平尾友秀、依田瑞稀/ne0;lation


ne0;lation 1 (ジャンプコミックス)

■正義のダークヒーローもの。少年誌としてはこれでいい。

最近引っ越してきた天才少年。彼は悪い奴を探していた。それは、 相手をいじめるため。


天才ハッカーが、その力を悪人相手に存分に発揮していじめ尽くす お話。バディものとして、パートナーには肉体派の不良、ただし 根は優しく姉思い、親の残した借金のためにヤクザものに追われている という設定の少年を用意。この姉弟の問題を解決するかわりに配下 に引き入れたハッカーの目的は、街を牛耳ること。悪人は 必要だ、いないと別の悪人が入ってくるだけ、それなら自分が その悪になる、と。


ハッキングの手法がどうこうは、マンガでしかも少年向けなので、 雰囲気があっていればそれで良い。自殺に至らせるゲームも、 ネタとしては話題になったが実際には存在しなかったというのが 現実世界のオチのようだが、都市伝説としてはうってつけの題材であり 取り入れるのも一つの手。


一方で話がどんどんオーバーになっていくが、 まぁ元々がバットマンを換骨奪胎した物語と思えば 展開としては当然か。ただ人を殺さない話かと思っていたら その一線も越えてしまったのはやや興ざめ。相手方の 行動とはいえ、 そこは踏み越えないでほしかった。


【データ】
原作=平尾友秀、漫画=依田瑞稀
ne0;lation (ネオレーション)
【発行元/発売元】集英社 (2019/4/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ ne0;lation 1 (ジャンプコミックス)
父の遺した借金に苦しむ薬袋大悟(みないだいご)の前に現れたのは、自称・IQ191の天才・尾根新太。超絶偉そうで自己中の尾根は理系の不良で、その技術で犯罪者を駆逐し、街の征服を狙う魔法使い(ウィザード)級のハッカー「ne0」だった!! 奇想天外、少年ハッキングストーリー開幕!!


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舞城王太郎、百々瀬新/この恋はこれ以上綺麗にならない。


この恋はこれ以上綺麗にならない。 1 (ジャンプコミックス)

■ 潔癖症の少女がゴミ屋敷の中で綺麗な少年に出会う。 極端な話を強引に推し進める豪腕かげんが魅力。

汚いものが嫌いで掃除好き、手袋が手放せない少女が主人公。 心療内科の診療を受けたが、楽になって汚れてるより大変でも綺麗な方がいい、と決めた彼女は、学校で同級生にいいがかりをつけられ、 喧嘩の挙げ句近所にあるゴミ屋敷の中に閉じ込められてしまう。


不潔の中で湿疹と失神という描写が最初のクライマックスで、 その手の作品なのかと思いつつ、不快な思いをしながらも 彼女は自分のできることとして掃除を始める。 そこでその家の中に人間がいるのに気づく。 縛られていた少年を解放するが、彼からは早く帰るよう諭される。 なぜなら少年はそこの家主と感情的なやり取りになっているから。 そして実際、家主がナイフを持って戻ってくる。


潔癖症で、男子なんて汚い、と思っていた少女が、この子は綺麗かも、 という少年に出会う話。ただしその相手は殺し屋だった、という 展開。いろいろと斜め上だが、世のライトノベル系の話は設定だけ 素っ頓狂にした上で物語はそれ以上突拍子もないものとはせず収束に 向かいがちなところ、本作はアクセルを踏み込んで暴走しつづける。


この世の汚れが嫌いだった少女が、少年の心に翳さす曇ったものを綺麗にしたい、と思う展開。そこに殺し屋だなんだを交えつつ、少女は自分の思ったことをするという真っ直ぐな性格で絡みついていく。巻き込まれ型サスペンスだが、ヒロインがハートの強い変人だった、というところか。


