【オススメ】 原秀則/しょうもない僕らの恋愛論


しょうもない僕らの恋愛論 (1) (ビッグコミックス)

■【オススメ】 「さよなら三角」や「冬物語」を読んでいた世代に ドンピシャにハマる優柔不断な大人な話。 …いや、読んでいた世代にとっては主人公の年齢はちょいと下になるような気はするが…

主人公は40代、キャリア二十年のデザイナー。 フェイスブックの友達リクエストに大学時代同級生だった 女性が申請してきた。その翌日、友人から その彼女が死んだと聞かされる。


爽やかかつ優柔不断な優しさで包まれた話。 彼女の葬儀の際に娘と出会い、その娘は 母が昔好きだったという人に興味を持ったのか 彼に会いに来るようになる。…このあたりは いい年したおっさんの夢のような話になるが… なにせ彼が出会った頃の彼女を彷彿とさせる存在なわけで、 青春よもう一度的な部分がある。


とはいえ中年男にはこの段階では別に下心も何もない、 というのが著者の作品らしいところ。 亡くなった彼女との別れは、急に父が倒れて 家業を手伝う必要があり家計の問題もあって 大学からも東京からも離れたことが原因、と。 …その割に大学時代の友人と連絡取り合う中に 戻っているところがご都合主義な感じもするが、 その後東京に戻り、かつ彼女は結婚したと聞いた、 となれば彼女とだけは連絡する関係に戻らなかった のも普通か…。


さらに。さかのぼって高校時代の同級生との 交友関係も続いている様子。彼のことが今でも 好きな女性とは飲み友達。…うん、著者の作品らしい…。 一方で主人公は結婚歴があるような描写もあり。


そんな状況で、主人公自身は会社では後輩を育て 仕事を譲るようにも言われ、取引先ではずっと 手掛けてきた作者の装丁もどうやら別の人のところへ 依頼があったようで、自分はもう古くなっているのか、 と思いはじめてもいる。と、公私ともに中年クライシス状態。


話としては、亡くなった彼女の娘が、あなたの娘です、 と彼のところへ行くのならわかりやすいのだが、 そうでないのでちと話として良くわからない部分がある。 年齢的に辻褄があわない設定なのでそういう話では絶対ないから、 思春期の少女の女心ゆえの行動なのだろうが、 わかるような、わからないような…でも父親の姿が今の所見えてこないので、 だからなのかな、とも思う。話は基本的に主人公の側にあるが、 鍵を握るのはこの少女であり彼女がトリックスターであるはずなので、 その子が今後どんな行動に出てどう納得させてくれるのか、 を見届けたい。


【データ】
原秀則
しょうもない僕らの恋愛論
【発行元/発売元】 小学館 (2019/7/30) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ しょうもない僕らの恋愛論 (1) (ビッグコミックス)

恋愛漫画の名手、待望の新作!! デザイン会社に勤める拓郎の元に、ある日フェイスブックの友達申請が。それは、二十年前、彼が好きだった女性、安奈からのものだった。 だが翌朝、安奈の死の知らせが…現実を受け入れられないまま葬儀に出席し拓郎は、安奈の娘、くるみから声をかけられる。 そして三か月後、突然くるみが拓郎の家を訪ねてきて…!? 過ぎ去った過去の後悔やこの先の人生に悩む40代の主人 公・拓郎と、そんな彼を想い続ける同級生・絵里、 そして拓郎に興味を示す女子高生・くるみたちが織りなすラブストーリー!!


