【オススメ】 渡辺ペコ/1122


1122(1) (モーニングコミックス)

■【オススメ】 実はリアリティのある話なんじゃないかなと思う 結婚生活話。

タイトル考えたら今日11月22日にアップしておかないといけないだろうな と。ちなみに本日続刊がリリースされています。→1122(2) (モーニングコミックス)


いいふうふ、というタイトルだけあり夫婦の話。結婚7年目。 仲良く見えるがセックスレス。そもそもは妻の側が拒否したのが そもそもなのだが。そして夫には恋人がいて月一回はお泊りも。 しかも妻公認なのだった。


ウェブデザイナーである妻が、整体店からの依頼を受けつつ、 からだの声を大切に、というそこのオーナーの話が コンプレックス産業むき出しで、恫喝しながら商品を売り込む 感じ、というエピソードのあるある感はなかなか皮肉が効いている。 この仕事、受けるのか?というのも読んでいてちょっと興味が湧いた。


メインストーリーは、夫婦のセックス問題が中心。 一方でヒロインの中ではセックスを拒否した理由が頭のなかで作り変えられている。夫が付き合っている相手は若い愛人ということではなくて、 子持ちだが子供は成長に遅れがあって、でも夫はケアしてくれず興味もなさそう、 という人物。傍から見ればダブル不倫なのだが、 パートナーに距離を置かれている、という点で共通点がある。 そういや有名人の不倫ネタはマスコミ大好きで報道するが、 基本的には配偶者以外には関係ない話であるし、 そもそも内情はいろいろあるわな、その割に何も知らん筈の 他人が色々テレビや雑誌やWEB・SNSで意見述べてて聞いたり読んだりするのは時間の無駄、って思ってますますその手を扱う媒体から遠ざかる 毎日ですが、まぁ、暇で趣味もない人にはいいおもちゃなんですかね。


作品に戻るとこれは巻末にもあるように、結ばれました、めでたしめでたし、 というハッピーエンドストーリーの、その後はどうなの?な話である。 とはいえ、その話がセックスと子供に集約されているのはツマラナイが、 方向性はユニーク。夫婦仲が悪いわけではない、という設定の仕方は 上手い。面白いか?と言われると、どうだろう、と思いつつも、 続刊は読んでみたい。


【データ】
渡辺ペコ (わたなべぺこ)
1122(いいふうふ)
【発行元/発売元】講談社 (2017/5/23) 【発行日】2017(平成29)年5月1日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 1122(1) (モーニングコミックス)
妻・相原一子。夫・相原二也。結婚7年目の仲良し夫婦。セックスレス。子供なし。そんな二人が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。おとやには、いちこも公認の“恋人”美月がいる。美月との恋に夢中になり始めるおとやを見て、いちこにも変化が……。『にこたま』の渡辺ペコが描く最新作は、結婚の嘘と真実。結婚したい人もしたくない人も――「結婚」を考えるすべての人に届けたい、30代夫婦のリアル・ライフ!


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【オススメ】 井上知之/はなまる魔法教室


はなまる魔法教室 1 (裏少年サンデーコミックス)

■【オススメ】とよ田みのるテイストも感じる、 現実に魔法を取り入れるファンタジー。

昨日の夜、魔女を見た、と言う男子は小学六年生。 幼馴染の女の子に、もうそういうのはやめなさいよ、と諭されてしまう。 が、産休の先生にかわってやってきたのは、 普通の学校は初めてで、前の学校では二、三人の子供に 魔法を教えていたのだ、という。


魔法はもともと誰でも使えていた、それが魔女狩りなどもあり 一部の人たちがこっそりと使うものになった、でも魔法使い社会でも 少子化が深刻で普通の人立ちからも資質のある子をスカウトすることにした、 という設定である。


冒頭の少年は、どうも鈍くさくて、クラスの係も厄介者扱いされて決まらない。 どうせ僕なんて、とふさぎ込んでいたところ、魔法の卵が孵る。 普通は三ヶ月ほどかかるところを一日で孵すとは、と先生にも感心されるのだが。