【データ】
原作=舞城王太郎、漫画=百々瀬新
この恋はこれ以上綺麗にならない。
【発行元/発売元】集英社 (2019/4/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→この恋はこれ以上綺麗にならない。 1 (ジャンプコミックス)
わたし、漆原杵真は綺麗好き。潔癖症だってクラスではからかわれたり、なぜか怒られたり。ケンカしてゴミ屋敷に閉じ込められて死にそうになって、でもそこで、普通とはちょっと違う、綺麗な男の子に出会ったのでした。


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大暮維人、舞城王太郎/バイ オーグ・トリ ニティ

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田川ミ/こりせんまん


こりせんまん 1 (アヴァルスコミックス)

■妖狐が仕方なく化狸を養育する話。 一話が唐突だが設定を飲み込めば面白い。

獣の中には稀に特別な力を持った者が生まれる。 そうした化獣の話。かつて強い狐が悪行が過ぎ、 日の神は狼をけしかけ成敗させた。 そして眠らせること三百年。再び目覚めさせたのだが、 姿形は小さくなり、魔力は取り去られ、神の 言いつけに背こうとすると古傷が疼きだすという始末。 さらには、幼い化狸の子を立派な神の眷属に 育て上げよ、との使命を与えられるのだった。


ということで、神だなんだと話はあるが、 基本は狐の子狸子育て話。疑似家族もののようなもの。 人間に化ける場面はあれど、動物しか出てこない。 狐自身の力は失われたが、狸の力は強大で狸が 变化すると一緒に变化してしまうという状況。


力を持つがゆえの不幸と、その力をどう使うか、 の話。そこに事件が舞い込み勉強しつつ解決する というエピソードの重ね方。話としては 実はそう珍しくもない内容なのだが、これを動物だけで 見せるというのは面白い。そういえば狸ってのは 世界的には珍獣の枠に入るめずらしい生き物 らしいですね。


【データ】
田川ミ
こりせんまん
【発行元/発売元】マッグガーデン (2019/3/14) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ こりせんまん 1 (アヴァルスコミックス)
悪キツネ、子ダヌキを養育す。 今は昔、世間を騒がせた悪名高いキツネ。そのキツネに突き付けられた解放の条件は、強大な力ゆえに孤立した子ダヌキの養育で…。


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田川ミ/麦の魔法使い
田中ミ/ちちこぐさ

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早川光、pikomaro、木村宗慎/茶の湯のじかん


茶の湯のじかん 1 (ヤングジャンプコミックス)

■茶道初心者入門漫画。学習まんがの新しい形か。

ヒロインは30歳、前職は人間関係から退職、 いまは契約社員として働いている。 それまでは寮生活だったこともあり シェアハウス暮らしを選んだが、 女性の住人は一人だけだった。 そこに、新たな入居者がやってくるとの連絡が入る。


という設定だが、話は題名通り、茶の湯の話。 新たな入居者とは事前に接近遭遇しており、 日本文化を研究しているフランス人留学生で 日本語も上手。そしてお茶に興味がある。 新しい生活や友達の欲しかったヒロインにとって、 彼女との時間は刺激になるのだった。


お茶と、和菓子とについて、身近なところから 話を始めつつ、専門家による初心者入門 クラスの授業をかいつまみながら話に取り込んでいく。 スクール形式だと同じ面子でカリキュラムに 沿って話が進むが、そうではない良いところ取り な構成は読みやすい。一方でさらっとではなく 大事なポイントはきちんとおさえているところは丁寧。 入門もの漫画の新しい形かな、と思う仕上がりになっている。


【データ】
原作=早川光、漫画=pikomaro、茶の湯監修=木村宗慎
茶の湯のじかん
【発行元/発売元】集英社 (2019/3/19) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 茶の湯のじかん 1 (ヤングジャンプコミックス)

【デジタル版限定!「ふんわりジャンプ」「ヤンジャン!」掲載時のカラーページを完全収録!!】人間関係のこじれから30歳にして転職し、契約社員として乾いた日々を過ごす茶々原水希。水希が暮らすシェアハウスに突然あらわれた、抹茶好きのフランス人・エマ。自らお茶を点てることもできる彼女の影響から、水希も少しずつ茶の世界に興味を持つようになっていく。実在のお店も多数登場! 深くて甘い、新感覚“茶の湯”コミック!! お茶と和菓子の魅力満載。


