその背景を描いているのは受刑囚。一方で、 彼のマンガを見た人気作家が、過剰な反応を見せる。 受刑囚は背景の作画を通じて訴えようとしていることが ある様子。収監されることになった事件は 人気作家と関係があるらしい。受刑囚の無実を 信じた漫画家は、事件の真相を突き止めようと動き始める。


真相追及の推理もの。一巻完結の短期連載なので 展開はスピーディ。絵に謎解き要素が含まれる という発想は推理小説では出来ない芸当で そのアイディアは素晴らしい。 一方で、 絵を読み解くという性質上、作中の人物が 勝手に解読して話を進めがちで、読者は 置いてきぼりになってしまう。


前提のわからない 推理ものを読んでいる感覚で、 早い展開に引きずり回される感じ。 内容はツイストを重ねていき飽きないが、 ずいぶんと大胆な内容。 悪者を一人設定しそこにすべて押し付ける つくりはあんまりといえばあんまりなのだが、 おかげで読後感は割と良かったりする。


【データ】
高橋和希 (たかはしかずき)
THE COMIQ
【発行元/発売元】集英社 (2019/1/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準)
■購入:
amazon→THE COMIQ (ジャンプコミックスDIGITAL)
3年前、ハロウィンの夜に起きたある殺人事件――。解決したはずのその事件だが、真犯人はまだ捕まっていなかった! 新人漫画家と獄中アシスタントによる奇妙なコンビが真相を解き明かす超本格ミステリー!!


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季生みなと/透明の君


透明の君 (1) (裏少年サンデーコミックス)

■転校していった同級生のことを、 自分以外は誰も覚えていなかった。

仲良くしていた同級生が転校していった。 少年にはその記憶があったのだが、 学校では先生も含め誰も覚えていなかった。


そこから話は一年半遡り、学校で人気の女の子と 主人公の少年が仲良くなっていく過程が描かれる。 じっくり尺をとって丁寧に綴られる少年漫画的な部分は 面白い。


その話に、主人公の家庭内での虐待というネタを絡めて くるのが今どき。医者になるために成績を上げることを 求められ、そのために次期キャプテンを期待されていた バスケ部も辞めさせられる。その中で、同級生の 少女は大切な存在だった。


なのに彼女は転校していき、 それどころかその彼女の存在が誰の記憶からもなくなってしまった。 この過程が急すぎる。母親に没収されていた携帯電話から 彼女との記録が消されている場面から、学校で皆に彼女の存在を 否定されるまでの展開は、もっとじっくり描いてくれると良かった と思うのだが。そもそも冒頭でその大ネタを抜き出しているのが余計で、構成自体に疑問。


転校生の記憶が消されている理由の説明は当然ながらアクロバティック。一方で、彼女も悩んでいた、という話は、そこまでの流れで一切出てこなかったもので、それを解き明かそうとする展開は悪くない。 ただ、絶対的な存在がいて、それが人々のマインドも含めてコントロールする、という大ネタが話にうまく馴染んでいない気はする。


【データ】
季生みなと (きうみなと)
透明の君
【初出情報】裏サンデー(2018年) 【発行元/発売元】小学館 (2018/12/12) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→透明の君 (1) (裏少年サンデーコミックス)
彼女はなぜ“消えた”?青春群青ドラマ!
夏の終わりに、彼女は消えた。 クラスメートの立花光里。
ひかえめで自分を出さない高校生・日野正太。 他人には言えない悩みを抱えた彼を救ったのは、クラスの人気者・光里だった。
そして始まった、2人だけの交換ノート。 誰にも言わない秘密の関係が続く中、2人の距離はどんどん近くなる。 あの夏の日までは―――
第1巻から目が離せない衝撃の展開…! 透きとおる、青春群像ドラマ!!