この後の展開は、ややビター。だが、人生に大事なことも教えてくれる。 魔法学校もの、と思って読んでいたので、この展開は意外だった。 立派な先生のお話ではないか。テイスト的にとよ田みのる作品にも似ているが、よりジュブナイルな感じ。佳作だと思います。続刊発売済→はなまる魔法教室 2 (裏少年サンデーコミックス)


【データ】
井上知之 (いのうえともゆき)
はなまる魔法教室
【初出情報】裏サンデー(2016年〜2017年) 【発行元/発売元】小学館 (2017/6/19) 【レーベル】裏少年サンデーコミックス 【発行日】2017(平成29)年6月24日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→はなまる魔法教室 1 (裏少年サンデーコミックス)

優しい魔法が溢れ出す、ハートフル学園物語
先生は美人だけど、少し変。 でも、自信のない僕たちにはなまるをくれる――…。
のんびり屋で空想癖のある小学生、 若草八起はある晩、魔女を目撃する。 誰にも信じてもらえずにいたけれど、 新学期、その魔女が先生として 八起の学校にやってきて…!? そして黒森小学校六年二組の 不思議な魔法に満ちた一学期が始まった――…!


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【オススメ】 ひかわきょうこ/魔法にかかった新学期


魔法にかかった新学期 1 (花とゆめCOMICS)

■【オススメ】12年ぶりの新作って、どうなんだろう? と絵柄も含めて思っていたのだが、読んでいてここまで 読者を作品世界に引きずり込んでくる転がし方は「上手い!」の 一言、没頭しました。

霊的に良くない土地と言われている場所。そこに引っ越してきた 一家の娘がまず第一の主人公。この展開なので当然彼女はなんとなしか 霊を感じる。そして、彼女はむかし隣に住んでいた男の子を見かける。 彼は教師として、彼女が転校してきた学校に勤務することになっていたのだった。


人の良さそうなヒロインに、同級生に、 幼馴染の先生とを用意し、ガチャガチャで買った埴輪 で繋ぐという設定。そのはにわがよくよく調べてみると どうも見たことのない形、しかも勝手に動き出す、 というオカルト話。さてどこへ、というところで、 こっくりさんを始めた生徒たちがおり、しかも取り憑かれたようで 雰囲気がおかしい、それをオカルト研究部の部長が対応しに行ったところで ガチャガチャの埴輪とともに5人は異世界に飛ばされてしまう。


ふと気がつくと学校の中で他の人がいなくなり、 外に出られない状態で閉じ込められる、という形のパラレルワールドもの。 霊というか化け物のようなものも出て来るが、それらのせいではなく、 どうも自分たちと同じような立場であるらしい、 というのがミソ。そうした化け物に追われつつ、ハニワがどうやら 手助けしてくれる。このハニワがなかなかお茶目でチャーミング。 ただし、ハニワの念は何となく伝わってはくるが、 会話ができるわけではない。ハードルの設定が見事。


神代文字のラシテ文献を、偽書ではなくて寧ろ古代から使われていた文字であり 神話の元本なのではないか、という仮説をもとに 話は転がされていく。ただ先生も含めてその辺の知識が特に 豊富なわけではない、というのは、話の速度は遅くなるものの、 読者は置いてきぼりにされない仕組みで、 おかげで読み手が登場人物に並走して物語世界に没入しやすくなっている。


不条理ものや異世界トリップというよりも閉鎖空間に閉じ込められた系の話で、 元の世界に抜け出すための正解はハニワが持っていそうだが、 登場人物はその正解を知らない、という設計。 その点でパズルゲームに近いが、そうした正解のある話を 面白く描くのに最適の仕掛けがなされているのが本作である。


【データ】
ひかわきょうこ
魔法にかかった新学期
【発行元/発売元】白泉社 (2017/11/2) 【レーベル】花とゆめコミックス 【発行日】2017(平成29)年11月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 魔法にかかった新学期 1 (花とゆめCOMICS)
ひかわきょうこ、12年ぶりの完全新作! 次元を超えるスクールファンタジー! 幼馴染みと再会した高校で、不思議な出来事に巻き込まれて…!?


