みずしな孝之/猫喫茶いぬい


猫喫茶いぬい (バンブーコミックス)

■「幕張サボテンキャンパス」を読んでいた人には 懐かしさを感じる内容。

亡くなった親の遺した猫カフェを継ぐことになった 30すぎの男性のお話。しかし本人は実は犬好きなのだった。


犬好きでイヌイという名で猫喫茶運営、 という出落ち感のある話。 そこに、執事だというバリスタもできて猫にも好かれるが いろいろ厄介な人物が登場、「金なら出す!!どうか私を雇って下さい!!」というすごい展開。加えて猫が好きだが好きすぎて 猫には嫌われるというこれまた厄介な女の子が雇ってほしいと 猛アピール。しかも彼女はアイドルでもあるのだった。


この3人を中心にぐるぐる回す話。 めったに客はこないのだが、そこで娘連れの男性が登場。 あれ?これは、「幕張サボテンキャンパス」のミスチルでは・・・ ということでスターシステム採用の一品。 「たばたちゃん派」の前日譚でもある、というオチもつき、 みずしな孝之作品を読み続けている人には楽しめる 作品となっている。内容はそれ以上でも以下でもないが、 一巻完結とお手頃なのでファンにはマストアイテムかと。


【データ】
みずしな孝之
猫喫茶いぬい
【発行元/発売元】 竹書房 (2018/7/9) 【レーベル】BAMBOO COMICS 【発行日】2018(平成30)年7月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準)
■購入:
amazon→ 猫喫茶いぬい (バンブーコミックス)
「俺は犬が好きだ!!!!!」 猫喫茶の新オーナーはまさかの猫嫌い…!?
父親が残した店を引き継ぐことになった、乾 芦雪(30) ここで働くのは悪くはないがひとつ問題点が。 それは…猫より犬派だったこと! 猫たち以上に自由気ままな店員が集まる「猫喫茶いぬい」へようこそ♪
みずしな作品のあのキャラやあのキャラも登場!! カバー下描き下ろし漫画収録♪ ★単行本カバー下画像収録★


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六多いくみ/カワイイ私の作り方


カワイイ私の作り方(1) (ニチブンコミックス)

■頑張らないことに理由をつけていた 女性の成長物語。

ヒロインは27歳。 大学の同期で知り合った彼氏とは同棲5年め。 勤務先は契約が切られて半年の求職活動中のところで、 彼氏からは話があると。 プロポーズ、ではなく、会社のひとと浮気して その相手に子供が出来てしまったのだというのだった。


そんな不幸から始まる話。ただし、この物語がフォーカスするのは、 彼女が自分を棚にあげて愚痴るだけであること。 かわいい男受けする女性と、それになびく男をを目の敵にする彼女は、 自分についても自意識が過剰な割に、どう見られるかについては 自分目線で考えるだけで、他人がどう思うかについて無頓着。 それでいて他人の声に傷つき、わかってくれない相手が悪い、 と考える。そちらのほうが楽なので、思考を寄せてしまう。


そんな女性が、新たに得た職場で自分の殻を破って成長する 話。テーマ自体は面白い。ただしヒロインのモノローグが多いので、 正直暗く重苦しくはある。物語を動かすための潤滑油として、 ヒロインの従兄弟のやっているバーと、 そこの常連でヒロインの就職先の上司になる女性、 さらには女きょうだいの末っ子として育った男性社員 を用意。その中で、メンター的な役割を担う上司の 設定はスーパーウーマン的になっており、 その辺は都合の良さを感じてしまう。それと、 絵に関してはどうだろう、化粧品会社で華やかであるという のなら相応の丁寧さは必要な気がするのだが。


【データ】
六多いくみ (ろったいくみ)
カワイイ私の作り方
【発行元/発売元】日本文芸社 (2018/7/9) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ カワイイ私の作り方(1) (ニチブンコミックス)
「可愛いは作れるのよ…知りたくないの?作り方」 700万pv突破の超話題作、遂に単行本化!! 不器用なアラサーの浅黄秋(あさぎ みのり)は長年付き合った彼氏と別れて深酒中…。 そこで出会ったのは、苦手だったキラキラ女子の春乃!! そして、秋は可愛くなるためのレッスンを彼女から受けることに…!! 「リメイク」の六多いくみが描く、こじらせ女子の変身ストーリー開幕!!