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早川光、連打一人/私は利休
早川光、松枝尚嗣/ダシマスター
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早川光、橋本孤蔵/江戸前鮨職人 きららの仕事 ワールドバトル

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星野めみ/すずなり動物ハウス


すずなり動物ハウス : 1 (ジュールコミックス)

■ペットホテルを舞台にした、古風で健気な話。 いまどき古臭いが、一周2周まわって逆に目新しいのかも。

22歳のヒロインは懸賞マニア。普段はめったに当たらないのだが、 たまたま応募したポニーが特賞で届いてしまう。 四畳半のアパート暮らしでは飼うわけにもいかず、必死に探したのが動物を預かってくれるというペットホテルだった。


そのペットホテル、すずなり動物ハウスを舞台にしたお話。 オーナーは喜寿の女性、ひ孫がおり、取扱業者は獣医の男性。 ヒロインは施設育ちで、22歳になったら自立しなければいけない、 というタイムリミットのある身。就職が決まらず焦っているが、 簿記1級の資格持ちで経理的センスは持ち合わせていた。 ということで、彼女はそこで働くことになる。


古風な人情派物語なのだが設定は良くも悪くも韓国ドラマなみに複雑。 ペットホテルの経営はもちろん思わしくない。ただしそこはヒロインの ウルトラCにより解消される。オーナーの家族はこのペットホテルを 作った孫夫婦が早死に。ひ孫にもエピソードあり。獣医にしても人里離れた場所にいる理由がある。


一方でエピソード的には動物を預ける側にもいろいろ理由が あるはずだが、そのあたりは一巻ではあまり描かれず。 その分預かる側のいろいろを描いているのでこれ以上は多牌だから適切な整理だろう。


そしてあとがきでは本編一切関係なく氷川きよしさんのことしか 書いてないところが素晴らしい。


【データ】
星野めみ
すずなり動物ハウス
【発行元/発売元】双葉社 (2019/3/18) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ すずなり動物ハウス : 1 (ジュールコミックス)

『夢ホテル』の星野めみが描く【感動の動物マンガ】。懸賞マニアの山田すずは、ポニーを当てて困ってしまい、「すずなり動物ハウス」というペットホテルにやってきた。すずは、身寄りがなく就職もできずにいたが、オーナーの真行寺珠江の計らいで、経理として働かせてもらうことに。「すずなり」には他に、獣医の瀬戸一郎、珠江のひ孫・華子がいた。孤独だったすずは、周囲の温かさに触れ、少しずつ成長していくのだった。星野めみファン待望の最新作!!


■当サイトの著者他作品レビュー
星野めみ/動物ER ワンコはワンコ
星野めみ/「花のや」でございます

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北岡朋/ウォーキング・キャット


ウォーキング・キャット : 1 (アクションコミックス)

■味のあるゾンビものだが、昨今ソンビものは溢れているからなぁ…。基本は猫を相棒とした終末股旅もの。

ゾンビのあふれる世界。そこで生き延びている青年が主人公。彼は ゾンビに襲われかかった猫を救ったところ懷かれる。


生き別れになった妻を探しつつ、安住の地を求める話。 なのだが情報がほぼ入らない環境だけに、俯瞰した話はあまりない。 猫を相手にしたバディもの、世紀末ロードムービー的色彩が強い。


話が交わろうとしつつ一巻でそういう形にまとめるか、という 一旦の収束を見せるが、展開急で読者として気持ちが ついていかない部分あり。さらに、話は終わっておらず続刊がある様子。雰囲気は味があるのだが、 ゾンビものは設定として随分とバリエーションが 開発されてしまったので、目新しく見せるのは難しく、このあとの展開は特にそうだろう。