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【オススメ】 寺坂研人/ビーストチルドレン


ビーストチルドレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

■【オススメ】これくらい強引な展開でないと スポーツ漫画の一巻は厳しいのでは…。

たまたま見に行ったラグビーの試合に心奪われた少年は、 その後も一人練習を続ける。そしてようやく、ラグビーを 知る同世代に出会い、勧められた高校に進学する。 そこには彼が心酔する選手が作ったラグビー部があった。


スポーツ漫画の典型のひとつ、 見いだされていない天才もの。 一人で練習を続けてきた、という話で、 だからこそ傍目からは無茶な練習をこなしてきた、 というのは物語としてなくはない。


進学した先で才能を認める人がいるという のも良い話。いきなり試合に起用される、 というのもその人物が認めたらありだろう。 その展開だからこそスピード感もあり、 読む側も乗せられる。


雑誌で他の作品もあるなか細切れで読むとどうなのか知らないが、 単行本で読む分には勢いがあった。 ありえないという点ではスポーツ漫画の殆どがありえない わけで、そこを本作は熱量のある勢いでカバーしており、 読ませると思うのだが…。


【データ】
寺坂研人
ビーストチルドレン
【発行元/発売元】 集英社 (2019/9/4) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ ビーストチルドレン 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ラグビー一筋、熱中すると周りが見えなくなる少年・桜。ラグビーを通して本気でぶつかり合える相手を探す中、同じ学校のユキトと出会う。彼がラガーマンだと知った桜は、一緒にラグビーをしようと持ちかけ!?


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【オススメ】 春原ロビンソン、ひらけい/姫様“拷問”の時間です


姫様“拷問”の時間です 1 (ジャンプコミックス)

■【オススメ】敵に囚われた姫君があれやこれや と拷問を受ける。ただしエログロ一切なし。

魔王軍の手に落ちた国王軍の王女。 騎士団長でもある姫君は、監獄の中で、 拷問を受けることになるのだった。


が。内容は、表紙の絵にあるような中身。 基本的に食べ物で姫様をつり、食べたいが 故に口を割らせるのだった。優しい人たちの 優しい拷問話。まぁ、魔王軍なので、人ではないのだが。


和気あいあいとしながらの拷問タイム。 そして。姫様の暴露する秘密ネタはたいしたものがなく、 ときに重要なものはあるがそれを魔王は採用しない、 などという馬鹿げたコントが延々展開されていく。


ワンパターンのコントだが、拷問コントには トリビア的なお役立ちネタも含まれるようになり、 食べたいよりもったいないなどの心くすぐるネタに 転化していき、案外バリエーション豊富で飽きることなく 一巻を読み終えた。巻を重ねても面白く読めるかどうかは 展開次第だが…。


【データ】
原作=春原ロビンソン、漫画=ひらけい
姫様“拷問”の時間です
【発行元/発売元】 集英社 (2019/9/4) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 姫様“拷問”の時間です 1 (ジャンプコミックス)
国王軍と魔王軍が衝突を始め幾年月。王女にして国王軍第三騎士団“騎士団長”の姫は、魔王軍により囚われの身となっていた! やがて、姫に待ち受けるのは斜め上の拷問の数々で――!? 最も残酷な拷問の時間が今、始まる!!


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【オススメ】 クロマツテツロウ/ドラフトキング


ドラフトキング 1 (ヤングジャンプコミックス)

■【オススメ】他と違う癖のある、でもその眼力ゆえに 一目置かれているスカウトマンのお話。面白い。

主人公はプロ野球のスカウトマン。しかしドラフト候補生に、 うちの球団も指名するかもしれないがお前はプロでは通用しないので 行くな、と忠告するような人物。そしてその候補生は プロ入りしたが通用せず5年で引退することになるのだった。


その候補生だった人物もスカウト部に入りつつ、 勝手な動きをする主人公に右往左往しながらバディもの的に 展開していくプロ野球裏方話。


皆が注目する選手をドラフト で指名してもしょうがない。狙うのは新人賞を獲る選手ではない。 ドラフト下位からでも下剋上し、数年後に、あの年のドラフトで 一番活躍しているのはこの選手だ、というドラフトキングを獲るのが 目的だ、というスカウト部長の発言が本作のすべて。


野球選手には、野球が好きで好きでしょうがない、という人が向いている、 というのは確かにそうかもしれない。何かのバランスが崩れたときに、 それでも自分を信じて続けられるのは、それが好きでないと難しい。 たぶんに個人の力量で行う範囲の広い仕事ほど、そういうことに なるのだろう。ちなみに自分の裁量だけでどうにかなるわけではない仕事は 好き嫌いの強度はあまり関係ない気がする。