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榎屋克優/高梨さんはライブに夢中


高梨さんはライブに夢中(1) (モーニング KC)

■ライブ初心者が現場で同僚に出会い、 惹かれて、彼女会いたさに様々なライブに 飛び込んでいく。そうか、著者は 「 日々ロック 」の人か。

結婚披露パーティのビンゴ大会で 新郎新婦の好きなバンドのライブチケットを 引き当てた主人公。売るのも悪い、 と現場に行ってみると、そこで会社の同僚の 女性を発見する。


ライブ初心者の主人公は結果的に 同僚の彼女に色々アドバイスを受けつつ、 彼女は結局盛り上がって興奮して クラウドサーフしてしまい、ライブ後には 自身の行為に反省する。一方主人公は 職場で見る彼女との落差に一気に恋に落ちたのだった。


以降は彼女のストーカーのごとく色々と 調べついていく主人公。どんどんと音楽の 振り幅も広くなっていく様子。 主人公が巻き込まれるわけではなく 同僚目当てで自分から進んでいろんな 現場に行っているのは作品の展開としては やや微妙。相手に振り回される展開に かわりがないのなら、主人公は自身の 意思とは関係なくライブ会場に行かざるを得ない という設定のほうがよかった気がするが。


それだと受動的にすぎてあんまり、という 話なのかもしれないが、一方で音楽ライブの 楽しみ方としては本作で描かれている内容は微妙。 個人的には、よくわからないまま周りにあわせる主人公も、それが 盛り上がりの結果とはいえ酒に飲まれた酔っぱらい同様の 興奮状態でリフトだダイブだモッシュだなんだを 楽しむヒロインも、まぁはっきりいっちゃあ邪魔な 存在なので、ライブの楽しみってそういうものだ、 的に描かれるのは迷惑。まぁ、主人公たちは、 音は聴いているし一体化した結果の行為ってこと なので、騒ぎたいだけのピンチケ連中とは違うのは わかるんだけど、いや、でも表出されるものは 同じなわけで。


日常と違うものを求めてライブ会場に来る、 というのはそうなんだろうけれど、 ライブで聴く音楽、見るパフォーマンスに魅せられたくて 来るんだろう、ステージの上にすべてがあって、客席には 別になにがあるわけではないんだ、ってのは はっきりさせて欲しいと思う。でもステージ上の アーティストは客席にリアクションを要求 しがちだからなぁ。いつも思うんだが、ステージ上の人物は、 言ってみりゃ会社の社長と同じ、孤独な存在なので、 そのことを自覚してアクションして欲しい。 客に求めたいことを求めるのは甘え。煽らないライブを 追求して欲しいんだけど、まぁ、不安なんだろうなぁ。 だから客をいじらないアーティストが個人的には 好きです。


【データ】
榎屋克優 (えのきやかつまさ)
高梨さんはライブに夢中
【発行元/発売元】講談社 (2018/11/22) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→高梨さんはライブに夢中(1) (モーニング KC)
新人サラリーマンの坪坂亮平は、たまたま足を運んだライブで同僚の高梨さんとバッタリ遭遇する。会社では物静かな彼女の正体は、なんと筋金入りのライブマニアだったのだ! そんな彼女にひと目惚れした坪坂くんのアツくて危険(?)なライブ・ライフが始まる! 『日々ロック』の榎屋克優が贈る体感型音楽漫画、ここに開演!!!


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亀/レキアイ! 歴史と愛


レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)

■史実に残る歴史上の偉人というか鬼才の「愛」に フォーカスして綴る作品。目の付け所は面白い。

歴史上の人物14組を取り上げ、彼らの愛の形について 抽出した作品。ネット、SNSから生まれた作品だけあって 描画はゆるいが、エピソード自体は面白いので するする読める。


テーマ設定が明確な分、切り捨てている要素も 多く、そういうまとめ方をするかぁ、 というものもなくはないが、 物事の見方のひとつの提示の仕方として はアリだとは思う。


ただ、史実とは異なる時系列で 描く部分があるのはどうなのか。 ストーリーにするためとはいえ、 わざわざ注釈を入れるのであれば 内容構成自体をなんとかしてほしかった。


とはいえ、本作を読むと、その人物のエピソードや 作品について興味が沸くという副作用あり。 そういう気持ちにさせる良い作品、ということなのだろう。


【データ】

レキアイ! 歴史と愛
【発行元/発売元】講談社 (2018/9/20) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ レキアイ! 歴史と愛 1 (星海社COMICS)
凡人には理解不能!? 教科書には載せられない、歴史的奇才たちが繰り広げたエキセントリックな愛憎劇!  「ツイ4」好評連載作品、待望のコミックス化!



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