天原、クール教信者/平穏世代の韋駄天達


平穏世代の韋駄天達 1 (ヤングアニマルコミックス)

■大過なき時代に生まれた ゆとり世代の神々たちが、魔族と相まみえることになる。

魔族に滅ぼされかけた人間が祈り願った 挙げ句生み出したのが韋駄天と呼ばれる戦いの神であった。 魔族を滅ぼしてから800年。その間、魔族は出現せず 神もほぼ出現することはなかったのだが、 ここに来て神が頻繁に生まれることに。 そして人間界では戦闘国家が誕生し、 魔族を復活させようと動き始めた。


神の存在が人間の願いに連動しているという設定は面白い。 ただしそうした設定にすると神に主体性がないように見えてくる。 その状態で神々の修行の様子を見せられても、 読者としては話に入り込みづらい。 人間界ではマッドな国家が他国を蹂躙する様を描いて、 これもこれで読んでいて気持ちの良いものではなく。


バトル自体が迫力を感じさせない絵柄で描写されるので、 作画のミスマッチという感は否めず。 編集出版サイドが何をしたくてこの作品に手を出したのか、 クビをかしげなくもない。


【データ】
原作=天原、作画=クール教信者
平穏世代の韋駄天達
【発行元/発売元】白泉社 (2019/1/29) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★
■購入:
amazon→ 平穏世代の韋駄天達 1 (ヤングアニマルコミックス)
WEB漫画の傑作がWEB界のカリスマ2人の手で運命の再始動!! かつて、この世界は魔族に滅ぼされた。 近代兵器も通じない怪物魔族の前に、人類は滅びる寸前を迎えていた。打つ手を失った人間たちは救いを求めて祈り続けた。祈る以外に道はなかった。そして神は現れた。韋駄天と呼ばれる戦いの神。彼らは突如この世に現れ魔族を倒した。現在より800年以上昔の話である――。魔族を封じて800年。時は過ぎ…平和な時代に生まれた韋駄天=戦いの経験のない「平穏世代の韋駄天達」の前に再び、魔族が復活する。神・人・魔物の800年ぶり生存闘争、開幕!!!


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後藤羽矢子/アスクミ先生に聞いてみた


アスクミ先生に聞いてみた 1 (バンブーコミックス)

■人生相談もの定型コマ6ページショート漫画。

妙齢婦人の先生が、生徒たちの問いに丁寧に答える 人生相談Q&A的漫画。


発想は面白い。内容も相応。「 チコちゃんに叱られる! 」的な事実真相解明系ではないのは良い。 クイズ的ではなく、また、それは事実ではない、 とのツッコミを受けることもなくて済む。


話題は、常識やルールなど生々しいもの。 なので、正解があるわけではない。 ただし考え方としてはこれが妥当だろうというラインはある。 そこについて、丁寧に回答している。素晴らしい。 きちんと落ちもつく。「中島らもの明るい悩み相談室」みたいなもの、というとそこまで飛んだお題はないが。


【データ】
後藤羽矢子
アスクミ先生に聞いてみた
【初出情報】【発行元/発売元】竹書房 (2019/1/26) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ アスクミ先生に聞いてみた 1 (バンブーコミックス)
「いい人」すぎる友達って正直、ウザくない? こう感じるのって私だけ?先生、教えて! などなど相談者が殺到中!あなたの悩みもここにある! ★単行本カバー下画像収録★


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青木祐子、森こさち/これは経費で落ちません!〜経理部の森若さん〜


これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~ 1 (マーガレットコミックス)

■もっとテクニカルな内容かと思いきや、 社内ラブコメものだった。

きっちりかっちり仕事をこなし、「イーブン」「差し引きゼロ」 という言葉が好きな経理課の女性が主人公。「数字は合っています なんの問題もありません」が決め台詞。そんな彼女が一枚の領収書に 気をかける。


営業部のエースが定時を過ぎて持ち込んできた領収書。 取引先とのものだが但し書きが「たこ焼き代」。 その後も「テーマパークのチケット代」が提出され、 それは私的利用なのかどうなのか。 言葉数多くまくしたてる必死な雰囲気は気になるし、 彼とデートしていたと言い出す彼女も現れる。 さて真相は。


題名から、経理部の人が推理を働かせて 経費の使いみちをジャッジしていく話なのかと思ったが、 もっと会社に軸足おいて、ヒロインと営業部員との 進展しない恋愛ものだった。 とはいえこれはこれで良し。


きちんと計画してきたヒロインが、 その原則を破らなければ違う人生は歩めないのか?イレギュラーな ことが起こっても元に戻そうとしていたら大事なタイミングが 消えてしまうのか?と思うところや イレギュラーな対応に処理できなくなってしまうところは うぶすぎるが、少女漫画的ではあり、 この作品にコミカライズは向いていそう。原作はこちら→ これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 1 (集英社オレンジ文庫)