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増田英二/週刊少年ハチ


週刊少年ハチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

■ 漫画家目指す少年ものを、特殊なマンガ専門学校 に放り込むというスポ根変形もの。

高校時代、野球部で頑張ったが努力は 成長にはつながらず。そんな彼が、 高校時代はこそこそ描くだけだった マンガに全力をかけようと、 虎の穴的なシステムを持つマンガ専門学校に 入学する。


マンガ家を目指す少年ものは「 バクマン。 」である種あがりだったように思う。 一方で才能は抱えつつまだこれからの 人間が努力を努力と思わないパワーで 一気に成長していく話はスポ根では多いが 昨今はそれを美大を目指す予備校話で 展開している「 ブルーピリオド 」が傑作である。 そんな中でこの作品はちと分が悪いが、 マッシュアップ的な魅力はある。


高校時代の友人とともに通い、 クラスでは既にデビューしている人物と 真っ向にぶつかりあい友人となる。 彼の能力はまだまだ全然生かされていないが、 しかし、マンガの主人公らしい底辺から這い上がる ガッツを持っている。


この話がちょっとユニークなのは、 彼のネームを評価してくれる人物がおり、 彼女は件のデビューしている人物のネームは 評価していないという点。このトリッキーな人物が 同級生でいるということは彼女も漫画家を目指している という話になるわけだが・・・。


クラス分けやスポ根展開は、ちょっと無理があるように 見えてしまうが、考えてみれば普通の予備校でも ある話で、「ブルーピリオド」でも近い内容はあった。 それが浮世離れして見えるのは、それを目指しているので 良いのだろうし、チャンピオンという雑誌には 向いているとは思う。 面白いことは面白いが、同時発売の2巻を買うかどうか正直悩むところ。 →週刊少年ハチ 2 (少年チャンピオン・コミックス)


【データ】
増田英二 (ますだえいじ)
週刊少年ハチ
【発行元/発売元】秋田書店 (2018/7/6) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 週刊少年ハチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
ずっと“主人公”になりたかった凡人のハチは、新たな夢を胸に「鬼ヶ浜まんが学園」へ…!? 挫折と奮起…青春炎上のマンガ専門学校ラプソディ!!


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池沢春人/ノアズノーツ


ノアズノーツ 1 (ジャンプコミックス)

■オーパーツ的な話を、人類は歴史をループしている、 という仮説にからめて展開するユニークな一作。ヒロインの 設定がもう少しなんとかならなかったかと思いもするが。

歴史に意味を見出さず授業もテストも興味がなかった少女。 彼女がふと見つけたものが実は大事な遺跡であり、 大学者に目をつけられる。彼女が手にしたものは、 地層の中から発見された、2022年に作られたもの。 2018年の現代からすれば未来のものが 遺物として現れる、という異様な事態の理由を、 その学者は解き明かす。


人類は10万年前にも一度同様の文明まで到達しており、 しかしその後突如消え去り、後に10万年かけて同様の 文明を、全く同じようにトレースしているという仮説。 そして同様のループを続けるのであれば 4年後に人類は滅亡するのだと。 それを阻止するために研究しているのが 件の学者。ヒロインは、彼の語る歴史の授業に 感銘を受け行動をともにする。


オーパーツ的なものを取り込むのに大胆な設定の 話を用意。行動力はインディー・ジョーンズ並も、 背負っているものはもっと重い。 宗教的な理由により、 あるがままに人類を滅亡させるべき、とする 団体を置き、これが彼の行動を阻止しようとする。


そんな中でヒロインは、話に巻き込まれる形で 一緒に行動するという形。何も知らない人物をバディにすることで 学者の行動や世界の状況を解説しやすくしており、 唯一の女っ気でもあるわけだが、覚悟の中途半端な 人物を、主人公とも言い切れない位置で 使うのは、ストーリー展開の上で邪魔なことが多々。 実際、読んでいてもどかしい。