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【オススメ】 高橋ツトム/NeuN


NeuN(1) (ヤンマガKCスペシャル)

■【オススメ】 ナチス、ヒトラーを使い、血や遺伝子にまつわる 実験を描く巻き込まれ型のトラジディ。例によって暗い。

例によって暗い話。舞台は1940年のドイツ。 ヒムラーがSSに向けて指示を出す。 それは総統の血脈に関する粛清だという。


続くシーンは小さな村。SSが出向き、村の住民ファイルを作り直す、 という。全員の家族構成を確認したのち、少将が命じる。「夜明けとともに 各家を襲い全員抹殺しろ」 ところでその際、少将は、9番の壁(ヴァント)はどうしますか?と問われる。答えは「会おう」と。 


つまりは総統の血を引くらしい13人の子供が いくつかのところで分散して育てられており、しかしそれを抹殺する ことにどうやらなった。なのだが、その面倒を見ていた者が反抗。抹殺されるところを逆にSSを皆殺しに。彼が言う。「俺の任務を解除できるのは総統だけだ」


本質は、血にまつわる話。実験的に作り出された兄弟姉妹たちが、 どう協力しどう敵対しどう出しぬくか、という点ではバトルものに近い。 ただし、大枠は全員が国家の敵という状態である。 その国家の敵となった子供である主人公はどう生きるか、 何を生きる目的とするか。なにせ当人にはいかんともしがたい 宿命の話である。


一方で主人公はまだ何もできない。最終的には彼が決断する話になるのだが、 そこまで並走するのは件の「壁」となる人物。サブストーリーは、この 自分の職務を一人であろうと全うしようとする男の話である。 ここを勢いで表現しており理由づけしていないのが少々しんどい。 まぁ古いタイプのプロの話、と割り切ればいいので、 古き良き硬派な映画を見る感覚で読み進めていけばいいのだろう。


【データ】
高橋ツトム (たかはしつとむ)
NeuN(ノイン)
【発行元/発売元】講談社 (2017/9/6) 【発行日】2017(平成29)年9月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ NeuN(1) (ヤンマガKCスペシャル)
ナチス政権下のドイツ。血のつながっていない両親とのどかに暮らしていた少年フランツ・ノインは、ある日突然ナチスの襲撃を受ける。ナチスは密かにヒトラーの血を持つ13人の子供をつくり、ドイツ各地で育てていたのだが、何らかの理由で彼らの抹殺を決めたらしい。ノインを密かに警護する命を受けていたテオ・ベッカーは、ナチスを裏切り、ノインと旅に出た。


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【オススメ】 すずの木くろ、今井ムジイ/宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する


宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 1 (MFC)

■【オススメ】 往来可能でかつ技術が現世より劣っている 世界へ単身乗り込む形のファンタジー。 その設定で日常を丁寧に描くという スタイルは上手い。

原作小説のコミカライズ。宝くじで大金が当たった 主人公が寄付してくれなどとのタカリに閉口し 父親に縋ったところ先祖代々持っているという 山奥の屋敷を避難場所として紹介されるのだった− というところまでを白泉社のマンガなみとまでは 言わないが冒頭数ページで消化。 そしてその後数ページで彼は異世界に足を踏み入れることになる。


平行世界ファンタジーもの。天変地異や誰かの意志によるものではなく 主人公は自ら異世界に足を踏み入れるので強制感はない。 その世界との言葉のやりとりにも支障はないが、文字は読めないという設定。 現世との行き来は可能だがそれが出来るのは主人公のみで、 こちらの世界の人には不可能という条件づけもされている。