【データ】
原作=青木祐子、マンガ=森こさち
これは経費で落ちません!〜経理部の森若さん〜
【発行元/発売元】集英社 (2018/11/22) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~ 1 (マーガレットコミックス)
#1 たこやき代は経費で落ちますか? 営業部のエース・山田太陽が持ってきた、2枚の領収書。私的に利用した疑惑が上がり、真相を探ろうとする森若さんだが…? #2 160円と、公開土下座。 物販の金額に、プラス160円の誤差が発覚。試用期間中の受付・大谷咲に話を聞くと、何か隠しているようで…。 #3 入浴剤も人生も想定外! 内覧会で使用する入浴剤が、すり替わっていた! それを積み込んだのは、太陽の先輩・鎌本義和。太陽の大ピンチに、森若さんは!?


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おおや和美/パティオの王様たち


パティオの王様たち (1) (フラワーコミックスアルファ)

■ヒロインはタレント事務所の寮に管理人として 赴くことに。ハーレムものの変形。

職場で対立し退職したばかりのヒロイン。 彼女は叔母に声をかけられ、自身の芸能事務所の タレントが住む寮の管理人をやらないか、 と提案される。


若手の男性役者ばかりが住む寮、 最下層タレントとはいうが他の事務所 で色々あって移ってきた人々で、 才能はあるが…というパターン。 逆ハーレム状態なのは、ヒロインには男を磨く才能が あると見込んだ叔母の目論見でもあるのだった。


叔母はその父の事務所を暖簾分けしたもので、 つまりヒロインの祖父は大手芸能事務所経営で、 ヒロインの父は人気役者で、しかし そこにトラウマがあるヒロインは芸能関係を 極力避けていて、といった事情を用意しており、 背景はしっかり。


話が転がり始めてからは男性キャラの魅力を 要所で引き出して読者を惹き付ける展開。 声優や2.5次元系俳優を使って実写にすると 良いのでは。というよりこれヒロインを 中性的な男性にしてBLでリメイクしたら面白いの かしらん…。


【データ】
おおや和美
パティオの王様たち
【発行元/発売元】小学館 (2018/12/10) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→パティオの王様たち (1) (フラワーコミックスアルファ)
イケメン俳優だらけの寮の管理人始めます!
主人公・今井咲(いまいさく)は、ワケアリ若手舞台俳優たちの住む寮「パティオY.A」の住み込み管理人になることに! 極上のイケメンたちなのに“冬眠中”と自称する彼らが背負う事情とは? そして、ある理由から“俳優嫌い”の咲の過去とは?
おおや和美の本領発揮!キラキラ芸能ストーリーの開幕です。


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絹田村子/数字であそぼ。


数字であそぼ。 (1) (フラワーコミックスアルファ)

■天才的な記憶力でもって一流大学の理学部に 受かった主人公。しかしそこに大きな落とし穴があった。

「親ゆずりの記憶力で子供の頃から得ばかりしてきた」という、 「坊つちやん」のアンチテーゼのような冒頭で始まる話。 神童、と呼ばれてきて本人も勉強など簡単、と思ってきたのだが、 そこで受けた微分積分学の授業に打ちのめされる。 講義で何を言われているのか、全くわからなかったのだった。


出された問題を解くのは得意、だが記憶力が抜群のために 根本を考えることもなくここまで来れてしまったある種の天才 であるがゆえに、本質的な学問に進む土台が作れて なかった不幸な学生のお話。


大学初日で心破れ、すぐに休学してしまうところが面白い。 そのまま二年たち、そこで大学から便りがきて復学、 同様に二留していた学生と仲良くなる。とはいえ 彼はスロットにはまって留年したくち。 数学が致命的にわからない主人公とはそもそもが違うのだった。


数学って何?というときに、数学的な概念の定義と、 その概念に対する命題や定理の証明の理解、 ということが繰り返されるのが数学であり、 その命題や定理を使って具体的な問題を解くのは 付随したものでしかないことが 主人公には理解できていない、というお話。 なかなかにヘビーである。


題材はユニーク。内容も堅実。ただ、これ、 主人公が数学を考えられる頭になるのだろうか? 何をきっかけにして変化させるのか、 かなり難しい作品なのではないだろうか。


【データ】
絹田村子 (きぬたむらこ)
数字であそぼ。
【発行元/発売元】小学館 (2018/12/10) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 数字であそぼ。 (1) (フラワーコミックスアルファ)
数学×爆笑キャンパスライフ!
「重要参考人探偵」「さんすくみ」の絹田村子最新作! 読めば数学が好きになる!? 数学の本当の楽しさを味わっていく青春コメディ!
京都の名門・吉田大学理学部に合格した秀才・横辺建己(よこべたてき)。 だが大学の高度な数学の授業を全く理解できず、人生で初めての挫折を味わう。 しかし、ふたたび数学に向き合い、卒業という頂(いただき)を目指すことに…!?
周囲は頭はいいけど奇人変人だらけ! マイペースな教授や友人たちに囲まれ、建己の前途多難な大学生活が始まった!