しかしそんななかでも設定はなかなか面白い。 過去の文明を忠実にトレースしているのだ、という 設定のおかげで、難しい話をしながらも読みやすく 理解しやすい状況を生み出した。


それと、歴史について、「過去を識る事は未来を知る事」歴史はこの世で最も実用的な学問である、という話を、ヒロインが歴史なんか勉強しなくたって未来は来る、というのについて?何故?と問いかけ、お嫁さんが夢だから、料理は得意だし勉強なんていらない、ママが結婚して今幸せそうだから私もそうなりたい、との答えに、「それはお前が母の「歴史」から学んだからだ」「お前は既に歴史を立派に利用しているよ」と返している シーンはこの作品の白眉。このメッセージに沿って話が展開していけば良い話になると思うのだけれど。丁寧に描かないといけない情報量の多い話にしたことが吉と出るか凶と出るか。


【データ】
池沢春人 (いけざわはると)
ノアズノーツ
【初出情報】 【発行元/発売元】集英社 (2018/7/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ ノアズノーツ 1 (ジャンプコミックス)

「学校なんて大人になるまでの暇つぶし」──横浜の高校生・寿未来は、ある日通りがかりに「謎の石」を拾う。後日、未来の前に現れたのは、歴史の謎を追う考古学者のノア教授! 「俺が直々に授業をしてやる」と連れてこられた先には、10万年前の横浜・みなとみらい遺跡が…!? 世界中の「未来遺物」を集め、人類の絶滅を食い止める! 「歴史的」冒険考古学ファンタジー開幕!!


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本田優貴/ただ離婚してないだけ


ただ離婚してないだけ 1 (ヤングアニマルコミックス)

■巻末の展開はすごいが、そういう話なのかぁ、 それは一番ラクな転がしかたなのではなかろうか、と。

冒頭から、ただ離婚していないだけ、 と記された、生活の冷え切った夫婦の話。 旦那は自宅でする仕事でもあり、 新聞配達のお姉ちゃんと出来ていて 不倫していている。しかも、 こちらも自宅でする、という。


それでも妻は、相手もわかったうえで、 「どこで何しようと自由だけど/迷惑だけはかけないでね」と 言い放つ。結果、相手の誘いに乗って 夫は出張を口実に週末不倫旅行。 その支払を難詰した妻はその後料理も作らず、 家は荒れていく。しかも不倫相手は妊娠したと。 ただ出産は求められず、堕胎することに。


そこまで進んだところで、崩壊していた夫婦は 自分たちの問題に改めて向き合う。 子供がだめになったことから不妊治療を はじめ、それからギクシャクし始めた二人の関係は 再構築に向かう。つまり、不倫相手の 妊娠中絶をきっかけにして。という、 酷い話である。


であるがゆえに、後半は夫婦の再構築から、 元不倫相手の逆襲へとセットチェンジ。 サイコホラーへと話は急展開していく。 そんな話の流れはわからなくはないのだけれど。 確かにこれを読まされても、どこに着目して どんな気持ちで読めば良いのか、戸惑う。 主人公の男性視点に読者があわせていかないと 作品の味わいようがないわけだが、そりゃ、無理だわ。 ツケを払っていない人に共感はできない。


子供ができなくて悩む、という設定を ブローアップされるのも、なんだかなぁ。 センシティブな題材だけに、 それをダシにサスペンス作るのは、 駄目だろう。フィクションは考えて考えて考え抜いて から作ってほしいのよ、正直な話。編集部には それが出来ていない作品は送り出して欲しくない。 編集がその仕事をしないなら、今の時代、 必要ないわけなので、その仕事。


【データ】
本田優貴 (ほんだゆうき)
ただ離婚してないだけ
【初出情報】ヤングアニマル嵐(2017年〜2018年) 【発行元/発売元】白泉社 (2018/3/29) 【レーベル】YOUNG ANIMAL COMICS 【発行日】2018(平成30)年3月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★
■購入:
amazon→ ただ離婚してないだけ 1 (ヤングアニマルコミックス)
正隆と雪映は結婚7年目の夫婦。だが関係は冷めていた。正隆は不倫をしていた。そしてそのセフレ(17歳)を妊娠・中絶させてしまう。不倫と妊娠・中絶の果てには何が。どうして結婚したのかな、と苦しくなる一般人サスペンス第1巻!