主人公の好物が「黒松」のどら焼きだということなので、 十条在住者としては評価高めにしました(うそです。) 後半の話は、社会人野球の選手のプロ入りの道を スカウトマンが閉ざしたという一方で実はその選手とスカウトマンは 仲良く交流しているという内容で、その真相は巻またぎという構成。 続刊が気になるが、実は2巻同時発売。続刊をすぐ買いました。


【データ】
クロマツテツロウ
ドラフトキング
【発行元/発売元】 集英社 (2019/8/19) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ ドラフトキング 1 (ヤングジャンプコミックス)
全てのプロ野球選手が通るプロ野球の入り口、ドラフト。その陰には、高校野球、大学野球、社会人野球、独立リーグ…全ての野球選手の中から隠れた才能を見出し、プロへと送り込むスカウトマン達の活躍がある!! 並外れた眼力を持つスカウトマン郷原が見出した選手とは…!? その年のNo.1選手、ドラフトキングの獲得を目指すプロ野球スカウト譚開幕!!


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【オススメ】 竹良実/バトルグラウンドワーカーズ


バトルグラウンドワーカーズ 1 (ビッグコミックス)

■【オススメ】異生物と戦う世界、遠隔接続で戦士として 戦う主人公の物語。

両親は交通事故で自分を守って亡くなった。 自分も立派に生きたかったが30歳にして入院、失業、 家庭もなし。そんな状況の彼に、一通の通知が届く。 それは外務省の人類連合協力課というところからだった。


亞害体、という未知の生命体から人類を守るための 戦争に、ロボット兵士の操縦士として参加することになる 主人公の話。遠隔捜査で人型兵器を操る、というスタイル。 ロボットの形状は、これはロボット漫画ではないのだな、 と思わせる代物。なので内容は技術的な性能よりも人間の対応に 寄った話となっている。


遠隔捜査なのだが痛みは感じる。ただし最悪の場合は強制終了 でその場を離れることで生命は維持できる。だが、この強制離脱は 脳に影響を与えるため5回までと制限されている。また 敵である未知の生命体は知能も高いようで人間側の弱点も 理解して攻めてきている様子である。


そんな中でまず訓練話から始まるが、早々に実戦に配属される。 主人公は別に何か才能があるという設定でもなく成績は むしろ最後方。ただそれでも色々考えようとしており、節電なり メンテナンスなり、様々な工夫を試みようとしている。 それが功を奏する場面もある。


主人公は基本いいひと。だけれどもそれだけでは 社会を乗り切れてこなかった。この現場でも同様。 不器用だが不器用なりに頑張れることを頑張ろうとする。 「努力は裏切る、それが普通!!」という理解が 主人公にはある。これは、すごい。強い。これを 明確に言ってしまう作品はそうそうない。 その上で、どうあがくか。 軍隊は、少人数編成で動くし、 権限は委譲されるので、案外 自由に動けることは多いようだから、主人公のような人には 向いているのかも。


【データ】
竹良実
バトルグラウンドワーカーズ
【発行元/発売元】 小学館 (2019/8/30) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ バトルグラウンドワーカーズ 1 (ビッグコミックス)
『辺獄のシュヴェスタ』の作者、最新作!
『辺獄のシュヴェスタ』の竹良実が選んだ 次の舞台は、“現代の戦地”――
失業中に30歳を迎えた平 仁一郎のもとに届いた、一通の手紙。 それは未知の生命体「亞害体」と戦う 人形兵器「RIZE−ライズ−」を遠隔操縦するパイロット職の通知だった。
人類のために立ち上がる者 という意味を込めて命名された「RIZE」。 戦地の最前線で、人々に知られず世界を救う仕事に就いた仁一郎だが…!?
生死を懸けたSFアクション大作、開幕!!