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高橋和希/THE COMIQ


THE COMIQ (ジャンプコミックスDIGITAL)

■ツイストの効いたミステリ。話の作りは面白いが、 謎解き部分がさすがに急すぎで、読者は慌てて追いかける感じになる。

穴埋めだが原稿が人気雑誌に掲載されることになった漫画家。 ただ気になるのはアシスタント料。背景は編集部が手配した 人の手によるもので、漫画家自身はそのアシスタントに 会ったこともなかった。


実はその背景を描いているのは受刑囚。一方で、 彼のマンガを見た人気作家が、過剰な反応を見せる。 受刑囚は背景の作画を通じて訴えようとしていることが ある様子。収監されることになった事件は 人気作家と関係があるらしい。受刑囚の無実を 信じた漫画家は、事件の真相を突き止めようと動き始める。


真相追及の推理もの。一巻完結の短期連載なので 展開はスピーディ。絵に謎解き要素が含まれる という発想は推理小説では出来ない芸当で そのアイディアは素晴らしい。 一方で、 絵を読み解くという性質上、作中の人物が 勝手に解読して話を進めがちで、読者は 置いてきぼりになってしまう。


前提のわからない 推理ものを読んでいる感覚で、 早い展開に引きずり回される感じ。 内容はツイストを重ねていき飽きないが、 ずいぶんと大胆な内容。 悪者を一人設定しそこにすべて押し付ける つくりはあんまりといえばあんまりなのだが、 おかげで読後感は割と良かったりする。


【データ】
高橋和希 (たかはしかずき)
THE COMIQ
【発行元/発売元】集英社 (2019/1/4) ※電子版で購入
■評価→ C(標準)
■購入:
amazon→THE COMIQ (ジャンプコミックスDIGITAL)
3年前、ハロウィンの夜に起きたある殺人事件――。解決したはずのその事件だが、真犯人はまだ捕まっていなかった! 新人漫画家と獄中アシスタントによる奇妙なコンビが真相を解き明かす超本格ミステリー!!


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季生みなと/透明の君


透明の君 (1) (裏少年サンデーコミックス)

■転校していった同級生のことを、 自分以外は誰も覚えていなかった。

仲良くしていた同級生が転校していった。 少年にはその記憶があったのだが、 学校では先生も含め誰も覚えていなかった。


そこから話は一年半遡り、学校で人気の女の子と 主人公の少年が仲良くなっていく過程が描かれる。 じっくり尺をとって丁寧に綴られる少年漫画的な部分は 面白い。


その話に、主人公の家庭内での虐待というネタを絡めて くるのが今どき。医者になるために成績を上げることを 求められ、そのために次期キャプテンを期待されていた バスケ部も辞めさせられる。その中で、同級生の 少女は大切な存在だった。


なのに彼女は転校していき、 それどころかその彼女の存在が誰の記憶からもなくなってしまった。 この過程が急すぎる。母親に没収されていた携帯電話から 彼女との記録が消されている場面から、学校で皆に彼女の存在を 否定されるまでの展開は、もっとじっくり描いてくれると良かった と思うのだが。そもそも冒頭でその大ネタを抜き出しているのが余計で、構成自体に疑問。


転校生の記憶が消されている理由の説明は当然ながらアクロバティック。一方で、彼女も悩んでいた、という話は、そこまでの流れで一切出てこなかったもので、それを解き明かそうとする展開は悪くない。 ただ、絶対的な存在がいて、それが人々のマインドも含めてコントロールする、という大ネタが話にうまく馴染んでいない気はする。


【データ】
季生みなと (きうみなと)
透明の君
【初出情報】裏サンデー(2018年) 【発行元/発売元】小学館 (2018/12/12) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→透明の君 (1) (裏少年サンデーコミックス)
彼女はなぜ“消えた”?青春群青ドラマ!
夏の終わりに、彼女は消えた。 クラスメートの立花光里。
ひかえめで自分を出さない高校生・日野正太。 他人には言えない悩みを抱えた彼を救ったのは、クラスの人気者・光里だった。
そして始まった、2人だけの交換ノート。 誰にも言わない秘密の関係が続く中、2人の距離はどんどん近くなる。 あの夏の日までは―――
第1巻から目が離せない衝撃の展開…! 透きとおる、青春群像ドラマ!!


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