そんな中で、主人公は最初に立ち寄った村に歓迎される。 その背景にはかつてそうして立ち寄った神が領主に処刑されかけたという 伝説があり、村人たちはそれを後ろめたく思っているから。 そしてその世界は現世の感覚でいえば中世の時代のようで、 天候不順による作物の不作に悩んでいる。そこへ彼が持参した 食べ物や栄養ドリンクが救世主となる。


技術が現世より遅れていてそこにものや知恵を授ける人物が神のように扱われる、 という設定は普通に思いつくが、そこに、このファンタジー世界の栄養価が 現世よりも低い、という要素まで付加したのは上手い。これで 主人公が必ずしも上位にいるわけではない、という設計となりストーリー展開の うえでバランスが良くなった。


かつ、治世自体はよい領主に恵まれており、 主人公が対峙すべき話のスケールは領主との対立という小さな話に とどまらずに済む様子。ただし国自体は大国との休戦状態にあり、 しかしその休戦は期限が区切られており軍事費に相当分を割かなければ ならない、という設定も出てくる。


いや、よく考えられた話である。しかもその話を 丁寧に転がしていく。じっくり腰を据えて行うRPGのような、 ワインを熟成させるがごとくの大河もの。勿論、技術面での辻褄の合わなさ など気にし始めれば真っ当なSFにはなっていないと気づく。 なので緻密な設定を期待している人には向かないが、 マンガは絵もよく話運びのテンポも上手なため、 細かいことは気にせずに読み進めることができる。


この手の大きな物語はあんまり粗探しても詮無いので、 どうしても引っかかって嫌だという点がなければ楽しんで読めばよいのでは。 全体的な雰囲気がほんわりと明るいので個人的には楽しく読みました。 続刊発売済→宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 2 (MFC)


【データ】
今井ムジイ、原作=すずの木くろ
宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する
【発行元/発売元】KADOKAWA / メディアファクトリー (2017/4/22) 【レーベル】MFC 【発行日】2017(平成29)年4月22日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する 1 (MFC)

宝くじで40億当たり、会社を辞めて異世界へ――!? 貧しい村を、現代日本の物資と技術でなんとかしていきます。あと村の美少女に恋してしまいそうです…。



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【オススメ】 伊達恒大/クロスアカウント


クロスアカウント 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

■【オススメ】どこかで見たような話、どこかで見たような構図の パッチワークにも見えるが、そうした批判を無視できる完成度がある。 ただ、この設定は話の落とし所が難しいのでは・・・。

アニメでありそうな扉絵ではじまる作品は、冒頭から 主人公の男子が女子の着替えている教室を開けてしまうという ラッキースケベ状態という『ジャンプ』の ちょいエロラブコメ路線の王道展開。ただし本作の場合、主人公は、 なんだ無害君か、と言われスルーされてしまうのが捻ったところ。


低身長で薄顔、で人に嫌われたくなくて当たり障りのない態度を 繰り返していたら、そういう立ち位置になってしまった。 イジられキャラなのを嫌がっているが、 それよりも、オタクである本当の自分を隠しているのが ツライ、ということの様子。 友達もいない。そんななか、語りかけてくれるのは、幼馴染の クラスの女子。でも彼女はバレー部のエースだし 既にファンクラブまであるということでリア充でヒエラルキーの 上位で、自分のことを見下しているに違いないと思い込んでいるのだった。


そんな彼が、本当の自分であろう、と努力していくお話。 そこに追加されているのが、 彼がオタク全開でつぶやくSNSアカウントはそこそこフォロワーがいて 人気であるという設定。 フォロワーのうちの一人はそんな彼がふと「結局今日も1日ニセモノの自分。。。」と呟いたことに共感してダイレクトメッセージを送り、 二人だけのやりとりが始まる。 この人物が実は主人公が好きなアイドル女優である、 という設定つき。