【データ】
北岡朋 (きたおかとも)
ウォーキング・キャット
【発行元/発売元】双葉社 (2019/2/28) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ ウォーキング・キャット : 1 (アクションコミックス)
新しすぎる、「終末×猫」マンガ!!生ける屍が徘徊し始め、ぼくらの世界は終わりを迎えた――と思いきや、変わらないまま生きているヤツらもいる。そう、猫!!ひょんなことから、白猫・ユキを助けた男・八尋ジン。1人と1匹の旅は、どこへ向かっていくのか―…?大事なことは、猫が教えてくれる。


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矢島光/バトンの星


バトンの星 1 (ヤングジャンプコミックス)

■バトントワリング物語。面白くできていると思うのだけれど、 キャラクターがブレる人物を多くしたのは話の構成上向いているのかどうか。描きたいテーマはわかるが。

かつてバトンに打ち込んだが努力じゃ遺伝子に勝てないと観念したヒロイン。今は普通のOLをしているそろそろ三十路の彼女は、特になにもないプライベートの中で唯一、行きつけのサウナで女子大生たちから「主様」として崇められていた。恋愛経験がないからこそ適当なことを 言っているだけなのに。


…このサウナの主のエピソード、この話にいるのかな…本来ならそこをベースに話を回していきそうな要素なのだが、本作ではさしたる重みづけもなく、物語はタイトルどおり、バトントワリングの話に入っていく。バトンを持つ男子学生を見つけ、彼の練習演技に適切な指導をしたことで、高校生日本ナンバーワンである彼にコーチ役を指名される、という展開で、やっぱりサウナ話はいらんのだよな…。


バトンに関してはかなりしっかり。あとがきによると著者自身がバトントワリング経験者であり描きたい題材であったという。そこで、バトンの技と、それには素質が必要なこと、しかし一方でそうした大技ではない個性の即した特技を探し磨くことが重要なのではないかという考え、それを信じ来れなかったコーチ自身の後悔、と流石にテーマは深い。


一方で、キャラクターの描きかたが割と軽い。軽い、というか、ブレる。ぶれていないのはヒロインの同期でありバトン界のトップである男性だけ。この人物のキャラが立ちすぎており、それはどうなのか、特に一巻の段階では引っかかる。なので、一巻の時点で彼を出しすぎ。印象が全部持っていかれている。


わがままで傍若無人に見えた主人公の男子が案外素直だし、結構悩んでいるところは、丁寧に見えるがブレブレにも見える。絶対に欠かせない大技ができていない、ということに悩みがあるのはわかるが。まあ一番成長すべき人物なのでフラットキャラクターに設定するのはまずく、ラウンドキャラクターとするのは当然。ただ、この話はヒロインの話であるので、そうすると彼女の話をどう乗せていくのか、かが悩みどころ。ヒロインの成長譚とするのか、彼女の過去を男子に投影して果たせなかった道を進んでもらうだけなのか。しかし、ヒロインの成長譚とするのは荷が重くないか?


そして、バトン界で日本選手が上位に並ぶ、というのであれば、指導の形態はどうなっているのか。そもそも男子がアテにしていた指導者はどこへ?ある程度の学閥的なものはないのかしらん、そこにヒロインのようなブランクある人間が重宝される分野なの?など、頭に渦巻くものは多い。とはいえ、それらを丁寧に片付けると、単に題材だけが違い中身はよくあるスポーツもの作品に終わってしまう。なので、本作のような仕掛けをするほかないのもわかる。のだが、もやもやするのは、指導を受ける側はアクシデントで良いのだけれど、指導する側がアクシデントで引き受けることは普通ないからだろう。ちょっとチャレンジしすぎな題材だったように思う。


【データ】
矢島光
バトンの星
【発行元/発売元】集英社 (2019/2/19) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→バトンの星 1 (ヤングジャンプコミックス)

28歳OL、桐谷藍美(きりたにあいみ)、世界一をめざして男子高校生(コイツ)にバトントワリングをコーチする! #アラサ―OL #男子高校生 #バトントワリング #弟子と師匠 #共闘 #禁断の関係 #忘れられない好きだった人 #反抗期 #サウナ女子 #幸せとは #チューハイ大好き


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