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吉永龍太/モンスターバンケット


モンスターバンケット(1) (シリウスKC)

■清の時代を舞台に、科挙を目指していた学生が、 怪物をその身に宿し、大食漢としてフードファイトにジョブチェンジ。

科挙の試験を目指す学生は、先祖代々伝わる伝説の家宝、 ここ一番で食べればなんでも願いが叶うという、 饕餮(とうてつ)の干物を食す。どうしても合格したかったのだが、 腹を壊してしまい試験は失敗。しかし彼は、少食だったはずなのに、 急に大食らいになっていた。


食い逃げ疑惑をかけられたところを助けられた少女に 連れてこられたのは紫禁城のなか。そこではひたすら 饅頭を食い続ける、食べられなければ首をはねられる、 という見世物が行われていた。


そこに何もわからず放り込まれる 主人公が、その身に取り込んだ怪物の力で サバイバルしていくという、理不尽巻き込まれ系 不条理ゲームのフードファイト版。


何故 そんな大食漢が必要とされているのか、 が今ひとつわからないが、時の皇帝である雍正帝も 加担しているという大きな話となっており、 スケールはいろいろと大きい。 だが主人公には科挙になりたい以外に 意思があるわけではないので、 その点が読んでいて盛り上がらないところ。


【データ】
吉永龍太 (よしながりゅうた)
モンスターバンケット
【発行元/発売元】講談社 (2018/6/8) 【レーベル】シリウスKC NEMESIS 【発行日】2018(平成30)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ モンスターバンケット(1) (シリウスKC)
YOUは食(SHOCK)美味(あじ)で頬が、落ちてくる!?
時は18世紀、清朝最盛期。主人公・乾貴道(通称:ケンちゃん)は、人類史上最難関の試験「科挙」に落ちてしまう。だが、謎の少女・暗娘に、旺盛な食欲を見込まれ、誘われた先は……なんと“世界の中心”紫禁城!そこでは、想像を絶するフードファイト「食挙」が行われていた…!!まさしく奇想天外奇妙奇天烈。いま、前代未聞の美食奇譚が幕を開ける!!


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吉永龍太/チノミ

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春原ロビンソン、小菊路よう/佐伯さんは眠っている


佐伯さんは眠ってる(1) (KCデラックス エッジ)

■ 内容は題名どおり。中学生の無邪気さと思春期とを 取り混ぜたかげんは絶妙で可愛らしくはある。

主人公の男子中学生は、隣の席のクラス委員長の 凛とした眠り方に感動さえ覚えていた。


眠るの大好きで授業中にばれずに 眠る技をとことん追求している美少女を、 観察している男子の話。 最近よくあるタイプの学校で近場の 席のふたりを切り取ったある種の小宇宙ものである。


無意識なちょいエロ要素もありつつ、 それにふと気づき急に照れるという 思春期らしさもあり、 恋愛未満だが、その距離の近さは その後恋愛関係になっても絶対に楽しい カップルとなりそうだなというものでもあり。


題名どおりの内容ながら、 それに終わらず、 可愛らしい二人を描くスケッチとなっているのは よろしいかと。 【データ】
原作=春原ロビンソン 漫画=小菊路よう
佐伯さんは眠っている
【発行元/発売元】講談社 (2018/6/14) 【レーベル】KCDX 【発行日】2018(平成30)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 佐伯さんは眠ってる(1) (KCデラックス エッジ)

授業中にあの手この手で居眠りする学級委員長の佐伯さん。隣の席の時宮は佐伯さんを観察するうちに、どんどん気になって…。原作に『戦勇。』『がくモン! ~オオカミ少女はくじけない~ 』の春原ロビンソン、作画は『童貞地獄』『七つの大罪 セブンデイズ~盗賊と聖少女~』の小菊路よう。


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