結局のところ、主人公をめぐる三角関係なラブコメなのだが、 SNSを使い変則的なものにしているところがユニークといえばユニーク。 エピソードや設定自体はどこかで見たようなものではあるが、 それは高校生のラブコメである以上致し方なし。 絵の構図も見たことがあるようなものが多いが、それも綺麗で 見せる絵の構図を考えればそういうことになってしまうのだろう。 絵と話のテンポは完成度が高く、 現代風に煮詰まったジャンプのラブコメとして 評価されてしかるべき作品である。


ニセモノでない本物の自分であろうとする、 というテーマが青臭くはあり、 アイデンティティと呼ぶには少々軽すぎるものの、 少年誌として妥当な題材である点も素晴らしい。 ただ、この設定だと、 芸能人である少女の出口をどう見つけるのか、 主人公の思いもどこに着地させるのか、 噛ませ犬に見えてしまう幼馴染をどう扱うのか、 と課題は多い。どうするのかね・・・。


【データ】
伊達恒大 (だてつねひろ)
クロスアカウント
【発行元/発売元】集英社 (2017/10/4) 【レーベル】ジャンプ・コミックス 【発行日】2017(平成29)年発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ クロスアカウント 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
超地味でクラスでは空気扱いの高校生・玉梨大地。唯一、本当(オタク)の自分を出せるSNS上で、大地はとあるアカウントと出会い!? 匿名のまま交わされる言の葉が紡ぐ、運命を超えた恋物語が今始まる――。



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【オススメ】 糸井のぞ/真昼のポルボロン


真昼のポルボロン(1) (BE・LOVEコミックス)

■【オススメ】 しゃべらない、と決めた娘のお話。 変化球効きすぎだが、 ある種の疑似家族ものとして面白い。

生まれた時から、外の世界に出るくらいなら 死んだほうがマシだ、と思っていた女の子。 なので、生まれてからも彼女は人前で喋ったことがない。 そんな設定の人物を主人公とするお話。


母は亡くなり、母の姉夫婦のもとにいるが、 ネグレクト気味。もともと面倒を見ていた祖母が 入院したので、ということのようだが、 そこに舞い込んできたのが実父からの連絡。 彼が娘である彼女を引き取りたいと言い出してきたのだった。


父には、母を捨てたが出産時に病院に来たものの 祖母に謝絶されたという過去があるらしい。 ちなみに職業は小説家兼大学の講師。 ルックスがよく、 誰にでもいい顔をするので モテるのだが相手の気持ちを忖度できない。 そして当然のようにメンヘラ系の彼女を引き寄せる。 まるで母に似たような。


この世で唯一許さない人が実父だ、というヒロインの発想は 面白いが、まぁなんでそんなことになっているのだ? というと、母や祖母の刷り込み以外にはありえないのだが、 まぁそういう設定なのだと理解するほかないのだろう。


話としては、実際の父娘ではあるが殆ど疑似家族のような 二人を描くもので、それを年端もいかない娘の視点 から描写するところはユニーク。ただしその分ファンタジーさが 濃くなるので現実味は薄くなる。


女性との恋が続かない父親が、娘となら永遠ではないか、 と閃いて彼女を引き取ったという時点で絶望的な話ではあるが、 そこに彼のことをよく知る人物を周りに配したことで 物語としての体裁は整った。あんまり展開はなさそうだけれどもなぁ。 続刊出たので買って見ます。→真昼のポルボロン(2) (BE・LOVEコミックス)


【データ】
糸井のぞ (いといのぞ)
真昼のポルボロン
【発行元/発売元】講談社 (2017/6/13) 【レーベル】講談社コミックスBL 【発行日】2017(平成29)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 真昼のポルボロン(1) (BE・LOVEコミックス)

自分をこの世界に連れ出し、すぐに捨てた父親への嫌悪感から9歳の少女るつぼは父親を許さないと決めて生きてきた。だが、そんな二人が期間限定で「親子」をすることになり!?


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