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【オススメ】 黒麦はぢめ/ふたりが家族になるまでに


ふたりが家族になるまでに 1 (まんがタイムコミックス)

■【オススメ】少女と従兄の同居生活という 一種の疑似家族もの。地に足ついた話で、 ほのかに甘くもほろ苦いのが良い感じ。

母子家庭で暮らしていた少女は母が急な単身赴任に。 そこで招聘されたお世話係は、いとこのお兄ちゃんだった。


父親のいない家庭ゆえか男性との同居には抵抗も 強かったが、何でもできてしまう従兄に、 何もできない少女としては委ねるほかしかない。


そのあたりのもやもや感を描いているのが面白い 疑似家族もの。一方、従兄は 面倒見がよくほわっとしてすぐに場に溶け込む。 少女視点で話が進むので従兄がスーパーマン的存在にすぎる点が あるが、話運びはテンポよい。定型コマ割りな割に カメラワークがコマごと変わるので停滞感がない。


思春期の少女の気持ちを描くものとして 従兄との疑似家族生活という仕掛けを持ってきたのが面白い。


【データ】
黒麦はぢめ
ふたりが家族になるまでに
【発行元/発売元】 芳文社 (2019/6/7) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ ふたりが家族になるまでに 1 (まんがタイムコミックス)
社会人従兄と、いきなり二人きり……困る! あさひは母娘二人で暮らしていた高校1年生。ある日、母の急な海外単身赴任にともなって「お世話係」としてやってきたのは、従兄で社会人のジローさん!? 男性が苦手なあさひは当初反対をしていたものの、その家事力になすすべもなく押し切られ……? ほんのり甘苦い青春同居物語。



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【オススメ】 冨士宏/迷廊館のチャナ


迷廊館のチャナ 1 (マッグガーデンコミックス Beat'sシリーズ)

■【オススメ】 探検家志向の少女は、物置で見つけた鍵から 異世界に足を踏み出す。倫理観から違う社会に 繰り出すファンタジー。

ヒロインは11歳の少女。いつか探検家になりこの世界に残された謎を 解明したい、という高尚な夢を持っている。そんな彼女が、 物置で見慣れぬ鍵を見つけた。近所にある廃墟にひとつ残された壁、 そこにある扉の鍵がそれではないか、と睨んだ彼女は、早々に試して見る。 するとたしかに鍵は回った。扉があき、向こう側へと出る…かと思いきや、 その奥には別の空間が広がっていた。


30年前の作品のセルフリメイク。ヒロインが鍵を開けて 入り込んだのは、大きな家の中。その中は大きく広がり、 ひとつの世界、社会が構成されていた。そこで出会った、 中のことならなんでも知っている人物に案内されながら 彼女は内部を冒険する。


今のところヒロインの思想は、別の未知な世界に入りこんだ、このことを 友人に知らせたい、知らしめたい、というレベルで、 探検家がどうこうといった段階ではない。まぁいずれ成長するのだろう。 持っていったカメラを取り返したい、という話に終始する のは正直退屈ではある。


一方、彼女が入り込んだ別世界は徹底的な階級社会で、 その歪みを目にするたびに彼女は違和感を覚えていく。 ただそれもその社会で生きていない異邦人のお気楽な視点なのかも しれないが…。正しいあるべき形を指摘するのはそう難しくないが、 そのあるべき形にフィットさせられるかというと難しいのが現実 というものではあり。


30年前に描き始め、完結できなかった作品を 改めて手掛けるからには相応の思いと覚悟があるのだろう。 じっくり読ませてもらいます。なので出版社は相応の 責任を負っていただけると幸い。


【データ】
冨士宏
迷廊館のチャナ
【発行元/発売元】 マッグガーデン (2019/8/10) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→ 迷廊館のチャナ 1 (マッグガーデンコミックス Beat'sシリーズ)
時を超え、伝説の世界が今蘇る! 伝説的ファンタジーコミックが、四半世紀の時を超えてリブート大復活!全てが館の中にある「迷廊世界」で、探検家を夢見る少女・チャナと迷廊世界の住人・オルオルの冒険が始まる…!


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